人と会社は誠実であるべし
不幸は立て続けにやってくるもので、
3日間程体調不良もとい傷心休暇を貰い泥のように寝ていた私に一本の着信が入る。
表示名は古くからの友人のもので億劫に思いながらスマホに手を伸ばした。
「もしもし・・・?」
『ちょっとゆり、あんたんとこ大丈夫なの!?』
(なんのことだ・・・)と思いながら、友人に促されるままテレビをつける。
〇〇自動車の不正問題が明らかになりーーーーーーーーーーー。
そうレポーターが告げた会社名はまさしく弊社のもので・・・。
役員の汚職、補助金の不正受給、現場でのずさんな管理体制、パワハラ等々。
盆と正月が一気にくるってこういうことか?いや、どちらかというと踏んだり蹴ったりのほうが適切か。
なんてたっぷりと睡眠を取って楽観的な頭で現実逃避に勤しむ私だったが、その日は友人・家族からの連絡が鳴りやまなかった。
会社には4年ほどお世話になってそれなりにやってきたつもりだったが、
この世間的に最悪な評判になってしまった以上、もう居続けられないな・・・。
そう思い人事・直属の上司にメールを送ったが、皆考えることは同じようで
『お疲れ様です。連絡ありがとうございます。例の件で退職処理が追い付かないくらい
退職願を受理してて・・・。まあ実は私も辞めるんですが(笑)』
世間的な評判は今となっては最悪だけど、気さくな人が多くてこんなことになっていなければ
ずっと働いていただろう。
なんて思いながらトントン拍子で人事との話は進み、溜まっていた有給を一気に消費する形でそのまま退職する運びとなった。