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好きで好きでたまらない  作者: しおやき


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後日談




「こ、こうたくん・・・・おはよう・・ございます」

「おはよ」




 あのあと家に帰ってから、言われたとおりもらったメッセージを読んで家で1人で卒倒した。


 夜なんて緊張し過ぎて眠れずに、朝起きてもまだ夢の中のような心地。ボ~としながら朝の準備を進めて外に出ようとしたところ、案の定靴を逆に履いていたことに気が付かずそのまま学校まで来てしまった。



 違和感があったけど頭の中は別のことで忙しい。


(りょ・・・・両想い?)


 こうたくんと両想い、その事実に何度も疑ってはメッセージを見て、ため息。大事にスマホを両手で抱いて電車の中で胸に抱え込んでいた。




 そして、いつもどおり朝学校について、靴を履き替えて廊下に降り立った僕は、先に来ていたこうたくんにいつもと同じように挨拶。



(・・・・気まずい・・・とはちょっと違うけど、恥ずかしい)



 好きと言うよりも、好きと言われるほうが恥ずかしくてドキドキするなんて誰も教えてくれなかった。

 こうたくんはどんな思いで僕の『好き』という気持ちを聞いていたんだろう。



「行こっか」

「あ、はい・・・」


(読んだこと・・・・言ったほうがいいかな・・どうしよう、でも言わないのも失礼だよね)



 何にも喋らないこうたくんからは心なしかピリピリした空気が感じられる。隣に並んで歩く僕の歩調に合わせてゆっくり歩いてくれている気遣いに嬉しさ半分戸惑い半分。



 教室に着いて、席につくまで結局二言三言しか言葉をかわさなかった。



 鞄を机に置いて、教科書や宿題を机にしまい込みながら頭の中をいったん整理しようと悩んでいると、こうたくんから突然名前を呼ばれる。



「かずき、」

「・・・は、はい」

「・・・・・」


(・・・え?)


「どうし」

「読んだ?」

「・・・・・」


 そこで固まった僕は乾いた声でギリギリこうたくんに聞こえるように相槌をうった。  


「・・・・はい」

「そっか。なら良かった」

「あ、あれは・・・」

「ん?」

「その、どんな・・・意味で」


 意地悪なのはきっと僕の方だ。こんな質問、多分普通なら「お前調子のってんの?」って言われてぶっ飛ばされる気がしてならない。


(両想い・・・・なのは分かったけど、どんな反応すれば)


 具体的に付き合うとかそういうことは書かれてなかった。この手の話にうとすぎるというか、よく知らない僕はこうたくんのメッセージの行間の意味をうまく読み取ることができない。


 そういう意味であれば、もちろん喜んでになるけど、好きだけどこのままお友達で仲良くしていこうって意味にも取れてしまう。


『この先、これがどんな形になるかなんて分かんないけど』


 この文章はどんな意味合いになるのか。ちゃんと聞かねばいけない。そう思って聞こうとした。



「・・・あの、僕は」

「姉ちゃんにさ、」

「・・・・・」

「そういうのははっきり直接言えって言われて。今日、聞こうと思ったんだよね」


(・・・・)


「かずきは?」

「・・・・へ?」

「友達のままのほうがいい?どう思ってるか教えて」

「・・・・・」



『お前が考えてることちゃんと知りたい。』


 そんなことを言われた僕は、何度も読んで目に焼き付けたあのこうたくんのメッセージが脳裏に浮かんだ。



「・・す、好きです・・・」

「うん」

「・・・・・」



『恋人・・・になれたら嬉しいと思ってます』と、そんな言葉が一瞬口から出そうになったけど、やっぱり喉の奥で引っかかる。



「・・・とても好きで・・・・ずっと・・好きです」

「・・・ふッ」

「え?」

「・・いや、それは知ってるけど。言ってくれるのは嬉しいんだけど、ぜんぜん回答になってないじゃん」


 そう言って笑ったこうたくんは荷物を置き、ネックウォーマーを首から外して少し火照ったような顔つきをのぞかせた。



「ごめん、ちょっと意地悪した」

「えっ」

「付き合おっか」

「・・・・」


 机に腰掛けて、僕のことを見つめる彼は、昨日みたいに視線をそらしてはくれない。


「返事は?」

「・・・・っ」

「かずきくん?」

「つ、付き合いたいです・・」

「じゃあ、」

「こ、こうたくん・・・」

「ん?なに?」


(凄い・・・嬉しい・・・は、鼻血出そう)


「・・・好きです・・・・とっても好きです」

「・・・・」

「大好きです」

「かずき、」

「は、はいっ」

「他の生徒来るよ?」

「え!?」


 そう言われてドアのほうを見ると本当に生徒がドアを開ける寸前だった。



「す、すいません」

「いいよ、またあとでゆっくり話そう」

「・・・う、うん」

「とりあえず、今日からよろしく」



頭をポンポンと触られた僕は嬉しすぎて息が止まりそうだった。



  

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