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好きで好きでたまらない  作者: しおやき


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73/90

電話




 結局ピザは余って、お母さんにあげることにした。


「お母さんって何時くらいに帰ってくるんだろ」

「ん~、多分22時くらいじゃないかな。僕が夜ご飯のことは言っておくから、かずきは気にしないでいいよ」

「・・・・忙しいんだね。分かった」


 普段はうるさいから『良かった』ぐらいだけど、お父さんの話を聞いたあとに、お母さんがプロポーズしたってのを思い出すと2人の間にも色々何かがあったのかもしれないとちょっと気になりだした。



「お風呂に入ってくる」 

「うん。分かった」


 そう言って僕は暖まっているリビングを出てお風呂に直行した。

 


 ◇◇◇



  

 寒いから早く上がって、髪を乾かして寝間着を着てそのまま部屋に戻る。


(寒い、寒い・・・・シャワーたけだったから寒い)



「そうだ。こうたくんから来てるかな・・・・」


 ベッドに寝転んでスマホを明るくすると、新着のメッセージが2件。


(・・・・来てる)



【ごめん、俺も寝てた。今日金曜日で良かったわ】



「やっぱり寝てたんだ。もう一つは・・・え、恭平先輩?」



 いつもと同じように金曜日のこの時間に、連絡をまたくれている。



【起きてる?今日は寝たから夜はずっと起きてそう。今恭平が隣に居てゲームしてるわ。めっちゃうるさい】


「・・・・え」


(先輩と一緒?)



【今はまだ起きてます。でも寝ちゃうかもです。恭平先輩はなんで居るんですか?】



 僕もこうたくんと一緒に居たい。

 なんで先輩がと思ったけど、そう言えばいとこだと言っていたから泊まりに行っても不思議ではない。しかも同じ高校。



(そんなに距離が近いのだろうか。なんかけっこう適当にあしらってた感あるけど)



~♪~


「えっ・・・で、電話?!」



 画面を眺めて文句を心の中でぶつくさ言っていると急に電話の受話器のマークが現れて、目が飛び出そうになった。


「・・・・」


 鳴り続ける電話に固まって、最後の最後で上にスライド。

 夜にこうたくんから電話がかかってくるなんて普段はないし、話すこともないから緊張してまた動揺した。突然かけて来ないで欲しい気持ちはあるけど、嬉しさでいっぱいになるこの矛盾は抗えない。



「も、もしも」

「かずきくーん!?今どこにいんの?!部屋?もうベッド?なんで電話取るの遅かったの?もしかして寝るところだった?!」

「・・・・・」


 (は?)



「あれ?かずきくんだよね?こうた間違えてかけてる?」

「・・・・・」


(え?・・・・なんで恭平先輩?)


 と思って、なんかイラっとしてそのまま何も話さず電話を切ろうとしたら、何故かこうたくんの声も聞こえてきた。


「恭平、お前声がでかい。勝手に喋んなよ、っていうかお前が次やれ」

「えー!」


 (え?)


「かずき?今そこに居る?」

「・・・・え、い、います」

「悪いな、電話したの俺なんだけど。恭平が勝手に喋りだした」

「・・・・ど、どういうことですか?」


 (電話取り上げたってこと?)


「あぁ、スピーカー。恭平の声も聞こえるだろ?今ゲームしてるからスマホ持てなくて」

「・・・・な、なるほど。・・・賑やかですね」

「本当はイヤホンに飛ばすつもりだったんだけど・・・タイミング間違えた。ごめんよ、もう寝る?」


 こうたくんの言うとおり、後ろからうるさい騒がしい声で、ゲームに文句を言っている先輩の声が聞こえる。


(既読ついてないから読まずに電話かけてくれたんだろうか)


「大丈夫です。まだ寝ませんけど・・・な、なんで恭平先輩も一緒に居るんですか」

「なら良かった。恭平は・・・・知らん。勝手に家にきた。なんかあるたびに俺の家に来るから、今日もなんかあったんじゃねえの」

「・・・・そ、そうですか」


(なんかあったって・・・)


「うん。毎回すげぇうるさい。あ、ちょっと待って」

「は、はい」


(誰かに呼ばれた?)


「かずきくーん、」

「げっ」

「げってなによ、げって。酷くない?」

「こ、こうたくんは?」

「今ね、ちょっとお姉様方に呼ばれてそっちに行った」

「・・・・お姉様方?」

「うん。そう言えば言ってなかったっけ。こうた、姉貴が3人いるんだよ。女系家族だな。一番年下で男1人だからすげぇ甘やかされて育ったんだぞ」

「・・・・・そ、そうなんですか?」

「そうそう。だから口が悪いんだよあいつは。さっきも俺のことグダグダ言ってただろ」


(・・・・初情報)


「あの、僕は別にこうたくんの口が悪いだなんて一回も思ったことがないので、何も問題はないと思います」

「おい」

「そんなことより・・・」


(今もまだスピーカーなんだよね?・・でもこうたくんはいないから)


「なんだよ?」

「あの・・・・お菓子ありがとうございました。た・・・助かりました」


 人生で一番と言えるほど非常に言いにくいお礼を今ここで言った僕は、恭平先輩からは多分馬鹿みたいな返しが返ってくると思って少し待ち構えていた。


「・・・・・」


(あれ?)


「・・せ、先輩?」


(なんで黙る?もしかしてどっか行った?)


「あのなぁ、」

「・・・・あ、はい」



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