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変身  作者: 雨世界
6/11

「私、ヒーローになりたかったの。みんなを笑顔にできる、辛いときや悲しいときに、助けることができるヒーローになりたかったんだ」

 ずっと誰にも言えないままで秘密にしていた自分の夢を私は王子様に自然と話すことができた。

(それがすごく不思議だった)

「それが君の夢なら君の夢はもう叶っているね」と(優しい顔で)王子様は言った。

 テーブルの上にはうさぎの小人(動くぬいぐるみみたいだった)さんが運んでくれたたくさんのできたて熱々の料理がある。

 私と王子様は豪華な食事をしながらたくさんの会話をした。

 それはとても楽しい時間だった。

 王子様と二人だけでそんな楽しい時間を過ごしながら私は、もっと早くから、こんなふうに王子様とお話ができればよかったなって、本当に心の底からそう思った。(料理も本当に美味しかったし)

 食事のあとは広い真っ白なお城の中を私は王子様と一緒に歩いて探検をしながら、見学をした。私たちのあとにはうさぎの小人が一匹だけどついてきていた。

 うさぎの小人さんの名前はセバスチャンと言った。(私たちは自己紹介を済ませていた)

 真っ白なお城の中の空間はどこも素敵な場所ばかりだった。

 セバスチャンが私たちの前を歩いてお城の中の案内をしてくれて、(歩くのが少し遅かったけど、可愛かった)綺麗で豪華で掃除が行き届いていて、どの場所でも、その空間にいるだけで心が綺麗になっていくような、そんなまるで全身を心と一緒に洗濯されているような、そんな清々しい気持ちになった。

 やがて私たちは白い階段をのぼってお城の外に出た。

 そこは塔のような場所で外に出た瞬間に一度だけとても強い風が吹いた。

 その風が私の長い黒髪を大きく揺らした。

 私はその強い風の中で一度目を瞑った。

 そして私が目を開けると、王子様が階段の少し前のところから私にそっと手を伸ばして、「お姫様。大丈夫? とても強い風だったけど?」と笑顔で私にそう言った。(私は思わず顔を赤く染めた)

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