表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/57

15『僕は配信者としての目標を決めた』

 


 梅雨坂が僕たちに協力してくれることになって、次の日。日曜日の昼ごろ。


 僕たちは本命のダンジョンへ潜る前に、"三人で"どのように攻略していくか、試しで『低』難易度ダンジョンへ潜っていた。


「──っいきます!」


 梅雨坂が双剣を繰り出す。

 その刹那。僕たちの前にいたアリの魔物たちは切り裂かれ、倒れていった。


 目にも留まらぬ速さで、彼女は攻撃したのだ。


「……ものすごく速いわね」


「そうだな」


 僕じゃなきゃ見逃しちゃうね!

 それにしても流石は死神だ。……何の躊躇いもなく、何百もの魔物が彼女の手によって殺されていく。


「やっぱり魔物を殺すのは気持ち良いですねぇ!」


「それには同意しかねるけど、梅雨坂が楽しくしているのは伝わってくるよ」


「そうです! そうなんです! 楽しいのです!」


 テンションがあまり掴めない……。


 どういう思考回路をしているんだろうか、コイツは。


 ……そう思いつつも、僕は踊るように魔物を殺していく梅雨坂を見守る。


「どんどん先に進んでくわね、彼女」


「ああ。一人で先行している。とても頼りにはなるけどさ、これじゃあ協力プレイの練習にはならないな」


 僕は革鎧のポケットに入れていたスマートフォンを取り出した。


「おお」



 ーーーー


『死神、やっぱり華麗だなあ』


『勇者とホワイト何もしてないの草』


『もっと二人も頑張れ!』


『コメント読んで』


『強い強い強い強い強い強い』


『これだったらあの、アホみたいにいるコウモリも倒せるかな?』


 ーーーー



 コメントは盛っていた。


 視聴者数:70000



 ーーーー


 登録者数:384000


 ーーーー



「そういえばさ、勇者」


「なによ」


「これって、何なんだ?」


 僕はふとウェブサイトに映った──ある情報を見ていた。それは自身の配信への登録者が『100万人』を突破したら""うんたらかんたら〜ある""みたいな内容だった。


 確か、秋元のアカウントは登録者数が100万を超えているはずだし──。


 聞いてみようと、考えたのだ。


「あぁ、これね。これは配信サイトでのある指標みたいなものよ」


「ある指標?」


「そう。指標よ。まぁ大人気配信者かどうか、ってところかしら。それが全てじゃないけどね」


「へえ」


 ……それにしても。前僕が見た時、自分の登録者数は約六万ほどだったはずだが。

 いつの間にに三十八万人にもなっていたんだ?



 ーーーー


『もしかしてホワイトさん、登録者数百万人目指すの!?』


『応援してる』


『がんば』


『勇者なんか追い越してしまえ!』


『まじでホワイトは凄い。みんなに知って欲しいけど、知られてほしくない自分だけが知っていたい矛盾』


『草』


 ーーーー



 僕のスマートフォンの画面を盗み見た秋元は、コメントを読みながら告げる。


「あんた、もしかして百万人を目指してるの? 登録者数」


「え? いやまあ、一応さ。目標みたいなのがあったほうがいいかなと」


「それはそうかもしれないわね。因みに私の登録者数は」


「知ってる。百〜何万人だろ」


「違うわ。285万人よ」


 化け物だった。


「うへえ、じゃあ追い越すのは無理だな……」


「わったしの勝ち〜ふふーん。あのホワイト君もネガティブな部分があるのね!」


「急になんだよお前──」


 くそう。マウントできる部分が見つかったからって、そんな煽ってくるんじゃねぇ!


「まぁ、まずはそうだな。まず僕は、登録者数100万人を目指すことにするよ」


そんなわけで、僕は配信者としての目標を決めるのだった。



ここまでお読み頂きありがとうございます!

ランキング駆け上がってみたいです!! 良ければ広告の下から【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると、続きを書いていく励みになるのでよろしくお願いします!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ