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理想

僕は、オッズくんの案内のもと、ネンガ村を回っていた。


 村の住宅街以外は、だいたい森なんだよね。でも、崖があったり、湖があったりする。そういうので、稼げなかったのかな?




「う~ん。ネンガ村はまだまだ広いんだよ~?もうちょっと北に行けば、もう一個湖があるし~」


「えぇ!すごく広いんだね!」


「うん~!だからねぇ、人数が足りないんだよね~。いまの農地で精いっぱいだから~。もっと人数がいれば良いんだけどね~」




 なるほど、人数不足も問題なんだ。観光地もつくって、人を呼び込もう!


 あの夢の国のネズミがいる遊園地なんてどうかな?ぜったいお金稼げるよね!


 あれ夢と言いつつ、しっかり入園料取っていくからね。


 やばいやばい、本当に僕敵作りすぎでしょ…。みんな?聞いてないよね?




「この板も、埋まっちゃったから~帰る~?」


 板をひらひらしながら、僕のほうへ見せてくる。


「そうだね。戻ろう」


 僕たちは踵を返し…飛んでるから、その表現は違うかな?




「ふぉっふぉっふぉ、お早いお戻りで」


「うん、ただいま」


「ただいまだよ~?」


 バルコニーに降り立った僕は、すぐさま執事長おじいちゃんに抱き着く。


「ねぇ~、この板だと小さくない~?」


 


 たしかに、この板は、青年漫画ぐらいの大きさで、地図もかなり縮小して描いてしまったからね。


「じゃあ、大きい皮とかに書き写そうか。それも、頼んじゃっていい?」


「いいよ~。五枚くらい作ればいいかな~?」


「そうだね、じゃあ、お願いします!」


 僕は、勢い良く頭を下げた。




 いてっ。




「あ~、大丈夫?ごめんね~。そんなところに置いてたオッズくんが悪かったね~?」


「いや、僕が前を見てなかっただけだから…、ごめんね…」


「いいよぉ?カイム君が無事なら何よりだよ~」


 僕を慰めてくれるオッズくんが一瞬神に見えた…。





 なんとも、ほほえましい光景なのじゃ。


 おじいちゃん、興奮しちゃう‼


 ふぉっふぉっふぉ、落ち着かねば…。このような醜態、坊ちゃんに見せたとすれば…。


 ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっ…。


 おじいちゃん、もっと、興奮しちゃう‼


 若いころを思い出すのう。


 現当主が子供のころ…ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉ妄そ…おっと。


 想像しただけでも…なんともほほえまし気。


 おじいちゃん、たまんない!ふぉー!!!!!





「ありがとう、じゃあ、お願いします!」


「かしこまりましたっと!オッズくんも頑張っちゃうよ~?」




 僕たちが村に戻ったときは、もう夕方で、おやつを食べ損ねてしまった。


 あー、こっちじゃそんな贅沢もお預けかな…?


「もうすぐ、ご飯ですからね」


「うん、頑張って耐える…。おやつがないと、かなりお腹すいちゃうんだね」


「ふふふ、頑張って慣れていきましょうね」




「ところで、リーナは?」


「リーナは、狩りに行っていますよ」


 早速、お肉食べたいのかな?楽しみだなぁ!


「ご飯の時には絶対戻ってきますよ。ご飯大好きなので!」




 そういえば、リーナ、ご飯の食べ方が独特なんだよね。


 口を大きく開けると、なんでかな、茶碗がすっぽり飲み込めるくらい大きくなるから、そこに茶碗を傾けて、ラッパ食いするんだよね。


 見事に汁も一滴も零してなくて、すごかった!


 残飯も全部食べちゃったし…。


 


「リーナにも喜んでもらえる村にしたいな…」


 僕は増える理想をゆっくり達成出来たらいいなって思う。

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