予知夢
アイリーン様と久しぶりに再会したせいか、その夜夢を見た。
たまに祈りの部屋以外で予知夢を見る。
夢を見ながら、これは未来の出来事だなあとなぜかわかる。
なぜか私が外の建物にいて、これはどこだろう。どこか貴族のガーデンだろうか。
暖かい日差しに、色とりどりの花が一定の法則で庭を彩っている。
いや、若い人たちが多いし、皆同じ制服をきている。
これはもしや王立学院の敷地ではないのか。
しかも私も制服姿で、誰かと庭の中を歩きながら談笑している。
なぜ私が王立学園にいて、庭を歩いているのか全然わからない。
これは本当に予知なのか、それとも私の悲しい願望ゆえの夢なのか、判断が難しくなってきた。
花の匂いまでもリアルに鼻孔をくすぐるから、おそらく本当の未来なのだと思うけれど、
これを陛下に報告したら、私が学院に通いたいから嘘をついたと思われそうでいやだ。
学園にはアイリーン様もいたはず。
彼女と同じ学園に通いたくて無理を言って、陛下に頼み込んだのかしら。
夢の中で彼女がいないか、探そうとしたとき、背中に誰かがぶつかった。
あ、と自分が衝撃に驚いた瞬間、冷たい金属がお腹に刺さったのがわかった。
暖かい春の陽気から一変して、体はかっと燃え、お腹に刺さる刃物だけが冷たい。
びっくりした私と、まだ異変に気づいていない周囲の学生。
でも後ろを振り向くことができなくて、そのまま直立を維持できなくて、足の力が抜けていく。
体は熱いのか冷えているのかわからないけれど、ものすごく刺されたお腹が痛くて、うずくまる。
背後の人物はまた違う箇所に刃物を刺してきて、いよいよ私は意識を失う。
最後に嗅いだのは、多分相手の体臭だった。
私を殺した犯人のくせに、その香水はやたら私好みだった。