表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/65

十二時四十五分

 外輪山の山頂に到着した。

 三人の視界に太平洋が広がる。


「ああ、やっぱり波が荒れているな――」


 肩で息をしながら黒川先生が言った。


「これではどうにもならない。やっぱり港を後回しにして正解だった。この波で舟を出すのは自殺行為だ」


 ほとんど独り言に近かった。


 美千代が鈍色にびいろの空を見つめる。どこまでも哀しい色が続いていた。それはまるで雲という雲にすっぽりと閉じ込められた気がして、なんだか息苦しくさせるのだった。荒れた波は針のむしろで、これで槍のような雨でも降れば、完全に行き場を失うのではないかとさえ思われた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ