全ての始まり
全てはここから始まった
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とある山奥。霧がかかっている頂上に、小屋があった。中にどうやら三人、人が居るらしい。いや、正確に言えば机を挟んで二対一という形になっているようだ。
「やあ、珍しいね。私に自ら、しかもたった二人でこうして私の前に立っているのだから。勿論、談笑しに来たわけではないのだろう?いや、案外そうなのかな?それとも…まあそれは貴女方が話せばよろしい話題だろう。私が気にする問題でもない。ああ、済まない、話を遮ってしまって。さあ、私を楽しませるような発言をしてくれるのだろう?」
一人の方は男性のようだ。手をポケットに入れて椅子に座っている。随分余裕そうだ。
話も何もまだ何も言っていないだろう。というその言葉をすんでの所で口にしなかった。
「ええ、分かりました。勿論談笑などでは有りませんよ。私の要求を一つ聞いて頂きたいだけです。どうですか?」
と、こちらも余裕たっぷりの姿勢で答える。
どうやら二人組の方はどちらも女性の様だ。
ただし、言葉とは裏腹に全身を服や武器で武装している。男のように座らず、立って話している。ただし、あくまでもその姿勢を相手に気取られないように目をしっかり相手の方に見据えていた。
もう片方の女性も武装はしているが、緊張した様子は見られない。かといって余裕そうではなく、ただただ無表情を貫いていた。いや、それも普段通りなのかもしれない。
「ふぅむ。要求…か。まあ良しとしよう。こちらとしても退屈していたところだ。刺激は時々には欲しいもんだね。して、どのようなものなのだろうか?勝負でもするのか?いや、違うのかな?少しは利口そうに見えるのだけれども。ああ、それも聞けばいい話か。済まない済まない」
どうやらこの男、かなり饒舌らしい。
男の反応に安心したのか、女はある提案をし始める。
「勝負とは言い得て妙ですが、そうですね。ゲームをしませんか?」
「ゲーム?ふふふ、続けてくれ」
「私と貴方の生命権をかけて、私とゲームをしませんか?私では貴方には敵いませんが、互角の戦いというのもたまにはしてみたいものでしょう?」
「ほう、そうか。詳しく頼むぞ」
「いえ、彼女が全てやってくれます。『第三者』と言えばわかるでしょう?」
突然男の顔色が変わる。先ほどよりも更に嬉しそうだ。
「そうか、本気か?
「勿論本気ですよ。逃がしはしません」
そう言って無表情の女の方を見る。
「動かないでくださいね?これ以上のイレギュラーは勘弁です」
女がそう言って、無表情の女は男と女の前に立つ。
「設定製作」
初めてその女が喋る、と、同時に部屋がまず完全に封鎖された。ドアや窓は壁に変わり、その壁も青色に変色する。次に、無表情の女と男、それに女にも青色のオーラのような物が体全体を覆う。
「『設定』の内容はこちらで決めさせて貰いましたよ。これくらいは流石にハンデとでも思って下さい」
「私がそのゲームを受ける保証は?」
「内容を聞いてからで構いません」
「ふふ、優しいな、女」
「それほどでも」
大して感情を込めずにそう言う。
「では、
女は言う。
・私と貴方でゲームをしましょう。敗北した
方の命はなくなります。
・貴方と私の代わりに戦力を用意します。ただし、能力の設定は自身でお願いします。
・戦力は、説明後紹介します。
・戦力はあなたの思想を反映出来ません。ただし、目的の放棄をする事は出来ません。また、ゲーム後戦力に影響は残りません。
・戦力にゲームプレイヤーの能力を振り分けられます。
・期限は1週間です。四日目に能力の振り分けの変更を一度だけ出来ます。
・戦力の大き過ぎる差、また異常事態の場合には自動で修復がかかります。
と、まあこんな物です。質問があればいつでも受け付けますよ」
「大体は理解可能だよ。ただ、まだこれだけではね、命までかけるのだよ?」
「了承しています。まず、どちらが勝利しようと、『第三者』を終わるまで使用不可能にします」
「へえ、それで?」
「万が一の事態があれば貴方だけには自由時間を一時間だけ。その間に私が消えればあなたの勝利とします。私が逃げ切れた時、初めて貴方の敗北となります」
「くくくくく、いいじゃないか、女!よし!私は貴女に勝負を挑もう」
「ふふっ!貴方ならそういうと思いました。では後6時間後に開始とします。戦力とは、こちらです」
女はあらかじめ持ってきていたタブレット端末を男に見せる。
「私が何故お前の名を知らぬのかが驚きだ。中々貴女もとんでもない。私には劣るがな。
男はにやける。
「では、肝心の勝利条件を聞こうか」
女は一呼吸置いてから、
「勝利条件は……
「ふははははははは!」
男は笑う。
「ふふふふふっ!」
女は笑う。
「それでは、6時間後に、四塔目」
「ほざくなよ小娘、精々私のいい刺激となるのだな」
・勝利条件は、相手の戦力の殲滅です。
さあ、相手の信条をねじ伏せよう。