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13話

本当に久しぶりの投稿です。

よろしくおねがいします。


 目の前で鮮血が舞う。

 小屋の扉から次々と現れる奴隷商人たちをまるで虫を払うように地獄に落としていく。

 10人ほど殺した頃、ついに奴隷商人が現れなくなる。


 「もう終わったか……」


 俺は魔力の波動を半径1キロに送るとすでに生きた生物が存在しないことを確認する。

 そして小屋を去ろうとしたその時、上から何かが来るのを感じ、すぐさま小屋から出る。

  

 ドゴォォォォォン!!


 後ろを見るとすでに小屋は跡形もなく消し飛び、砂埃が周辺を覆っている。そして砂埃が薄まってくると、さっきまで小屋があった場所に巨大な影が現れる。


 「さ、さっきの魔力は……お、お、お、お、お前からだ、だ、だ、だな?」


 巨人族だった。目の前に大きな混紡を手に持ち、禍々しい魔力を放つ巨人。 


 「そうだと言ったらどうする?」

 「こ、こ、こ、こ、コロス。お前のせいで、で、で、で、で金がも、も、も、も、もらえない、い、い、い」


 なるほど、どうやら目の前の巨人族は奴隷商人の雇われた護衛らしい。それにしては登場が遅かったな……。


 「やれるもんならやってみろ!」


 俺は右手に極大の魔力を纏わせ、巨人が放つ拳を受け止める。衝撃波が周囲の木々をなぎ倒しながら円形に広がる。

 

 「くっ……」


 さすが巨人族というべきか段々と押され始める。ニヤリと口を歪める巨人。


 「くひひひひ。お、お、お、お、お前……オレより弱い……。シネ」


 巨人族の太い腕がさらに太く盛り上がり、力が増す。瞬間、俺は右手に纏わせた魔力を弱める。そして体をひねり、巨人の腕を避ける。そのまま巨人の腕に触り、俺の魔力を流す。


 「ぐひゃびゃびゃびゃぴゃびゃひゃ」


 俺の魔力を流した巨人の腕は魔力過多により破裂する。狙い通りだ。そして痛みでのけぞっている巨人をよじ登り、肩に乗る。


 「終わりだ」


 身体能力強化を最大に上げ、魔力を拳に纏わせる。そして全力で殴る、殴る、殴る。

 最初は奇声を上げていた巨人も次第に声が聞こえなくなり、完全に動きが止まる。


 「さて……」


 もはや肉の塊となった巨人の死体を燃やしておく。下手にそのままにしておくと、動物が食べて魔獣に変化してしまうからな。


 メルたちを追い街に戻るとすでに街の憲兵隊がメルたちに色々と聞いていた。

 

 「兄さん!」


 まるが俺に気付き早足にこっちに来る。俺はそれを両手を上げて迎え、抱きとめる。ちなみにすでに返り血は魔法で洗浄済みだ。


 「大丈夫? 怪我はない?」


 首を傾げ、俺を見つめてくるメル。天使か!!


 「ああ、大丈夫だよ。それよりもメルも怪我はないか?」

 「うん! 大丈夫!」


 ああ、天使だな……。なんとしてもこの笑顔を守らなければ……。


 「メル、ごめん……」


 メルの頭にそっと手を乗せる。そして魔力を流し、気絶させる。


 「ジルくん。何をしたの?」

 「これから誘拐された日から今日までの記憶を消す。俺の力をメルに知られてしまったからね」

 「それは必要なことなの?」

 「ああ、これは俺への罰でもある。俺がメルから目を離したから誘拐されてしまった。こんなことが二度と起こらないようにしないとっていう戒めのために……」

 

 シャルはよく分からないって顔をするけど、これは俺にしか分からないことだ。俺のわがままだ。

 するとシャルは俺を見つめて何か言いたそうにする。


 「私の記憶も消すの?」

 「……いや、シャルの記憶は消さない」

 「どうして?」

 「君、この国のお姫様だろ?」


 そう言うとシャルが驚いたような顔をしたが、すぐに笑顔になる。


 「どうしてわかったの?」

 「君の纏ってる魔力が国王様によく似てるからね」

 「ふふふ、どうやらジルくんは相当な力を持っているようですね」


 そしてシャルは後ろで控えている憲兵隊に向けて合図を送るとすぐに馬車が迎えに来る。


 「今日は色々とありがとう。ジルくんとはまた会う気がするわ。それではご機嫌よう」


 馬車に乗り込み、颯爽と行ってしまうシャル。


 「あいつと関わると厄介なことになりそうだな……」


 俺は気絶しているメルを抱えて人気のない路地裏に行く。誘拐された子供が偶然助かった風に装う必要があるからだ。

 その前にメルの記憶を魔力を使い消しておく。

 そして自分の魔力を操り、目を瞑る。

 視界が暗くなる中、目の前にある天使の顔を見て笑う。


 「お前は絶対に俺が守るからな」


 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 そして目が覚めると目の前には白い天井がある。どうやら学校の保健室らしい。

 体を起こそうとするが、全く動かない。どうやら魔力が切れた反動が来てるらしい。

 左手に温かな温もりを感じ、目を向けるとそこには寝ている天使の姿があった。


 「メル……」


 そう言うとパッと顔を上げるメル。そして目に涙を溜めながら、必死に言った一言。


 「おはよう、兄さん」

 「おはよう、メル」


 天使の笑顔がまた見れた。

まだ続きますが、出来るだけ早く投稿したいです。

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