表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
賢者様を待っている世界で  作者: 三條聡
第5章 王都・アンドレアソン 1
88/179

報告

ここで、この章は終了です。

次回は、土曜にアップ予定です。

 宿屋の一室で、部下の報告を聞いた。

 目的の少女を連れ帰れなかったという報告だった。その報告をしている男は、少し白髪の混じった背ばかりが高い痩せた男だ。その目は、鋭く自分を見据えている。


「で、その娘はどうした」

「置いて来たそうです」


 忌々しく響く『ノルドランデル』の名に、少し眉をしかめてみせただけで、計画の失敗に関しては、特に何も感じていない。


「まさか、入れ替わった娘が、あのアレクシスの血の者だったとは、良くもまぁ……」

「まさに、アンティア様のおっしゃっていた通りではないですか」

「そうだな……」

「ヴァレニウス国では、大変な騒ぎになりましょう」

「ふふふ……が、犯人の関係者に、あの男がいるのだから、どうなるのかな」


 計画は頓挫した。が、目の前にいる男と自分は、計画はこれからなのだと知っている。今のところ、とても上手くいっているのだから、笑わずにはいられなかった。


「まぁ、引き続き……進めるぞ」

「御意」


 カロッサにある宿の一室に、夕陽の最後の赤い光が差し込む。

 周囲は、家路に向かう人々が溢れ、喧噪で町は賑わっているのを感じた。


(ノルドランデル……、ここからだぞ)


 ニヤリと笑う自分の顔が、暗くなりつつある窓に映っているのが見えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ