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待っていた知らせ
夜になって、マティアスのもとに王都より知らせが届いた。
とある護符をテーブルの上に置くと、その護符と対になる手紙が空中に現れて落ちてくるのだ。もちろん、送る側が手紙を送る護符を手紙に貼った後にだが……。
寝に入る前に、今日にも手紙が届くであろうと予想できていたので、しばらくは眠らずに待っていた。
そして、やっぱり手紙がきた。
王家の紋章が押された蝋封が割れて、封が開く。中には2つ折になった1枚の紙入っていた。
文面が短いものだった。
ブレスレットを届けに、ノルドランデル公爵が向かう ゆるせ
思わず力がこもってしまい、紙にシワを寄せてしまう。
国王からの『ゆるせ』は、今でなければ受け入れたであろうが、今はまだだ無理だ。