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勇者育成計画まとめ

「アリサさん、次はこの人を頼みます」

「ええ、分かったわ」


 私はアリサ・レイニード

 最初の頃は異世界を旅していろんな人を救ってきたのだけど

 今は別の仕事をしている


 私はその仕事の名を”勇者育成計画”と読んでいる


 この仕事には三つの試練がある


 一つ目は努力

 勇者は常に己を高めなくてはならない

 そのために人形で訓練させるのだ


 二つ目は犠牲心

 勇者は人を守るために命を投げ打たなくてはならない

 そのために生贄として

 恐ろしい魔物であるドラゴンのもとに連れて行かれる


 三つ目は忍耐力

 勇者はどんなに理不尽な目にあっても諦めてはならない

 いろんなことに誠心誠意に対応していく必要があるのだ

 そのために村の人たちから罵声を浴びせさせ

 その人のメンタルを確かめる


 まあざっとこんなかんじだ


 私もこの仕事が板についてきたのか

 だいたいの人の仕組みが分かってきた


 まず特陸道長とくりくみちなが

 ほとんどの人が第一関門で脱落するが

 彼もその一人だった

 特に気にするようなことはない

 まあ彼はとある会社の営業部の部長だし

 頑張ってその仕事を全うしてもらいたいものだ


 次に安藤守あんどうまもる

 彼は努力家でもあり負けず嫌いだ

 母の死があり最初は勇者になることを拒んだが

 母の言葉のおかげで何とか立ち直ることが出来た

 彼は勇者合格だ

 これからも強く生きて欲しい


 次に武士道高雄ぶしどうたかお

 彼は守と同じ努力家だけど

 守よりも自分に厳しくしており

 人形と戦っている様子を見ていると

 普段から鍛えていることが分かった

 彼も勇者合格だが

 彼自身は勇者になる気はないらしい

 ただ必要であれば協力はしてくれるそうだ

 彼は今頃鍛冶屋の仕事で刀を叩いていることだろう


 次に真栄平夏未まえひらなつみ

 彼女はヤンキーだった

 木刀を投げ捨ていきなり人形のマウントを取ったことには驚いた

 彼女も勇者に興味はなかったのだが

 私が勇者になるのは厳しいと挑発するような口調で話すと

 それに乗ってくれた

 しかし、彼女は忍耐力が無く

 罵声を浴びせられるとすぐ切れて村の人々を殴った

 残念ながら彼女は勇者失格だ


 次に霧蔭信彦きりかげのぶひこ

 彼は変わり者だと思う

 第二関門までは順調にクリアしていったものの

 最後の試練で村人を悪者として捉え殺してしまった

 彼は勇者失格になる予定だったが

 あれから反省したのか私に必死に勇者になるチャンスをくれと懇願してきた

 本当はダメなのだがキュアリスはあっさりと彼の再挑戦を認めてくれた

 それで彼は何とか勇者になることが出来た


 次に工藤真くどうまこと

 彼も第一関門を軽々とこなしていたけど

 第二関門でつまづいてしまった

 彼は勇者は強ければいいという価値観の持ち主だった

 彼は身体能力が高いだけに

 勇者失格になったのは残念だった



「いろんな人がいるわね」


 私は今日もキュアリスの言う通りに勇者を育成、選別する


「あなたはこれから勇者になるわ」


 私はそう言い始め早速一つ目の試練を課すのだった

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