生活六日目
生活六日目
暑い。
目が覚めると、太陽の日差しがまぶしく、手で顔を隠さなければまともに目をあけられない程だった。
そういえば、昨日は駿と仲たがいなのか、詳しくはわからないが、俺は走ってこの場所にやってきたのは鮮明に覚えている。
しかし暑い。
今日は今年の中でも一番の猛暑日に違いない。
俺は体勢を起こし、ベンチに座りなおす。
公園には朝早くからいたと思われる子供たちが優雅に遊んでいた。
公園にあるジャングルジムや鉄棒、ブランコ、他様々な遊具に、たくさんの子供たちがいた。
まだガキは嫌いじゃない。
普通の大人の人間は嫌いだ。
この世の中の現実を知っているから。
まだガキはそんなことなど気にせず遊ぶのが仕事のようなものだからだ。
しかし、人間が嫌いなのは言うまでもない。
しかしのどが渇いた。
こんな猛暑に飲料水を持たないで歩くなどまさに自殺行為。
まずは自宅に帰宅することにした。
歩く。
一歩一歩歩くたびに体が溶けていきそうだ。
なんとか自宅へ到着。
家にはカギすらかけていない。
こんな家に泥棒が入るはずもない。
入ってくれたならむしろうれしいくらいだ。
入ってすぐに机にある煙草を手に取り、一服する。
パソコンを起動。
メールは届いていなかった。
俺「駿、怒っているだろうな・・・・。」
自分が悪いなんてもとから知っている。
心配してくれたんだ。こんな俺のことを。
でも働く?なんだそれ。知らんわそんなこと。
俺に出来るわけないし、そもそもリアルで人間と接したくない。
一日ぶりにデストロイにログインする。
一日だけ触っていなかっただけなのになぜか、しばらく触っていなかった感覚だった。
自室に入ると同時に、俺の装備品に変わりがないことを確認する。
さすがデストロイ・オンラインだ、ここまで早くサーバーを回復させるとは・・・・。
パーティルームに行くと、夜でもないのに駿以外のメンバーが集合していた。
BRACK PEACE「あれ?KEIちゃん、一日ぶり^^」
JANET「おは~」
だぶるじぇい「昨日どうしたん?須具流もいないしさw」
KEI「ごめん、そういやみんなに話してなかったけど須具流と俺、リア友なんだよね。」
BRACK PEACE「えwwwまじでいってんの?」
だぶるじぇい「でもなんか納得かも~。須具流とKEI仲良かったしwww」
JANET「まあ、結構驚いたけどな。」
驚くのはまあ無理はない。
今まで、このゲームをやってきてこんなことを話さないってのもおかしい。
KEI「で、昨日久しぶりに会って、話したんだけど・・・・・」
JANET「なるほど、仲たがいでもしちゃったか。まあ、それぐらいの歳になればそんなの良くあることだって。気にするなよ。」
だぶるじぇい「そうだよ~。どっちか悪いか知らないけど、きっとまた仲直りできるよ~。」
BRACK PEACE「そそ、まあまた須具流もそのうちログインするっしょ。その時はなしなよ。ゲームないなら勇気あんまいらないしさ。」
KEI「そ、それが、須具流、デストロイアンインストールするって・・・・。」
パーティメンバーはみんな、驚いた。
だぶるじぇいさんはアイコンで「驚いた」を使用した。
JANET「まじか・・・・」
しばらく沈黙が続く。
BRACK PEACE「あのさ、前から思ってたんだけど・・・・」
BRACK PEACEさんの一言で俺の心は大きく動いた。
BRACK PEACE「KEIちゃんに須具流もなんとか呼んでもらってこのパーティでオフ会しない???」
オフ会まであと四日。
そろそろクライマックスの方にまでやってまいりました。小説としてはとても短い内容になるかとは思われますが、ネタ切れやらなんやらでこの小説はもう少しで完結にさせていただこうと思います。六日目からは敬介がオフ会までの時間を描いていきます。