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水の砂漠の魚たち   作者: 鷲生 智美
人の旅路
52/82

仲間入り

 ――ああこの人だ。


 光一もミツルも「じいや」に言われる前に、遠くから近付いてくる馬上の人影が、ティード将軍だとすぐにわかった。瞳の色やそれ以外の風貌が細かく分からなくても、である。背筋をピンと伸ばした姿からは威厳と気高さが周囲に漂っており、特に言われなくても「この人が一番偉いのだ」と思わされるのだ。


 もっとも、将軍が近くまで来ると、印象はまた違ったものになった。


 何といっても目を奪われるのはその美貌だろう。ティウの描写に、恋する男のひいき目はなかった。彼の言うとおり大きな瞳は緑色の宝石のようであり、群青色の髪は確かに月の明るい夜空のようだった。彫は適度に深く、顔全体の造作がとても華やかで、光一は中東辺りのエキゾチックな女性の顔立ちと似ているように感じた。


 ただし、遠くからでも感じ取ることができたように、彼女は凛然として些かも隙が無い。単なる美女というより、気品のある佳人というべき女性だった。


 突然、今までいなかったはずの男の声がした。


「おはようございます、我が麗しのティード将軍」


 いつの間にかティウが将軍の馬に近寄っていた。


「今朝も将軍のお姿を目にすることができて幸せです」


 ティウは心底嬉しそうな様子を隠そうとしない。もし彼が犬であったら、尻尾をちぎれんばかりに振っていることだろう。そう光一が思うほどの喜びようだった。


 一方、将軍の方は子供の悪戯を見るような表情を浮かべている。


「おはよう、ティウ。お前は私が姿を現すと、いつも飛んで来てくれるのだな」

「ええ、もちろん。将軍は私の想い人でいらっしゃるのですから。一刻でも長くお顔を見ていたいのです」


 何の照れもなく、ティウは頬を緩めっぱなしで将軍を見つめる。


「上官としては、その願いを聞いてやれなくて残念だ。そろそろ兵卒たちの点呼の時間だろう? 早く自分の持ち場に行っておいで、ティウ」


 まるで姉が小さな弟をあやすような口調である。もっともティウはそれでもティード将軍と言葉を交わせたのが嬉しかったのか、足取り軽く離れて行った。


 光一は少し呆然としていた。ティウのような男は今まで周囲にいなかったからだ。光一たちのクラスメイトも、そろそろ恋を知る年代にさしかかっていて「彼女」や「彼氏」を持つ者もいた。


 でも、「彼女」「彼氏」としておおっぴらにする前に、少なくとも片方がもう片方に想いを寄せるところから始まり、いろいろあって「彼女」や「彼氏」になるはずなのだが、その「いろいろ」はたいてい水面下で繰り広げられるものなのだ。


 想いが成就するまでの片想いは、何としてでも隠し通すのが光一たちにとっては当然のことである。もし「お前、○○が好きなんだろ?」などと言われたら、慌てて「違うよ、なんとも思っていないよ」と否定しなければならない。本当は心の奥で好きになりかけていた女の子であったとしても。


 そんな雰囲気を当然に思っていた光一は、ティウの昨夜のティード将軍への賛美も多少面食らったが、今日の本人を目の前にしての堂々たる恋の告白ぶりに本当に驚いたのだった。


「コーイチ」


 落ち着いた、女性にしては低めの声が聞こえた。


「昨夜、『じいや』から話は聞いている。あちらの世界では蔑まれる故、こちらの世界で生きる道を探りたいそうだが。けれども、本当に戻らなくてもいいのか? 親もあちらにいるのだろうに」

「いいえ。親には心配掛けて申し訳ないなとは思うんですけれども。僕は……僕もミツルやティウのように、蔑まれないで生きていける世界を、自分で見つけてそこで生きていきたいんです」


 嘘ではなかった。この頃までに、自分の人生を果敢に切り開こうとするミツルの態度にだいぶ感化されていたし、昨夜のティウの話の「浜辺の者の中でもより蔑まれた」立場から将官への活躍ぶりに少しばかり興奮もしていたのである。


「わかった。では、今日からお前たちはティード軍の仲間だ。よろしくな」


 麗人は男言葉でそう言って、微笑んだ。


「よろしくお願いします」


 淀みなく返答するミツルの隣で、光一も慌てて頭を下げた。


「よ、よろしくお願いします」


 その日からさっそくミツルと光一に仕事が割り振られた。前日「じいや」とティウが「尖塔の街」のあちこちの商店に注文していた品々を、各隊から選ばれた生活係の兵士たちと一緒に取りに行くのが今日の仕事だった。


「出立する日も近いからのう。早いうちに必要なものを入手しておかねばならん」


 「じいや」はそう言いながら、三枚持っていた紙の一枚をミツルに渡した。


「これが今日受け取る品の一覧じゃよ。これと兵士が受け取る品の中身が一致するかどうか一つ一つ確認しておくれ」


 ミツルの顔がぱあっと輝いた。


「文字を使って仕事ができるのね!」


 「じいや」は笑って頷き、次は光一に向かって言った。


「コーイチはまだ文字が読めないから、他の兵士と荷運びじゃが大丈夫かね?」

「大丈夫です。頑張ります」


 仕事に前向きになっているミツルの手前、光一は、本当は少し嫌だと思っていても態度にだせない。光一は胸の内でミツルと同じ仕事がしたいと思っていた。それが、文字を使う仕事の方が肉体労働より楽そうだからなのか、ミツルと離れているのが嫌なのかは自分でもわからない。でも、ともかくミツルと同じ仕事をしたければ文字を覚えなければ。このことは光一もしっかり自覚していた。


「文字の方の勉強も、僕、頑張ります」


 それを聞いた「じいや」は、ほっほっと笑い声を上げた。


「二人とも熱心で結構結構」


 そうして二人は仕事に取りかかった。




「よお、坊主」


 光一は、他の兵士と、街の中のあちこちの商店からいろんな荷物を受け取っては荷車に入れる作業をしていた。そして昼の休憩時間。新入りで「海から来た者」である光一は、皆の素朴な好奇心に晒されることになった。


「なあ、坊主。坊主は『海から来た者』なんだろう? いったいどうして俺たち『彷徨える皇軍』に入って旅しようなんて思うんだ? 家に帰れねえぞ」

「そうだ。あちらの世界は、すごく豊かで平和なところだと言うじゃないか」


 光一は適切な答えを探さなければならなかった。ティウやティード将軍には、新しい生活を与えてもらうために、元の世界に戻りたくないのだと包み隠さず説明してきた。しかしここから先は事情が異なる。


 これから出会う人間とは、仲間同士にならなくてはならない。その相手に与える第一印象が、「嫌な場所から逃げてきた根性なし」だというのは避けたかった。――でも、それでは自分は嫌な場所を嫌でなくするために何をしただろうか? 自分はやはり本当は「根性なし」なんじゃないだろうか? 心の奥底ではこんな疑問が沸いたが、今の光一にはそれらに耳を傾けている時間はなかった。


「あちらの世界は確かに豊かで平和なんですけど……」


 光一は脇に汗が滲むのを感じた。二十人以上の兵士がこちらに注目して、光一が話し出すのを黙って待っている。そう言えばこんなにまとまった数の大人相手に、自分の考えを声に出して話したことなんてない。スピーチコンテストかなにかに出た経験でもあれば、また違ったのかもしれないが。光一はとにかく初めてのことに緊張しつつ、そんな自分を励ましながら先を続けた。


「その中で幸せになろうと思ったら、いろんなことが出来ないといけないんです」


 まず光一の年齢では、勉強をしっかりこなしてそこそこの大学に入らなければならない。そしてその先は、「勉強だけが人生じゃない」ことになる。この言葉は、やや思想に偏りのある大人が言うような綺麗事なんかではなく、厳しさを伴った現実である。


 大学生活を充実させて、就職をし、結婚相手を探すには、コミュニケーション能力とでもいった個人的な力が必要となってくる。人に好かれる力、とでも言い換えられるかもしれない。


 自分はイジメにあうくらいだから、この手の能力はかなり低い方の部類に入るだろう。光一はそう認識している。けれども、それならどうすればいいんだ? それは前々から光一の言いたいことだった。「コミュニケーション力の無い奴は駄目だ」とか「コミュニケーション力を持て」とは盛んに言われるけれども、その力に恵まれないものに何かサポートがあるわけではない。この手の自己啓発本は山ほどあって、光一も手に取ったことがあるが、そこに根本的な解決策があるように思えなかった。


 大体、昔はそうじゃなかったじゃないか、と光一は恨めしく思う。昔はいい大学へ行けばいい就職ができて、――それなりの大学でもそれなりの就職ができて――、お嫁さんだってお見合いで探すことも出来たのに。今はいろいろなことを自己責任でやれと言ってくる。


 だけどコミュニケーションって自分だけでするものじゃない。イジメにしたって、仲間内で固まって他人を排斥にかかっている集団に対峙して、自分一人でどうしろというのか。自分の何が欠けているというのか。何の努力が必要なのか。仲間でなければ人ではないとでも思っていそうな、あいつらは何も悪くないとでもいうのか。


 光一は強い声で言った。


「あちらでは、くだらないことにも気を遣わないといけないんです。集団でつるんでいないと何もできない奴らにも、取り入らないといけなかったりするし。僕ってそういうの、馬鹿馬鹿しいと思うんです」

「へえ。坊主は独立独歩の気概があるんだな」


 温和そうな男が、含むところなく素直に感心してくれた。光一は自尊心が満たされて、なんだかくすぐったい気がした。独立独歩の気概――そんな立派なものなんて持っていたかな? という疑問が胸の片隅に浮かんだが、これにも答える時間がなかった。


「じゃあ、こちらの世界で自分の才覚で身を立てたいというわけだな」

「ええ、まあそうです」


 こっちの世界に来てからの自分はなかなか悪くない、と光一は思う。最初はミツルに振り回されるようなところもあったけれど、今は二人で道を切り開いているという手ごたえがあった。そう、この手ごたえだ。


 小さな箱のような学校の教室で、孤独で無為に時間を潰していたあの生活に比べたら、自分の今の生活は本当に充実している。自分一人の力ではないにせよ、働き口を確保することだってできた。それに、ここでミツルといれば他にもいろいろな展望が見えてきそうな気がする。あの箱の中で暮らすような閉塞感ともおさらばだ。


「僕、こっちの世界であれこれ冒険してみたいんです。あんな世界に安住するんじゃなくて」


 ほお、という声が周囲に起こった。どうやら光一は実際以上に自分を能動的な人物として印象づけたことになったようだった。この他人という鏡に映った光一像は、光一自身にとってなかなか満足のいくものだった。




 日が傾く頃に光一たちは買い出しから帰って来たが、それからが大忙しだった。生活係の兵士と当然ミツルと光一とが総出で、ティード部隊全員の分の夕食を作るのである。


 作られた夕食は各隊に分かれて食べる。光一が見渡すと、確かに十個ほどの円陣ができていた。


「これは姫様たちの分じゃよ。わしら近侍も姫様と食事をするから、一緒に運んでおくれ」

「はい」


 ミツルはパンかごを、光一はスープの入った鍋を持った。しかしこれらは十人分以上あるように思われる。


「これを将軍と僕たち三人で食べるんですか?」


 光一の問いに「じいや」の方も一瞬怪訝そうな顔をし、それから笑って答えた。


「そう言えば何も説明しとらんかったな。姫様は夕食を部下の者たちと一緒に取るのじゃよ。各隊の隊長十名と、准将のティウ、そして副将を務めるアチェという女とが姫様と夕餉を共にする。わしら三人もご一緒させていただくが、我々には給仕の仕事もあるから、そこはきちんと働いておくれよ」

「はい」

「これも姫様が情け深いお方だからこそなんじゃよ」


 皿を並べながら「じいや」が言う。その皿にスープを注ぎながら光一が尋ねる。


「普通はそうじゃないんですか?」

「普通の将軍――特に貴族出身の上級、中級将軍は下の者と少しも交わろうとせん。食事も一人で食べるか、誰かと共にするとしても近侍の親しい者くらいじゃな。しかし姫様は違う。姫様は部下の一人一人に近しい存在であろうとなさる」

「ご飯を一緒に食べると楽しいですしね」


 光一は、まだイジメに遭う前の小・中学校の頃を思い出していた。


「そうなんじゃよ。実はわしは反対していたんじゃがな。いざ始めてみると意外に楽しくて」

「反対してたんですか?」

「そりゃそうじゃよ。姫様はれっきとした王女であられるんじゃからな。ただ、この皇軍には温厚な為人で知られた、ジガリ将軍という方がおられる。部下と食事を、というのはそもそもこの将軍の発案なんじゃ。それを姫様が取り入れられて」


 「じいや」はここで胸をはる。


「姫様の為人も、優しく温かで素晴らしいものじゃろう? 一緒に飯を食っていく内、皆もそれに気付いていって、やがて姫様に心酔するようになった。今ではティード部隊は、皇軍の中でも最も団結力の強い部隊として知られているよ」

「心酔っていうか、それを超えちゃっている男性が約一人いますよね」


 光一は冗談を言った。「じいや」は渋い顔を作ってみせた。


「まあったく、困った奴じゃ、あいつも。気持ちもわからんこともないがな。けれども伝統あるワレギア王国の第一王女の恋人が、よりによって、『河の信仰』では最下辺とされる『浜辺の者』というのは、わしは気にいらんね。姫様にその気がなくてほっとしておるよ」


 「浜辺の者」を蔑んでいるかのようにも取れる発言に、光一はミツルの顔をそっと見た。ミツルは“ご心配なく。私は傷ついたりなんかしてないわ”といった表情で、わざとツンと横を向いて見せ、それから笑顔をよこした。光一はなんだか幸せな気分が胸に降りてくるのを感じた。ミツルが光一の細かい心配りを嬉しく受け取ってくれたのが、わかったからである。



 夕食時、ティード将軍自らが光一とミツルを皆に紹介してくれた。


「新入り二名だ。私の近侍だが、皆の行軍中の生活を支える仕事もやって貰う。仲良くしてやってくれ」


 そして、ティード将軍の夕餉に集って来た各隊長たちも次々と名を名乗ってくれた。もっとも光一もミツルも一度には覚えられなかったけれども。


 ただ、最後に名乗った、副将のアチェには強い印象を覚えた。ティード将軍以外の女性が珍しいからというのもあるが、見るからに「浜辺の者」という顔立ちをしていたからだった。美人と言えば美人だが、かなりきつい感じのする女性だった。


 この夕餉でも話題になるのは「海から来た者」の光一であり、そしてお決まりの質問がとんできた。三番隊長のペペラという男が訊いてきたのだ。


「どうして元の世界に帰ろうとしないんだい?」


 光一は昼間と同様の答えを返した。もうそれ以前の「あちらに戻って蔑まれたくないから」という理由は思いだせなかった。


「僕はもう、大勢で群れていないと何もできない連中にすり寄りたくないんです。僕は僕自身の力で自由に生きたいって思うんです」


 そのとき、ふっと鼻で笑う音が聞こえた。皆の視線が集中したのはアチェだった。


「私がティードから聞いている話とはちょっと違うね。あんたは向こうへ帰れば、こちらでいう『浜辺の者』みたいに蔑まれるからこっちに居ようとしているんじゃなかったのかい?」

「それは……」


 光一は真っ赤になって俯いた。未来を果敢に切り開こうとする勇者は消え、ただ逃げるだけの臆病者が残ったかのように思えた。


 ティード将軍がアチェをたしなめた。


「アチェ、そんな辛辣なことを言うもんじゃない。行動の理由がたった一つとは限らない。人間はもっと複雑な生き物だろう? 光一の中にも両方の理由があるのだと思う」

「まあ、そうなんだろうけどさ」


 アチェはティード将軍をちらと見たが、依然光一に視線を据えて続けた。


「言っとくけどね。我々皇軍だって、大きな群れなんだよ。そう安々と人が群れることを馬鹿にしないでおくれ。行軍中はきちんと群れていなきゃ、命にかかわることだってあるんだから」

「……はい」

「あんたはさっき、自由に生きたいって言ってたけどね。自由と我儘とは違うんだからね、人に合わせて……」


 アチェの説教を断ち切ってくれる声があった。


「コーイチは我儘なんかじゃないと思います」


 ミツルだった。アチェは「おやおや」といった顔でミツルを見た。


「ここまで来る旅の途中でも、光一はとても親切だったわ。私が坂道に慣れてないから、山を抜けるのも遅れがちだったけど、コーイチは一言も私を責めなかった。ちゃんと人を思いやれる人間よ」


 アチェは気を悪くした風もなく、そっけなく答えた。


「そうかい。それなら結構。ただときどきティードは問題児まで拾ってくるからね」


 アチェは、今度はティード将軍に向かって言った。


「ティード。あんたは優しいから、軍生活に適性があるかどうかもお構いなしに、人を拾ってくるからねえ」


 ティード将軍は苦笑で答えた。


「向いてない人間は自分で辞めていくからいいだろう?」

「辞めて出て行くとき、軍の物資をごっそりかっさらっていった者がいたじゃないか。ティード、あんたは優れた将軍だと思うけど、人を見る目は甘すぎると思うね」


 ティード将軍とアチェがそんな会話をしている最中、ティウが首を伸ばして光一たちにささやいた。


「アチェ副将はこの部隊の中で一番の古株で、ティード将軍の友人なんだ。だからくだけた物言いをするし、辛辣に批判したりする。まあ将軍に限らず誰に対しても毒舌家なんだけどね」

「そうなんですか」

「アチェ副将は、ティード将軍がお優しくて情に傾きがちなのを、ああやって辛口に批評を加えることで、この部隊のバランスをとっているのさ。ティード部隊には欠かせない人材なんだよ」


 いつの間にか、ティウの言葉をアチェは聞いていたようだった。


「ティウ。私におべっかを使ったって、ティードとの仲を取り持ってやったりなんかしないよ。いい加減ティードのことは諦めて、他に恋人を持ったらどうだい」

「私にとって、女性とはティード将軍ただお一人なんだ、アチェ副将」


 ティウはしれっと言い放つ。当のティード将軍は困ったような笑みを浮かべるだけだった。アチェが呆れた様子でこぼした。


「物資を盗んで出て行く奴も困るが、主人の心を盗もうとする奴にも困ったもんだ」


 それからアチェは光一たちの方にもう一度顔を向けた。


「まあ、出てくんなら物は盗まないでおくれ。それからコーイチ、まさかと思うがあんたまでティウみたいにならないでおくれよ。年周りで言えば、そっちのミツルの方がずっとお似合いだ」


 光一とミツルは揃って頬を染めた。その様子を見て、アチェは何の含むところなく、おかしそうな顔をして笑っていた。


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