13話
太陽が真上に昇り、雲ひとつない晴天が広がっていました。
王都から少し離れた小高い丘の上に、サイコロのような複数の建物が並び、陽光を浴びて白く輝いていました。
そこに、若者の快活な声が響き渡ります。
「父上ーー! クリスです! クリスが参りました!」
そして、もうひとつ。
「ブライトさんーー! アイナです! アイナが参りました!」
元気よく叫びながら待つ二人の前で、やがて重厚な扉がゆっくりと開きました。
しかし、そこから姿を現したのは、彼らが予想していた冴えない風貌の中年男ではなく、赤茶色の髪をした背の高い女性でした。
「あれ? ジュリアさんですか。てっきり、父上が迎えに来てくれるものだと思っていました」
クリスが不思議そうな顔で尋ねます。
「今、リビングにお客様がいらしているので……代わりに私が来ました」
ジュリアは小さく頷き、静かに答えました。
「お客人、ですか?」
「はい。クリスさんとアイナさんもリビングに来るようにと、ブライトさんが言っていました」
「私達も、ですか?」
アイナが意外そうに目を丸くします。
「はい。そのお客人は……今回の事件を解決するために、ブライトさんが呼んだ方なのです」
ジュリアの声は、まだ少しだけ息子であるクリスに対して緊張している様子で控えめでしたが、その言葉ははっきりと二人の耳に届きました。
「どうやら父上には何かお考えがあるようだ」
「なるほど、そういうことなら」
二人は顔を見合わせて頷き合い、サイコロのような奇妙な家の中へと足を踏み入れました。
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