第17・6話 悲田院・施薬院で人々を救いたい
ご覧いただきありがとうございます!
現代の極道のお嬢サツキが奈良時代の姫・光明子に転生し、チート《つぶやいたことが現実になる》で歴史をぶっ壊す物語。
ただし、チートで歴史を変えることはできません。
権力、恋、仏教、陰謀、すべてをオラオラで乗り越えます!
歴史に忠実×成り上がり×極道流処世術――どうぞ最後までお楽しみください!
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18話19話を既に読んでくださっている方々にお詫びがあります。今回のエピソードは17話の後に投稿すべき内容です。作者がうっかりしていたため、今になりました。数日後に、エピソードを正しい場所に入れ替えます。
本当に申し訳ありません。今後、このようなことがないように気をつけていきます。藤原四兄弟がまだ生きているという設定でお読みください。
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不比等邸の跡地に、興福寺を建てた。
その門の奥に、施薬院と悲田院を据えた。
まず、施薬院。
ここは、病に倒れた人を治すための薬の館だ。。
煎じ薬の香りが絶えず漂い、奥では僧や女たちが薬草を刻んでいる。
全国から購入した薬草が干してある。
「光明さま、この根っこ、腹痛に効くんですよね?」
「ええ。それはセンブリ。煎じ薬にするのよ。皆さん、覚えてちょうだいね」
怪我をした農夫も、熱にうなされる子どもも、
ここに来れば薬を分けてもらえる。
専門の薬師の指導の元、薬草の栽培も開始した。
――病を癒すのは、祈りと薬の知識だ。
そして、悲田院。
ここは、親を亡くした子、行き場を失った者、
飢えた民を迎え入れる心の避難所。
「お腹、すいた?」
「……うん」
「はい、今夜は麦粥よ。たっぷり食べなさい」
ここには、布団も湯もある。
泣きながら眠る子を抱きしめると、
あたしの胸にも、小さな灯がともる気がした。
そして、一番自慢できる施設は風呂だ。
あたしは仏に誓いを建てた。
行基のように行動で示すこと。
貧しい人や病にかかっている人たちを、
この手で千人洗うこと!!
誰もが驚いた。
「聖武天皇の皇后ともあろうお方が
病人のアカをその手で洗い流すのか。
そんなこと、聞いたこともない。
やめなされ」
前例がないって?
そんなの関係ねー!
熱い蒸気の蒸し風呂で、あたしは人々を洗った。
人々は蒸し風呂でやけどしないように木の腰掛に布を敷いて座った。
風呂の敷物。……風呂敷。
衣を畳んで入れるのにちょうどよい。
人々は、着替えの布を風呂敷に入れてあたしの蒸し風呂に来た。
――施薬院は身体を癒す場所。
――悲田院は心を癒す場所。
どちらも、神でも仏でもなく、
人が人を救うための場所。
あたしは、それをこの都に作った。
もちろん運営にはお金がかかる。
皇后宮の職封としての二〇〇〇戸と、父・不比等から相続した封戸二〇〇〇戸の庸を当てた。
そう、社会科で勉強したでしょ。
租庸調の庸ですよ。
夜、雨が上がり、静かな空に一つの星がまたたいた。
雲の切れ間から、やさしい光が落ちてくる。
――あの星、きっと基皇子の星だ。
あたしはそっと手を合わせた。
「ねえ、見てる? 母はね、強くなったよ。
風呂を焚き、民を洗い、親のない子を抱いてる。
この手でちゃんと、あたしたちの民を守ってるから――」
星はきらりと光って、まるで「うん」と頷いたように瞬いた。
夜風が頬を撫で、遠くで子どもの笑い声が聞こえた。
この国が再び立ち上がるまで、
あたしは何度でも湯を焚き、薬を煎じ、人を抱きしめよう。
――それが、あたしの皇后としての戦いだ。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます!
いかがでしたか?
時代を越えても通じる女の強さ。
どんな時代でも、あたしたちは自分の信じる正義で生きていける。
そんな想いを込めて書きました。
感想をいただけるとすごく励みになります。
次回もどうぞお楽しみに!
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