第17.5話 ライバルに息子が生まれた!
ご覧いただきありがとうございます!
現代の極道のお嬢サツキが奈良時代の姫・光明子に転生し、チート《つぶやいたことが現実になる》で歴史をぶっ壊す物語。
ただし、チートで歴史を変えることはできません。
権力、恋、仏教、陰謀、すべてをオラオラで乗り越えます!
歴史に忠実×成り上がり×極道流処世術――どうぞ最後までお楽しみください!
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18話19話を既に読んでくださっている方々にお詫びがあります。今回のエピソードは17話の後に投稿すべき内容です。作者がうっかりしていたため、今になりました。数日後に、エピソードを正しい場所に入れ替えます。
本当に申し訳ありません。今後、このようなことがないように気をつけていきます。藤原四兄弟がまだ生きているという設定でお読みください。
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兄たちは、次々と娘を入内させていった。
南殿には武智麻呂の娘。
北殿には房前の娘。
「光明子を支えさせるためだ。気にするな」
そう言うけど、あたしには分かっていた。
――それだけじゃない。
基皇子を失った今、宮中では新しい親王の誕生が待たれていた。
そして、藤原一族の娘たちが帝に仕えることで、権力の糸をがっちり握ろうとしているのだ。
南殿も北殿も、あたしにとっては可愛い姪っ子たち。
不比等邸で一緒に琴を習った仲だ。
今は――あたしを囲むように、藤原の影が濃くなっている。
そんな折、信じられない知らせが届いた。
親王、誕生――!?
「うそでしょ!?」
思わず声が漏れた。
ダーリン・聖武天皇は、あたしに夢中だと思っていた。
なのに、子をもうけたのは――県犬養広刀自。
兄たちの顔色が一気に変わった。
藤原四兄弟が緊急会議を開く。
「このままでは、県犬養の産んだ親王が皇太子になる」
「それは、我らの家にとって危険だ」
兄たちの言葉には、焦りと打算が入り混じっていた。
「光明子を再度皇后に推薦する」
――その結論が出たのは、わずか一夜のうち。
そして、あたしが皇后になれば、
あたしの産んだ阿倍内親王――女の子を皇太子に据えるべきだ、と兄たちは主張した。
「県犬養の産んだ安積親王ではいけない。
皇太子、そして未来の天皇は、不比等の血を継ぐ者でなければならぬ」
兄たちは言い切った。
「それが世のためなのだ。他の家の血が皇位に入れば、争いが生まれる。不比等の娘の子こそが、この国を安定させる」
あたしの胸の奥が、ひやりとした。
世のため――なんて綺麗事だ。
兄たちが守りたいのは、官位に決まっている。
それでも、あたしは推薦された。
前回は長屋王が反対して潰れた話が、今度は通る。
だって、長屋王はもういないから。
兄たちが謀って殺したから。
「光明子を皇后とす」
正式に閣議で決定された。
喜びに沸く兄たち。
あたしの娘・安倍内親王は、皇太子に仮予約されたも同然。
祝いの品が次々と届く。
「皇后さま、おめでとうございます」
……なのに、心は空っぽだった。
あたしは、祝意の品を見つめながら、
県犬養の産んだ親王の泣き声を聞いていた。
ダーリンはその産後の見舞いに出かけている。
侍女たちが慌ただしく動き回る音。
冷たい風が、あたしの袖を揺らす。
――寂しい。
こんな気持ちで、皇后になっていいの?
兄たちは確かに勝利した。
でも、あたしは負けた気がしてならなかった。
長屋王を討ったあの日から、
反対者は誰もいない。
いや、誰も逆らえない。
反対したら――殺される。
そんな世界で、あたしは「皇后」になった。
これが、望んだ未来なの?
違う。絶対に違う。
あたしは名ばかりの皇后なんかじゃ終わらない。
政治の駒として立てられただけの飾りじゃない。
あたしは、聖武天皇と並び、
この国を救うための真の皇后になる。
泣いてなんかいられない。
――名だけの皇后じゃ、満足できない。
あたしは、名実ともに「光明皇后」になるんだ。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます!
いかがでしたか?
時代を越えても通じる女の強さ。
どんな時代でも、あたしたちは自分の信じる正義で生きていける。
そんな想いを込めて書きました。
感想をいただけるとすごく励みになります。
次回もどうぞお楽しみに!
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歴史部門:なろう日間2位 週間2位 月間2位 四半期2位 (1位はとれない)
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