4話 新しい先生 ~藤田先生目線~
更新遅くなりました。
すいません。┌(_ _)┐
「大人になっても、イジメみたいなのは
あるんだな・・・」
オレは深いため息をついた。
オレは教師になったばかりだ。
けど、いきなり落ちこぼれクラス、
F組を任された。
周りの教師仲間の目は、
明らかに哀れみの目だった。
いろいろ考えてるうちに、F組の前まで来た。
名簿を持つ手に汗がにじむ。
大きく深呼吸をし、
重い扉を開けた。
予想通り、真面目に座ってるやつがいない。
いや・・・一人いた。
早速、教壇に上がり、
名簿を開いた。
そして、それぞれの席に座ってる人の
名前が書かれたページを開く。
最初は自己紹介をしてもらおうと思ったが、
嫌なやつもいるだろうと思い、やめた。
そこらへんはきちんと考えてある。
ええと・・・まずは男子からいくか。
あの大人しく座ってた子は・・・
中山か。弱々しい顔をしてるな・・・。
次は・・・あの赤い髪を後ろで結んでる子だ。
高畑。明らかにヤンキーっぽいな。
・・・あのブツブツ言ってる黒いマントのやつが、
蓮城だな。髪が異様に長いな・・・
その髪のせいで、顔が隠れててよく見えない。
髪がピンピンはねてるやつは、
瀬川。なんか、明るそうだな。
・・・・・そして、今起きたのが、
東野だな。髪を七・三か、八・二くらいで分けていて、
その七か八で、右目が隠れてる。
クールそうな顔だな。
よし、男子は終わり。
えーと・・・女子は、
セミロングの子は、
栗原。その隣で一緒に話してる
ツインテールの子は・・・
立花。
そして最後に、有間。
髪を真ん中で分け、左にピンで
×にしたのを2つとめている。
髪の先が少しふわふわとしてる。
パタンと名簿を閉じた。
あらためて、全体を見渡す。
すると大半の生徒は、
さっきから名簿と生徒の顔を見比べるだけで
何も言わないオレを、怪訝そうな目で見ている。
そろそろ何か言ったほうがいいな。
「えー、今日からF組の担任となりました、
藤田晴彦です。これかr「先生ー!質問していーですかー?」
「・・・はい?」
なんだ?人が話してる最中に・・・
ええと、栗原か。
「あ・・・ああ、どうぞ。」
イラっときたが、ここでヘマをするわけにはいかない。
なるべく笑って言った。
「教師になる前に
何かやってた事ってありますかー?」
そんな事聞いて、一体何になるんだ?
・・・まあ、いいや。
素直に答えとこう。
「一応、家庭教師をやっていました。が?」
それを聞いた栗原は、すかさず
隣の・・・立花と何かを話していた。
「家庭教師って、なんか響き
エロくない?」
「あ~・・・わかるわかる!!」
ヒソヒソ話してるつもりなのだろうが、
まる聞こえだ。
ため息をつきたいのをおさえ、
「ああ、でも女子は一度も
担当した事がないですよ。」
無論、本当の事だ。
「ええっ!?じゃあ、男子に
手、出したんですかっ!?」
「おい、なんで手、出した事
前提なんだよ!?」
あ、しまった。つい口に出してしまった。
ヤバい、何を言われる?
だが、栗原の返しは意外なものだった。
「あははははっ!!先生、見かけによらず
ツッコミ上手いんですね!」
驚いた。
そして、なぜか気持ちが
楽になった。
そして、気づいた。
オレは恐かったのだ。
周りの教師仲間の哀れみの目に
気づいたときから、恐かったのだ。
すると、立花がもっと意外な事を言う。
「先生ー、楓は先生が浮かない顔
してるのに気づいて、わざと
すごい事言ったんですよー。」
「あっ・・・祐美、ちょっとっ!!
言わないでよー。」
自分より年下の、しかも
生徒に気を使われたのは
恥ずかしかったが、なぜか
嫌ではなかった。
「でも・・・なんで前やっていた事なんて
聞いたんだ?他にもいろいろ
あるだろ?」
「あーそれは、先生が家庭教師だったこと
知ってたからですよー。ほら、
あるじゃないですか!
イケメンな家庭教師の男の先生と
男子生徒の禁断の愛っ!!」
「え゛・・・あ、ああ・・・?」
「とにかく、私たちには気を使わず、
どんどんツッこんで下さい!
その鋭いセンスでっ!!」
「・・・ああ。ありがとう。」
オレはこの時、栗原の腐女子発言ばかりに
気をとられ、気づかなかった。
一体、栗原はどこでオレが
家庭教師をやっていたという情報を
手に入れたのかということに・・・・・・。