1話 腐女子ですが、なにか? (1) ~実六目線~
「ちょっ・・・栗原さん!?一体ドコに行く気なのっ!?」
僕は今、同じクラスの栗原さんに
ぐいぐい手を引かれてる。
すると、向こうから誰かが来た。
「やめろ!何すんだよ、離せ!クソ女!!」
よく見ると、向こうから同じように、
立花さんに手を引かれて来る、高畑くんが来た。
すると、いきなり僕は前に押された。
向こうも同じく、高畑くんが押された。
こうして、僕と高畑くんは向き合うこととなった。
するといきなり、
「何か言うコトはないですか?お二人さん♪」
うれしそうに栗原さんが言う。
「ハア!?うるせーな。
何も言うことなんかねーよ!」
高畑くんが怒鳴る。
「えっえ~~!?
英斗くんは攻めなんだから、
英斗くんから言うべきなのにぃ・・・」
「何だよ・・・攻めって・・・
つーか、何を言うんだよ!?」
すると、栗原さんに代わって立花さんが、
「もちろん、愛のコトバ、でしょぉ?」
「ハアァ!?なんで、こんな
腰抜け野郎に!?」
え、腰抜け?
「え、じゃー誰?蒼くん?
亮太くん?拓くん?
でも、一番受けにふさわしいのは
実六くんなのに・・・」
「何で選択肢、全員
男なんだよ!?
お前らの頭の中は、そればっかりかぁ!?」
「「モチのロン~♪」」
キレイにハモる二人。
すると、眉間にしわを寄せた
高畑くんがこっちを向いた。
「オラ、腰抜け!!
テメーもなんとか言え!!」
「ふ・・・ふぇっ!?腰抜け!?」
でも、絶対にこの二人、
反省しないよ・・・
だって、今の僕のセリフに対して
エロくない?とか言ってるし・・・
「う・・・あのっ・・・
やめて・・・下さいっ・・・!」
一瞬の沈黙。
そして・・・
「「ヤバい、エロい!!」」
「ダメだこいつら・・・
早くなんとかしないと・・・」
またハモる二人と、
呆れて長いため息をつく、高畑くん。
どうやら、ついて行けてないのは
僕だけみたい・・・
その時、また向こうから
何人かやってきた。