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(完結)男二人、ヤマアラシのジレンマ故に  作者: たろう


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目が覚めて真っ先に目に入ったのは、キースだった。


彼が僕のベッド脇にある椅子に腰かけて、窓から景色を眺めていた。彼の表情は硬く、何かを重大な決意をその心に秘めているような切実さがあった。そしてその目は遥か遠くの何かを覗き見ようとでもしているかのように細められている。


僕はどうして彼がここにいるのだろうとは少しも思わなくて、ただ、彼が生きているという事実がまず真っ先に頭に浮かんで、そのことで胸がいっぱいになってしまった。


だから自分が無事だとか、知らない部屋にいるだとか、今がいつなのかだとか、そういったことは全て意識の遥か外へと追いやられてしまっていた。


咄嗟に彼の名を呼ぼうとして、けれど言葉に詰まってしまう。かすかに空気が漏れ出すような気配があった。それでも彼の名を呼びたくて、なのに一向に言葉は出てこない。だから、どうやったら彼が僕に気付いてくれるのかをぼんやり考えていた。僕の頭はまだ上手く働いてはくれなかったのだ。


しばらくあってやっと思いついて体を動かすと、そのためにベッドがぎしりと鳴った。


その音にやっとキースが気づいてくれて、僕の方へ視線を向ける。僕はそれを期待を込めてじっと見つめていると、こちらに向けられたその茶色い目が大きく見開かれた。


キースが椅子からわずかに腰を浮かせている。彼が何かを言わんとしているのに、言葉にならないようだった。


僕は、あぁ、ここはきっと感動のあまり彼が僕を抱きしめてくる場面だとふと思った。


さぁ、キース。僕はいつでも準備はできている。


そういう気持ちを込めて笑みを浮かべながら自分の両腕を広げる。顔を泣き笑いに歪めたキースが、思った通り、そして躊躇いなく僕の腕の中に飛び込んでくる。


その体の重みと布越しに伝わってくる彼の体の温かさ、そしてキースの匂いが、これがまぎれもなく現実なのだと僕に信じさせてくれた。


僕は彼の髪の毛に自分の手を差し入れて頭を撫でる。


キースが嗚咽を漏らして泣いていた。言葉にならない彼の思いを、僕は今確かに感じていた。


「心配を、かけ、たね。ごめん。あり、がとう」


僕の喉はぴったりと閉じていて上手く発声できない。やっとだせた声は、擦れてひどいものだった。キースは答えなかった。


僕は二度三度と咳払いをして喉の調子を整えると、やっといつもの声が出せるようになった。


「あの時ね、君に酷いことを言ってしまったことをとても後悔したんだ。足手まといだなんて本当に心無い一言だったと思う。それが、君にかけた最後の言葉になると思うと、僕は胸が張り裂ける思いだった。本当にごめん。君があのドラゴンの攻撃に巻き込まれたとき、君は死んだと思った。僕はもうあまりのことに、君を失ってしまったと思って一度全てを投げ出したんだ。生きる気力も戦う意志も無くしてしまったんだ。なのに、君は諦めなかった。生きることを君は諦めなかった。僕は見た。君の精一杯の生きる意志を。僕はそれに心を動かされたんだ。だから頑張れた。ありがとう」


そう言って僕は彼をもう一度抱きしめる。


「でも、そのせいであなたは死にかけました。エリックが魔力の枯渇で一時危険な状況だったと」

「ごめんね。僕はもうすっかり頭に血が上ってしまって、後先考えられなくなってしまっていたんだ。反省している。次は気を付ける」

「最初からそうしてください」

「君もだよ。ドラゴンを引き付けるために塔から離れようとしただろう。君は死ぬ気だった。そうだね?」

「生き残れる可能性もありました。ただ、罪もない被害者を増やすわけにはいかないと思ったら、自然と体が動いてしまっていて」

「うん、そうだね。僕も、あいつだけは、あのドラゴンだけは倒さないといけないと思ったんだ。すぐにでも君を助けなければ君が危険な状況だったから、勝手に体が動いてしまった」

「……あなたを失うかと思いました」

「僕もだよ。君を失うと思った。恐ろしかった」


キースは無言だった。


「お互い生きていたのに、こんな話では空気も悪くなりますよね。すみません」

「いや、そんなことはないよ。僕の方こそごめん」

「ありがとうございました。アルベルト。まだお礼を言っていませんでした。本当に、助けに来てくれてありがとうございました」

「どういたしまして。こちらこそ、僕が追いつくまで持ちこたえていてくれてありがとう」

「はい。あなたがなんとかしてくれるような、そんな気がしていました」

「期待に応えられて僕は鼻が高い」


僕がおどけてそう言うと、キースはやっと笑顔を見せてくれた。それは少しぎこちなかったけれど、彼が笑った。僕もつられて笑った。


「僕ね、思ったんだ」

「何をですか?」

「あの時、ドラゴンと対峙しているときに」

「はい」

「言いたいことは言えるうちに言ったほうがいいって」

「……そうかもしれません」

「だよね。だから今言うよ。キース。愛してる」


僕は笑ってそう言った。


「待たせたね。二年以上もかかった。今、やっと父に君のことを話せる。それだけの準備が整った」


キースがじっと僕を見ている。


「まだ、君は僕のことを好きでいてくれてるかな?」


僕の言葉に、キースがゆっくりと口を開く。


「はい」


僕は彼を抱き寄せると、一つキスをした。


温かい気持ちが胸に広がる。僕の心があっという間に癒されていくのが分かった。


それから、キースが僕が目覚めたことを報告に行きそれからすぐに医者たちがやってきた。僕は翌日には自室へと戻された。体には大きな怪我も無かったので、目が覚めればいつでも戻れる状態だったらしい。エリックの適切な処置のおかげで魔力の枯渇による影響も無かった。友人には感謝しかない。


キースが僕の病室にいたのは、みんなが、主にエリックやカインやエスメラルダたちが協力して、毎日一時間ほど僕の付き添いができるよう手を回してくれた結果らしかった。


僕はどうやらあれから一週間も寝ていたようだ。


キースの説明によれば、エリックが気を失った僕や疲労困憊のキースらを回収して監視塔へと運んでくれたとか。いやはや、大変だったろう。色々と迷惑をかけてしまったことを、後から見舞いに来たエリックに伝えて謝罪と感謝を伝えると、彼は僕の胸を一発軽い拳で打って、それで手打ちになった。


優しくて僕には本当にもったいないほどの友人だと思う。


一方で残念なこともあった。それは、体力とせっかく頑張って育てた筋肉との両方がこの寝たきりの生活の中で信じられないほど落ちてしまっていたことだ。そのことに後から気付いた僕は、どうやっても落胆を禁じえなかった。キースに僕の体を見せたかったのに。


他にも、みんなには相当な心配をかけてしまったらしいことを聞かされた。


忙しいはずの父も母も、思春期で反抗期真っただ中の弟も、日を置かず見舞いに病室まで足を運んでくれたらしい。僕が目覚めたという知らせを受けて、三人はすぐに作業や仕事を放り出して駆けつけてくれていた。


別の日には伯父上とカイン、エスメラルダとギュスターブが来て、ほかにもデミアンを始めとする友人たちが、代わる代わる僕を見舞った。


自室に戻された後も僕の療養は継続しており、ほぼ全ての公務や雑務が免除となったため、僕はただただ暇だった。


何もすることがないというのは、こんなにも苦痛なのだと、僕は初めて知った。


キースが側にいたらと、思わずにはいられなかった。


その彼は、エリックからしばらくの王都滞在を言い渡されたらしく、まだこちらに残っている。エリックのところの屋敷にやっかいになっているらしいので、エリックが連れて来てくれさえしたら会えるのに、彼は遠慮してあれ以来見舞いには来てくれなかった。ただ、手紙だけは書いてくれてそれをエリックが持って来てくれる。


僕は彼からの手紙を日に何度も読んで気分を紛らした。彼からの手紙は嬉しいのに、僕は部屋から出ることを許されていないので、彼に書いて知らせてやるようなことは無く、彼への返事はいつも実に簡素で短い文面になってしまうのが申し訳なかった。


そんな風にして僕が療養に専念している一月の間に、辺境では目まぐるしくさまざまのことが起きていった。


まず、あれからすぐに辺境軍が連邦の鉱山を抑えた。エリックの父の主導の下、軍の編成がなされ迅速に派遣された。鉱山は何の抵抗もなく容易く占領することが出来たそうだ。


占拠の後は、証拠となりそうなものをほとんど全て押収し本国へと持ち帰った。それによって、ここ数年の魔物の増加の原因がこの鉱山の開発、もっというならば、鉱山の防衛のために魔術によって使役されたダークドラゴンのためであるという確証を得ることが出来た。ダークドラゴン二体を使って周囲の魔物の排除をしていたという日記や文書が見つかった。


次に、鉱山の占拠が行われ、王家にもこの事実が報告された後、速やかに王立軍と辺境軍との混成軍隊がタルバートルの街へと進軍した。突然の軍隊の到着にタルバートルの街は上へ下への大騒ぎとなったそうだが、抵抗らしい抵抗は一切なく、高官が数人抗議に来ただけだという。


これは、勇猛なことで名を馳せるバートル族を排除してしまったがためにこちらの軍隊と戦う戦力の確保が難しかったことが、彼らとの間で武力衝突が今もって起きていない一因であるというのが上層部の見立てだ。口では威勢のいいことを言いながら、結局七部族連邦が実際になんらかの行動にも移すことは結局無かった。


僕たちの混成軍はあの街の周囲に大きく布陣して今現在睨みを利かせている。これは、占拠した鉱山を取り返そうとする勢力を牽制するためであり、かつ直接的に連邦へ圧力をかけることで交渉の場へ連邦首長が出てくることを促すためでもあった。


本来ならばこの行動には他国から横槍を入れられてもおかしくない振る舞いだったが、こちら側に全くの正当性があり、なに恥じることなく不当な侵略ではないと対外的には発表できるだけの根拠があったからだ。無論、街を武力によって制圧しないことで、侵略の意図が無いことを対外的に担保している。


その根拠とは、一つにここ数年にわたる鉱山開発のためにこちら側へ住処を移した魔物によって農作物や居住者への被害が多数報告されていることだ。


もう一つに遥か昔に交わされたものではあるが、現在に渡るまで棄却されずに生き続けている二国間の森を開発しないという約定が反故にされたことだ。


これに関しては向こうが時の流れの中で忘れ去ってしまっているということも考えられたが、こちらは証拠となる文書をしっかりと保管していたので、問題は無かった。


そしてさらに、これは二つ目の理由とも関係するが、教会総本山である頂の国によって決められた不可侵の異界領域にあの国がなんの報告もなく手を出していたことだった。これが理由としては最も大きな意味を持つ。


後日教会の者が実際にその開発されつくした森の様子をその目で見て、教会の本山へと報告書を上げたことで、事態は加速度的に進んだ。彼らの協力を取り付けることが出来たのは大きかった。


故に、大義名分はこちらにあった。


直接タルバートルの街へ訪れて圧力をかけたことが功を奏して、つい先日とうとう連邦の首長が会談を申し入れてきた。


即座に連絡を取り合い、連邦へこの度の諸々の損害に対する補償補填の交渉と、約定の保護に関する今後の取り決めについての話し合いの場が後々持たれることに決まった。それに際して、頂の国から調停者がやってくることになっており、下手な手を相手方は打つことができなくなった。さすがに統一宗教の総本山から来た人物の顔に泥を塗るような愚を犯す真似はしないだろうからだ。


そして明らかな非が向こうにあるために、これは、異例の勝利が確約されたような交渉と言ってもよい。こちらが断然有利な立場にあるため、国の上層部ではどれだけ条件の良い提案を向こうから引き出せるか、交渉をいつどこで行うかということにすでに議論は移っているようだった。


既にこちらの要望のいくつかは向こうへ通達済みである。もちろん連邦から不服の抗議があったが、教会を通じてそれは跳ねのけられた。


一方、もう一つの重要ごとであるダークドラゴンの死骸の調査とそれに刻まれた魔術の刻印の研究が、僕らが帰ってすぐに行われていたが、その成果ははかばかしくない。


というのも、情けないことに、向こうから連れてきた神官と鉱山管理者の二人は知らぬ間に服毒自殺を図り死んでしまっていたからだ。特に神官の方は気が触れてしまったようで、魔術については毛ほどの情報も得られなかった。あれほどの高度な魔術の存在は無視できない懸案事項だ。それなのに、神官はこちらへ連れて来てからずっと話が通じず、死の直前も監視の者曰く一人にたにたと不気味に笑っていたという。


鉱山の管理者の方は言葉も通じ頭もはっきりしていた。ただ、彼は生憎とドラゴンについても魔術についても全くの無知で、それについては大した情報を得ることはできなかったが、鉱山についてはよく知っており、生きている間にいくらかの情報を得ることができていた。


彼はあのセルゲン族に連なる者で、この鉱山はやはり将来を見越して開発されていたということが分かった。武器の増産、外貨獲得など対外戦略の要となる重要な拠点だったという。そして、この森の開発の事実を知ったバートル族族長が森の開発に反対し、処刑されてしまったというのが、実際にあの国で起きたことのようだった。


二人の死によっていくつかの重要な謎が残されてしまった。


これが、対外的に起きた一連の出来事だった。


そして、対内的にはこれから大きなことが一つ控えている。


それは僕の英雄叙任の典礼だった。


ダークドラゴンの討伐から二ヶ月という速さで国王直々に褒賞を賜ることが決まったけれど、未だ辺境の紛争は解決しておらず、まだ交渉は何も始まってすらいない。ドラゴンや魔術の研究も捗々しい成果が得られていないにも関わらずこのようなことが早々に決まったのは、様々な思惑の絡んだ結果なのだろう。


この度の僕の行動は将来の惨禍を未然に防ぐことになった。もちろんこれは僕の狙い通りでもあるので、一つも偶然ではないのだが、未来を知らぬ者たちからしてみれば、僕の深い洞察力と勇気ある決断によってもたらされた大きな功績ということになってしまうらしかった。会う人会う人に僕はその活躍や勇敢さを褒め称えられた。


そんなとき僕は笑顔を作りながら、内心で申し訳ないような、人を騙して利益を得ているような、そんな後ろめたさを感じていた。


僕の活躍が純粋な利他的行動の結果というわけではないことを、僕だけが知っていた。それでも、これは僕の願った未来であり、僕の頑張りが望む結果に繋がったことはやはり嬉しかった。


昼間の暑さが未だ残る七月の夕べ、もうすっかり健康を取り戻し、日常の生活に戻ってしばらくたった頃。


僕のための式典が王宮にてついに開催されることになった。


僕は玉座の間にあって、国王夫妻の真ん前へと進み出た。部屋の中央には赤絨毯がまっすぐに敷かれ、その上を僕は歩く。進む先に国王夫妻が、僕の両親が格式高い衣装と冠をかぶって座っていた。一歩一歩をゆっくりと進み、二人のいる壇上へ上る階段の手前で僕は立ち止まると片膝を突いた。


二人は部屋の一番奥、七段の階段を上ったその頂にいる。細やかな彫刻と宝石によって飾られた豪華絢爛な玉座に腰かけている。そして、その背後には伯父上が控えていた。


高い天井からはシャンデリアが下がり、その眩しい光を大理石の床が反射してこちらもまばゆく輝いている。


壁は真っ白に塗られ、その壁には白地に王家の紋章が金糸で刺繍された絹の垂れ布が幾重にも下がっていた。


僕は開会の言葉を待つ。


会場に詰め掛けた人々もまた開会の言葉を待っている。


今この広間には国中から要人が集まっていた。彼らはみな僕や国王夫妻を遠巻きに見つめている。歴史的瞬間を目に焼き付けようとしている。


多くの視線に晒されて、僕は始まりを待っている間緊張を感じてはいたが、それよりも、やっと自分の願いが叶うことに心が躍り、期待と高揚感とで満たされていた。


ただ、キースのことを考えていた。


とうとう王の一言で儀式の開会が宣言された。


それに続いて、この度辺境で起きた不測の事態と連邦の裏切り、ダークドラゴンの出現などについて国王から直々に説明がなされた。


あの場に立ちあわず噂でのみ話を聞いていた半信半疑の貴族たちは、国王から語られる事柄の一つ一つに、驚きと恐怖をもって聞き入り、ときに溜め息を零した。そして、僕の名が呼ばれ、僕が勇気を持って立ち上がり、この未曽有の危機に対して如何に果敢にそして如何に賢く立ち回ったかが、いくらかの誇張とともに語られた。人々の感嘆の吐息があちこちから漏れ聞こえてくる。僕はそれが少し気恥ずかしかった。


僕の活躍により危機は未然に回避され、今こうして連邦との協議を有利に進めるための地盤が整ったという段に至って、賞賛の声があちこちで上がるのを僕は聞いた。


今や人々から僕に注がれる視線は全て、僕の勇気ある行動に対する賞賛や尊敬に塗り替えられていた。もはや半信半疑に見る者はいなかった。


熱い視線を背に感じながら、僕は国王の真ん前に静かに膝をついて控えていた。


父の話が終わると人々の万雷の拍手が沸き起こり、それを父が満足そうに眺めている。そうして、父は皆に鎮まるように合図をした。玉座の間は再び静寂に満たされた。


誰も一言も発しなかった。


誰もが新たな英雄の誕生を、息を詰めて見守っているのが分かった。


国王の口から直接僕の名が呼ばれた。


僕は顔を上げ、立ち上がる。


「さぁ、アルベルトよ。新たな英雄よ。過去の慣例に従って、今ここで、お前の望みを一つ国王ハインリヒの名において叶えよう。その権利を授ける。お前の望みは何か」


その瞬間、全てが報われた気がした。この数年ずっと待ち望んでいた瞬間がやって来た。僕はこのために、キースとの未来のために、今までここまでやってきたのだ。


それがついに叶えられる瞬間が来た。


鼓動が早まる。口の中が緊張でからからに乾くのを感じた。僕は目を閉じて気持ちを落ち着ける。


今ここにキースがいないことだけを残念に思った。


エリックやデミアンや、カインやエスメラルダやギュスターヴと言った僕の友人たちもこの場に居合わせていた。その視線を感じていた。


僕は息を吸い込んで口を開く。


僕は真っ直ぐに壇上の父を見上げた。


緊張が、この身を包んだ。


――キース。僕は、僕の持つものの中で最も価値あるものを、今君に差し出そう。

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