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前回・今回と下品すぎて少ない読者をさらにふるいにかけていく……
四十万文字越えちゃいそう
心地よい疲労感と言葉にできない幸福感とともに目が覚めた。夢の中で、扉が叩かれる音を聞いたような気がしていた。
そして目覚めるとすぐに、自分の目の前に彼の頭があることに気付いた。僕の胸のあたりから微かな寝息が聞こえてくる。
視線を下に向けると、どうやらキースを抱き込むようにして寝ていたようで、彼が僕の腕と両足の間に挟まるようにして眠っている。向かい合わせに抱き合うような、僕が体半分彼に覆いかぶさるような形だ。
狭い一人用のベッドではそうしなければ二人一緒には寝られなかったのだ。ただ、そのおかげで今こうして彼の全身の感触を肌で感じることができる。彼の滑らかな肌の感触も、体温も、息遣いも、全てだ。頭を巡らせれば視界の端に僕らの脱ぎ散らかした服が落ちているのが見て取れた。
そういった一つ一つの事実が、昨夜の出来事が現実にあったことだと教えてくれる。
僕はそう思い至ると、胸がいっぱいになって、眠るキースの額にキスをした。
そして、もう一度目を閉じた。
幸福な目覚めに、二度寝をしたかったけれど、不自然な体勢で夜を眠ってしまったため全身が痛い。窮屈さに体が強張っている。
僕は強張りを解すために少し体を動かしてみるとベッドがぎしりと軋んだ。しかしそれでも、キースが目覚める様子はない。
昨夜無理をさせてしまったことを思い出して申し訳なくなる。またやってしまった。
だからせめて、今は安らかなその眠りを邪魔したくはなかった。
体を動かさない代わりに、僕の頭は活動を始める。
開け放たれたカーテンから曙光が微かに部屋に入り込んでいて、そのぼんやりとした明るさのせいで目が覚めたようだ。そういえば昨夜カーテンを閉め忘れていたんだった。
今は何時ごろだろうか。冬は夜が明けるのが遅い。まだ空が白み始めたばかりの頃合い、朝の七時あたりかな。だとすればまだ早い。昨夜眠るのは遅かったはずだから。
狭くて硬くて布団も薄く寝心地の悪いベッドだった。昨夜はずっとギシギシ鳴っていて、目が覚めた今もその音が耳に残っているような気がする。しかも薄い毛布と冬の冷気で部屋はとても寒い。
それでも、キースと一緒ならばこの寝心地の悪さも気にならなかった。
僕は彼をそっと抱き寄せる。彼が風邪をひいたらいけないと彼に掛かる毛布を整える。そういえば最低限の暖房しか入らないといっていたなと、昨日彼が話していたことを思い出した。
それから、どうしても気になってしまう筋肉の強張りを解すために、キースを起こさぬよう慎重にベッドの中で慎重に伸びをするとぼきぼきと背が鳴った。
少しだけ体が軽くなって、気を付けて自らの体勢をずらすと、キースの寝顔が見えるようになった。少しだけそのままぼんやりと彼の顔を眺める。どうか幸せな夢を見ていてほしい。
そうして、日が昇り朝日の眩しい光芒が部屋に差し込むころ、控えめに扉が叩かれる音がした。護衛だろう。
帰らないといけないのだが、下手に動けば彼を起こしてしまうかもしれない。無理をさせただけたくさん眠らせてあげたい。
試しにもう少しだけ体をずらそうと試みたが、冷たい空気が毛布の中に入り込むのがわかった。むき出しの肌にこれは辛い。キースが僅かに開いた僕らの間に入り込むように体を動かした。無意識なのだろうが、僕から離れたくないという意志表示のように見えて、その可愛さに心がぐらつく。
どうしようか。
もはや起きてベッドから抜けだそうという気持ちは失せてしまっていた。今日僕がやらなければならない用事もないのだし。それに、あまりにも抱き心地が良くて離れ難かったというのも理由としてある。
護衛たちには申し訳ないけれど、僕は帰るのを放棄して今しばらくこのままここに居ようと思った。
今、僕たちは全身いたるところが触れ合っている。それ故に、その感触が僕にはっきりとわかる。
手持無沙汰な時間というのは人にいらぬことをさせてしまうものだ。
窓から差し込む陽光が、明け方の白白とした色合いから、昼の柔らかな黄色い色合いへと変わっていた。それが今や部屋を十分に明るくしてくれている。
僕はふと思いついて、ほんの気まぐれで、いたずらに彼に自分の腰を押し付けてみた。様子を窺ってみてもキースが起きる様子はない。今度はこすり合わせるようにして腰を動かしてみる。まだキースは起きない。
そっと彼の滑らかな背に手を沿わせて、徐々に下へ下ろしていく。小さめの尻を掴んで僕の方へ引き寄せる。
お互いが密着する。
もう一度動かす。あぁ、これはまずい。自分でやっておいて何なのだけれど、いたずらのつもりが気持ち良くなってきた。
僕はさすがにこれ以上はまずいと思いつつも、欲望が理性に勝ってしまう。僕は彼の下半身に自分の足を絡ませるようにしてさらに密着する。
彼が起きてしまうのでこの辺りで止めなければと思いつつも止められないでいると、彼が身じろぎする気配がした。
「何をしてるんですか……」
僕の胸元から声がした。
あぁと思って視線を下へ向けると、キースの呆れたような視線とかち合う。
「おはよう、キース。よく眠れたかい?」
とりあえず僕は朝の挨拶がてらとぼけてみる。彼は答えなかった。その代わり、その瞳には不審の色が見えた。
「これはね、その、なんだ」
「基礎体力の違いですかね……。結構遅い時間に寝入ったと思うのに、朝からお元気で……」
「ごめん……」
いたずらを見咎められた子供が謝るように、僕は素直に謝罪の言葉を述べる。何故かキースがくすくすと可笑しそうに笑った。
「そういうところは本当に子供みたいですね」
呆れをにじませた声音でキースがそう言った。どうやら怒ってはいないらしい。僕はそのことにほっとすると同時に、さらなるいたずら心がむくむくと頭をもたげるのを感じた。だから子供だと言われるのだろうと思ったけれど、深くは考えないでおく。
「これでも、子供って言えるのかな」
僕はわざとお互いのそれを重ねあわせるようにして動かす。
「ちょ、アルベルト!」
「僕のここは子供かな?」
「お前、もういいって!十分!」
僕のいたずらに彼が怒る。その怒り方怒鳴り方は以前のキースだ。僕は嬉しくなってキースの唇にキスをした。
「それいいね。その呼び方」
「何を言っているんだ。止めろって」
「うんうん」
僕は懐かしいあのときのキースとのやりとりを思い出して笑い出したくなった。
それから、その楽しい気持ちのままに昨夜と同じようにキースを体の下に組み敷くと、その全身を陽光の元じっくりと観察する。毛布が僕の背から滑り落ちた。彼の白い肢体が白日の元露わになる。
力の差に抵抗を諦めたキースが僕の視線に気まずそうに、そして少し恥ずかしそうに顔を逸らした。
「羞恥心は慣れなんじゃないっけ?」
「状況が違う。それは風呂に入る時の話だ」
「変わらないと思うけど」
それきり視線を外したままで黙ってしまった。
「綺麗だよ」
「冗談」
「ほんとだよ」
そう言って彼の体に僕は舌を這わせた。もうお互いそういう気分になっていた。男の体は分かりやすくて助かる。
キースはすぐに降参した。
「待って、これ以上は駄目ですよ」
キースの口から甘い息と切なげな言葉が漏れる。もう何度も聞いた声だ。
「ホントに?」
彼は答えない。
「何も言わないってことは、良いってことだよね」
「……だめです」
僕は彼の顔をじっくり観察しながら組み敷いた彼の両足の間に自分の体を割り込ませる。
「もう十分やったでしょう」
「君が可愛いから」
「そういうのは結構です」
僕は首筋から耳へと舌を這わせる。キースの体が震えた。
「ほんとに?」
僕は励ますようにキスをする。
キースは答えない。その代わり、彼の口から漏れる熱い吐息が耳朶をくすぐる。
「じゃあ、もう一回聞くよ、キース?正直に言うんだ。いいね?」
耳元で僕は囁いた。
「そんな」
「僕としたい?したくない?」
右手で頬を撫で、そのまま首筋から胸へ、そしてその先へ。キースが僕の手を掴んだ。
「駄目だって」
「本当に途中でやめちゃっていいのかな?こんなになってるのに?」
右手がそこへ辿り着く。
キースは無言を貫いた。それは僕の嗜虐心を煽る姿だった。僕は左手を使って、彼の両手をその頭の上でひとまとめにしてベッドに縫い付ける。
「君が正直に言いさえすれば良いんだよ。僕は無理強いなんてしていないだろう?ただ、君はどうしても本音を言いたくないみたいだから。ね。君にとっては言いにくいことだというのは僕も承知している。だから、その手伝いをしてあげているんだよ。君が素直になるための手伝いだ」
「あ、まって」
そう言いながら空いた手でキースの弱いところを押しつぶすようにして撫で擦る。
キースがびくんと僕の体の下で跳ねた。もう彼の体はほとんど知り尽くしているといってもいい。どこが弱いか、どこを責められるのが好きかは頭に入っている。
「気持ち良い?」
彼の目を見ながら、もう何度繰り返したかわからない台詞を、彼が聞き漏らしも聞き間違いもさせないようはっきりと言葉にする。
言葉にならない声が答える。
僕はさらにキースの弱いところを責め立てた。彼の口からは吐息が漏れるばかりだ。だから僕は正直な言葉を引き出そうと躍起になる。この瞬間が一番ぞくぞくする。
彼が一向に口を割らないので、あの手この手でベッドの中で格闘していると、徐々にキースが素直になってくる。
彼の可愛いお願いの言葉が口から零れたら、それが合図だった。
二度寝から目覚めると、もう随分日が高くなっていた。
僕が目覚めたことに気付いたキースが、僕の腕を叩くと、そこから抜け出してベッドに起き上がった。どうやら今度はキースのほうが早く目覚めていたらしい。
僕の見ている前でキースがあくびとともに伸びをする。
日差しの中その体はとても綺麗だった。僕はなんとはなしにその体を眺める。
キースの全身いたるところに、僕らの情事の痕跡が残っている。それは全て僕がつけたものだ。
腕に首筋に脇腹に胸に花びらをちらしたようにいくつもいくつも、白い肌に浮かび上がっている。
キースが自分の体に残るそれに気づいた。
「アルベルト……」
起き上がったキースが困ったような顔をしている。そして、懐かしいものをみるように目を細めて赤い痕を見た。
「そのうち消えるよ。心配いらない」
僕は安心させるようにそう言った。
「こんなにたくさん。意味が分かりません」
彼の言葉に、懐かしいやり取りだと思った。僕は思い出していた。確かにあの時もキースは、僕の付けたキスマークに意味が分からないと感想を零した。そしてなぜわざわざこんなものをつけるのか本当に理由が分からないという顔をしていた。
そして、彼は今もまた首を傾げている。
僕はあの時言えなかった言葉を思い出す。だから。
「君が僕のものだという印だよ」
はっきりとそう言った。
「……余計意味がわかりませんよ」
何故か、僕の告白にキースが悲しそうな顔をした。思っていた反応と違うことに僕は胸が痛む。
「わかりやすいじゃないか。言葉通りの意味だよ」
キスマークを指先で撫でていた彼がその首を小さく振った。
息を整え彼の目をじっと見る。美しい目だと思った。
「キース。僕は君が好きなんだ」
彼の目が見開かれた。
「何を言って……」
彼の声はかすれて途中で消えた。戸惑う彼に僕はさらに言葉を重ねる。
「僕は本気だよ。一緒に暮らさないか?」
「冗談を」
「結婚しよう」
「やめてください。何を馬鹿なことを」
「もちろん式は上げられない。誰からも祝福されない。もしかしたらもっと……。そんなことは分かってる。でも、それでもいいんだ。だから、ね、僕と結婚してくれないか、キース」
しっかりと目を見ながら、冗談と言い逃れも出来ないように言い切った。
彼の返事を待った。静かに。急かさぬよう。
しばらく間があってから、震える声でキースが反論した。
「何を言ってるんですか……。聞かなかったことにしておきます」
「そんなことはさせない」
「私のことなど何も知らないでしょう」
「これから知って行けば良い」
「あんなことをした後だから、熱に浮かされているんです。しばらくしたら冷静になれますよ」
「前から考えていたことだよ」
「王位の継承や跡継ぎはどうするんですか」
「弟がいる。カインやギュスターヴも」
「そんなの許されるわけがありませんよ」
「だから、父を説得してみようと思っている。今はまだその時ではないけれど、いつかその時がきたら。そう言える準備が整ったら」
あの時、結局伝えられなかった僕の決意。今やっと言えた。
「そんなことはさせられない」
「なぜ?」
「あなたが不幸になるだけだから」
「そんなの気にしなくていい」
「気にします」
「僕は君を幸せにしたいんだ」
「私はそんなこと望んでいない」
「僕の願いだから」
「私を巻き込まないでください」
「それはごめん。でも、僕には君が必要だ。幸せになろう」
「私にはあなたを幸せにすることはできない」
「そんなことはない」
「あります。あなたの立場が悪くなる。不幸になる。誰も幸せになれない。そんなの少し考えればわかることだ」
キースは頑なだった。
「愛してる」
僕は言った。
「私にそんな気はありません」
「本当に?」
僕は彼の手を取る。
窓から差す光が僕らを浮かび上がらせる。
「僕の目を見て。本当に?もう一度言ってみて。嘘偽りなく、君の本心を言って。そう思っているのなら、もう一度今この場で僕にそう言って欲しい。好きではないと。そうしたら、僕は君を諦めるから」
キースの茶色い瞳が揺らいでいる。視線が虚空をさ迷って、僕の方へ戻ってきた。けれど、彼は口を開かない。
「君の本心を聞かせて」
祈るような気持ちで僕は言った。彼は自分よりも他人を優先するから、これは賭けだった。彼が僕を慮って本心を隠すか、本音を言ってくれるかの。
「僕のことはどうでもいい。僕が不幸になるだとか、立場がどうだとか、そんなことはどうでもいいんだ。君の本当の気持ちを教えて欲しい」
彼の手を握る僕の手に力を籠める。
「僕は君が好きだ。君はどう思っている?僕のことを?」
「私は……」
「好きだと言ってくれ」
キースの手が小さく震えていた。
「お願いだ……キース」
キースが泣きそうな顔をしている。
「君が一言そう言ってくれさえしたら、僕はそれだけで世界一幸せなんだ」
僕の言葉は儚く消えていく。それは世界になんの影響も及ぼさない。けれど、きっとキースには届くはずだ。
「僕に、チャンスをくれないか。君を幸せにするという役目を僕にくれないか。お願いだ」
「なんでそんなに私に拘るんですか」
「君には分からないだろう。けれど、僕は知っている。僕だけが知っている。理由は説明することができない。でも信じて欲しい。僕は君を愛している。だから、どうか、僕に使命を与えて欲しい。僕を、君を幸せにするためだけに存在する男にして欲しい」
キース……。
永遠とも思えるような時間が流れた。それはきっとほんのわずかな時間だったはずだ。彼が数度瞬きし、何度か言葉を発するために口を開き、しかしそれは何事もないまま閉じられる。そんなやりとりが繰り返された。
ぼくはじっと待っていた。彼の勇気を信じていた。
それからさらに間があって、とうとう彼が一言言った。それは本当にかそけき声で、すぐ近くにいる僕にさえやっと聞こえる程度の声量だった。それは、まるで世界に知られてはいけない秘密を打ち明けるようなか細い声だった。
「好きです、でも……そんなの何の役にも立たない。だから……」
彼の告白に一瞬僕の息が止まる。鼓動が早鐘のように打っている。
「ありがとう。その一言があればいいんだ」
僕は彼の手を引いて力いっぱいに抱きしめた。
「でも」
「そうしたら僕は何だってできる。そのためなら何を差し出しても構わない。何を捨てても構わない。僕にはその覚悟がある」
「でも……」
「僕を信じてほしい。時間はかかるかもしれない。でも父を説得する材料を持ってくる」
彼の肩を掴んで、再度キースの目を覗き込む。不安に揺れる瞳だった。
「待っていてほしい」
すると、部屋の外から、今朝から数えて何度目かの、扉をノックする音がした。護衛だ。
僕は現実に引き戻される。
外から正午を知らせる鐘が鳴るのが聞こえた。
僕はキースの唇に小さくキスをした。
さすがにそろそろ王宮へ戻らないとまずいのだろう。何せ無断外泊の上に、もう昼だ。
戸惑った顔をしたキースへ僕は向き直る。
「お腹が空いたね、キース」
僕は話題を変えた。今はこれ以上話し合っても、僕らにはどうすることもできないから。今はキースの小さな勇気だけで十分だったから。
「今はこれ以上を君に求めない。こんなこと突然言われても困るだろうから。気持ちの整理もつかないだろう?」
キースがほっとしたような顔をした。
「だから」
僕はベッドから足を下ろして、立ち上がる。
「一緒に食事でもどうかな。僕はもうお腹がぺこぺこなんだ」
僕は言葉の調子をわざと上げて、雰囲気を変えるように言った。
あまりキースが根を詰めて悩んだりしないよう。彼は真面目だから。
「今ならテーブル一杯の料理を一人で食べてしまえそうだよ。キースもそうじゃないかい?おいしいものを食べたら元気になるし、前向きになれる」
僕がにこりと笑顔を作ると、雰囲気に流されてキースが頷いた。こういう時は多少強引な方がいい。僕にとっても彼にとっても。
「よし、決まりだ。そうとなったら着替えて出かけよう」
僕はキースを抱き上げるようにしてベッド端に座らせると、脱ぎ散らかした衣服を拾って彼に渡した。
もそもそとキースが服を身に付けてく。
「あ、でも、シャワーを浴びないと」
キースはやっと頭が働きだしたようで、そう言った。
「その姿でシャワーは浴びれないよ。他の生徒が見たらなんと思うだろうか」
「確かに……」
彼が自分の体を見下ろしている。
「僕のところへおいで。そこでシャワーを浴びてご飯にしよう」
「でも……」
「大丈夫。今夜は必ず君をここへ帰すと約束する。君に無理はさせない。ね、信じて。今は一緒にご飯を食べてのんびりしたいだけなんだ。難しい話もしないよ」
そっとキースの頬に手を伸ばす。
「何もしない。シャワーを浴びてご飯を食べてのんびりしたら、君を帰すよ」
「はい」
「決まりだ。行こう。キースは何が食べたい?考えておいて」
僕はそう言って、自分もまた服を身に付け始めた。
二階が一年生と二年生の半数、三階が二年生の残り半数と三年生が入居していて、三年生はこの時期ほとんどが実家へ帰省していて、寮にはいない状態だと思ってください。卒業後春から働き始めるので、卒業式の後に遠くの実家へ帰っている余裕はなく、冬休みに代わりに帰省して家族と団らんするのが普通です。
キースの個室の周りの部屋は誰もいませんが、真下の部屋の下級生が残ってたらどうしようって思いながら書いてました。
もしいたら、彼は午後六時から始まった上階のぎしぎしという音と微かに聞こえる声にまさか優秀で真面目で頼りがいのある寮の監督生のキースが、すわ女を連れ込んでいるのか?!と愕然として、けど聞こえてくる二者の声がどちらも男らしいぞと気付いて、一気に血の気が失せてそう。しかも真夜中まで延々続くという長丁場に混乱をきたしてかつ眠れそうにないとの理由から友人の部屋へ転がり込んでる。それで翌朝もう大丈夫だろうと部屋に戻ってきたらまだギシギシいってることに驚愕して、彼の中でキースは絶倫不順同性交遊先輩になってるはず。そんなことがあったかもしれません。
あと、護衛たちも部屋の中からギシギシ聞こえるせいで、中での会話は分からなくとも、えやばくね?まじ?相手男???報告書なんて書けばいいんだよ!?って気が気じゃなかったはず。




