第57話 ふたりで歩む未来
すっかり住み慣れてしまった、ゆめみかんの一室。
寝台に座る献慈の目の前、おなじみのアルカイックスマイルを浮かべたシルフィードが立っている。
「お加減はいかがですか、献慈様」
「すっかり元気だよ。もう二日も経ってるんだし」
あの日、死力を尽くした戦いの後。
大墳墓までの道を切り開いてくれた援軍のうち、真っ先に駆けつけてくれたのは珠実であった。
〈エキサイター〉の反動で疲弊していた献慈が自分の足で帰って来られたのは、彼女が分け与えてくれた滋養の丸薬のおかげでもある。
その後、珠実は安珠ともども姿を消してしまったため、きちんと礼が言えていないのが献慈としては心残りだった。
「左様でございますか。カミーユが気にかけておりましたよ」
「そっか。君たちこそあの……〈精霊鎧装〉だっけ、後遺症とかはない?」
「ご心配には及びません。わたくしたちのしぶとさは献慈様もよくご存知かと」
召喚士と精霊は一心同体――実際に重傷を負っていたカミーユだが、シルフィードと生命力を分配し合うことで生き延びていたのだった。
献慈の危機を見越してシルフィードを床下に潜伏させていた手並みといい、カミーユの抜け目のなさは素直に尊敬できる。
「一応確認しておきたかったんだ。とくにカミーユは強がりだから……」
「ここまで来て嘘は申しませんよ。帰国後も元気に仕事へ取りかかるつもりでおりますので」
帰国、と聞いて献慈は胸の奥が少しだけ締めつけられる思いがした。
「仕事ってのは、やっぱり……」
「献慈様のご推察どおりかと」
「……だよね。そのためにドナーシュタールを探して回ってたんだし」
ドナーシュタールの価値は、鋼鉄をも断つ切れ味や、雷の霊力だけにあるのではない。より重要な意味を持つのは、ヴェロイトの国宝という事実である。
その切っ先が向けられるべき相手は自ずと絞られる。
「はい。敵は言うまでもなく強大。事前の地固め、何より霊剣を振るうにふさわしい人選が必要となるでしょう」
魔王ヴェルーリ。本名ヘゲデュシュ・イシュトヴァーン。
およそ百年前、ヴェロイト帝国東部の地方武官だったその男は、自身の信奉者たちとともに領地一帯を占拠、一方的な独立を宣言する。
帝国は軍を差し向けこれを鎮圧にかかるが失敗に終わった。あろうことか、投入した兵の大半が『眷属』化し、賊軍へと寝返ったのだ。
反逆者がヴァンピールであった事実は帝国中を震撼させた。
その後、敵は表立った侵略行動を起こさなかったため、危機感は次第に薄らいでいったが、散発する『眷属』事案はゆっくりと確実に社会を蝕んでいく。
時は流れ、いつしか魔王ヴェルーリと呼ばれるようになった巨悪との戦いは、烈士をはじめとした少数精鋭による遊撃態勢へと移行していた。
日々各地に出没する『眷属』の脅威を抑えつつも、大元を絶たねば真の明日は来ない。魔王を討ち果たさんとする勇者の出現が望まれるのは、必然の成り行きであった。
「勇者か……ヨハネスの前にも勇者っていたのかな」
「半世紀前に一度、魔王の居城へ攻め入った一団がいたと伝え聞いております」
彼らのその後の行方については――久しく〝次〟が現れなかった理由を思えば――あえて確かめるまでもないだろう。
だからこそ、ヨハネスに寄せられる期待や求められる成果も、相応に膨れ上がっていたに違いないのだ。
「すると次が三度目の正直ってわけか」
「わたくしたちは後方支援となるでしょうが、気を引き締めて臨みたいと存じます」
「うん。無事を祈ってるよ」
献慈は掛け時計をちらりと見やった。
「そろそろ……かな」
「はい。名残り惜しゅうございますが」
二人はどちらからともなく両の手を取り合う。
「我――入山献慈は、汝が仮名において副召喚者の契約をここに解かんとす」
「〝承認します〟」
「……今までありがとう、〝ケイ・リー〟」
別れの時が訪れようとも、深く結んだ親交が失われることはない。
今も献慈の黒髪に混じって伸びた緑色の一本がその証だ。
*
「最後にお二人へ挨拶に参りましょうか」
シルフィードに誘われて向かったのは、ライナーが滞在する部屋だ。口ぶりから察するに、カミーユも揃って中にいるに違いない。
「では、お先に失礼いたします」
引き戸の隙間からするりと吸い込まれてゆくシルフィードを見届けつつ、献慈はノックをして戸を開ける。
「入ります」
「どうぞ、お入りください」
穏やかな男性の声が献慈を迎え入れる。
板の間の左右にそれぞれ、楽器を抱えたライナーが寝台に、ドナーシュタールを持ったカミーユが椅子に座っていた。
「俺だけ? 澪姉は……」
「あとで会ってく。アンタ呼んだのはシルフィード返してもらうついでだし」
心なしかカミーユの表情が硬い。
「そっか。しかし……急な話だね。今から祝勝会だって時に」
「剣も手に入ったし、速やかに帰国しろってさ。依頼主が」
「前に言ってた、本国のお偉いさんのことか」
それは意図せぬ何気ない会話の流れであって、献慈は別段答えを望んでいたわけではなかった。
「ううん、直接の依頼主のほう。帝国の宮中伯」
「その人も貴族じゃないの?」
カミーユはこちらと目を合わすことなく淡々と語り出す。
「昔はともかく今は名ばかりの貴族だね。皇家直属の諜報機関ってのがあって、その室長に与えられる称号がタンネンハイム宮中伯――」
「どうも。ライナー・フォンターネこと、ライムント・フォン・タンネンハイムです」
唐突に差し挟まれた告白に、献慈は唖然となる。
ところが、である。それ以上に驚きを示していたのはカミーユであった。
「あ……え……?」
「おや? このためにケンジ君を呼んだのではないのですか?」
あっけらかんと言い放つライナーに対して、カミーユは珍しく言葉を濁している。
「そ、そこまでは……って、いうか……」
「ま、待ってくれ」
献慈はたまらず間に割り込んだ。
「まだ混乱してるんだけど……とりあえず一つずつ確認させてくれ。まず、俺をここに呼んだのはカミーユ……で、間違いないな?」
「……うん」
「カミーユはライナーさんの、正体……を、知ってたんだよな?」
「うん」
「でもそこまで明かすつもりはなかった、ってことで合ってるな?」
「合ってる」
「わかった。話を……続けてくれ」
献慈はそう促したものの、カミーユは両拳を膝の上で握りしめたまま、黙ってうつむくばかりだった。
代わりに口を開いたのはライナーだ。
「この娘は……事情を暴露してしまえば、貴方をこちら側へ引き込めると思ったのでしょう。本当に仕方のない娘です」
「……詳しく、話してくださいますか?」
「こうなった以上、是非もありません。洗いざらい話すとしましょう。まず僕の生い立ちは以前に話したとおりです」
ライナーは異母姉との別離を経て実家を出た後、放浪の吟遊詩人となった。
各地を転々とする当て所ない旅は、わずか数ヵ月で終わりを告げる。宿酒場へ出入りする一人の人物に音楽の才を見出だされたのだ。
そのリコルヌの老紳士は呪楽の大家であり、亡き娘に代わる後継者を探していた。ライナーは彼の養子となり、その一子相伝の業を余すところなく受け継ぐ決意をする。
「我ながら大胆な決断をしたものです。僕はまだ若く世間知らずで、熱に浮かされていたせいもあるでしょう。当初は彼の素性に疑問を抱くことすらなかった」
老紳士の名はディーツ・フォン・タンネンハイム。皇家の密使として、烈士組合に太いパイプを持つ男だった。
「その事実を知ったのは弟子入りから一年足らず、流行り病をきっかけに師を失う直前のことでした」
心ならずもライナーは師から呪楽の業のみならず、遺言により宮中伯の称号までをも受け継ぐこととなった。
ライナーは師のツテを頼り、表向きは烈士として活動しながら、諜報員としての経験と見識を積み上げていったのだ。
「表の稼業ではそれなりの人脈を得ましたが、僕の素性を知っているのはカミーユだけです。今回のドナーシュタール捜索に同行してもらったのもカミーユ、貴方が――」
「信頼できる〝同志〟だから、だろ?」
カミーユが言葉を遮るも、ライナーはすぐに切り返す。
「ええ。貴方がケンジ君を信頼しているのと同じようにね」
「そ、そういうのとは、違っ――」
「違いませんよ。心を許した相手に隠し事を続けるのは苦痛を伴いますからね」
「……っ……」
カミーユが口ごもるのを見計らって、ライナーは話を再開させる。
「剣の捜索に当たっては、烈士に偽装した部下を各地に派遣してあります。残念ながら僕自身は優秀な諜報員とは言えませんので、あえて遠方の、最も重要度の低い行き先を選ばせてもらったのです」
「それがここ、イムガイだったんですね」
献慈の言葉にうなずきながら、ライナーは自嘲めいた笑みを覗かせた。
「ところが……僕はどうもクジ運に恵まれているらしい。任務を口実に物見遊山するつもりが、とんだ大冒険になってしまいました」
「俺たち……澪姉と、出会ってしまったから……」
「そうですね……ただ、白状してしまえば、ワツリ村へはいずれ出向くつもりでいました。ヨハネスと接点のある人物――〝太刀花の君〟の隠居先ですから。もっとも、当人は亡くなられていますし、有力な情報は期待していませんでしたが」
「……! ライナーさん、貴方はどこまで知って……!?」
献慈が動揺するのを、ライナーは見透かしていたと言わんばかりに平然としている。
「ここまでですよ。ミオさんがヨハネスの名を知っていたこと自体は驚くに値しません。そこから先すべてが想定の範囲外です」
「……信じていいんですね?」
「誓いましょう、ミオさんの復讐心を利用する意図はなかったと。少なくとも、シヒラ川でヨハネスと遭遇するまではですが」
「正直すぎますよ、ライナーさん……」
「僕は話さずにいたことはあっても、嘘をついたことはないつもりです。もちろん今から言わせてもらうことも本気です――ケンジ君、貴方たちをこれ以上僕たちの事情に関わらせるわけにはいきません」
ライナーは献慈を見据えたまま、きっぱりと言い切った。
その真意を問いただそうとするよりも早く、
「はぁ? ここまでケンジたちのこと巻き込んどいて、今さらどの口が言うんだよ!」
カミーユが立ち上がり、ライナーに食ってかかる。
「それを言うなら貴方こそ。以前はお二人ともおとなしく村まで帰るべきとまでおっしゃっていましたよね?」
「あん時とは事情が……っつーか、オマエこそ言ってること真逆じゃねーのかよ!?」
当人を置いてけぼりに口論は激しさを増す。
「それこそ事情が違いますよ。これまでは対等な取引でしたが、魔王本体の討伐に関しては完全にこちら主導です。部外者を引き入れた責任は誰が取るとお思いですか?」
「ぐぬぅ……まったく口ばっか達者な野郎だな! 計画性グダグタの三流スパイのくせしやがってよぉ!」
「一流の音楽家はアドリブの余地を残しておくものですよ」
「一流はそんな屁理屈言わねえェーっ!」
「むっ……もういいじゃありませんか。結果的にドナーシュタールは手に入ったのですし」
「そーゆートコを言ってんだよおぉ!!」
このままでは埒が明かないと見た献慈は、
「二人とも」
再び二人の間に分け入った。
「そこまでにしよう。カミーユは俺のこと、頼りにしてくれたんだよな? その気持ちは素直に嬉しいよ」
「ん、まぁ……どっちかっつーとミオ姉がメインでケンジはついで、みたいな……」
「ライナーさんも。俺たちを危険に巻き込まないよう、遠ざけようとしてくれてるんですよね?」
「…………」
「たしかに、ヴェルーリの存在は澪姉がお母さんを失った発端ではあるよ。けど俺はもう充分区切りはついたと思ってる。本音を言うなら、澪姉には進んで危ない目に遭ってほしくないんだ」
献慈がそこまで言うと、カミーユは椅子の背もたれに体を預け、天井を仰いだ。
「あ~あ、ケンジならそう言うと思ったよ。いつだってミオ姉第一だもんな~」
「ああ。だから、もし澪姉が行くと言うなら俺は止めない。全力で支える覚悟だ」
「そ、それじゃあ……」
一転、カミーユは椅子から転げ落ちる勢いでこちらを振り返る。
「澪姉を呼んで来る。俺たちだけで決めるのはフェアじゃないだろ?」
献慈が出口へ向かおうとした矢先、横から声がかかる。
「そう急ぐこともないでしょう」
呼び止めたのは、ライナーであった。
「一曲……聴いて行ってはいかがですか?」
献慈が返事をするよりも早く、ローターヒンメルの弦が掻き鳴らされていた。
(これは……呪楽……!?)
「何やって――、ラィ――、――、……!」
カミーユの声が、献慈の頭の中で弦の音色と混じり合い、反響を繰り返しながらフェイドアウトしてゆく。
(俺は……ここは、誰の部屋……たしか……)
混濁する意識を必死にまとめ上げようとするも定まってはくれない。
献慈がかろうじて把握できたのは、目の前で何事かを言い争っているのが、ライナーとカミーユであるということだけであった。
「〈忘却されし挿話〉――この部屋に入って以降の記憶を消去させてもらいます」
「オマエ……何もかも……最初からこうするつもりでしゃべったのか……ッ!?」
「あいにく僕は三流ですので。このような強引な手段しか思いつきませんでした」
弾んだ声とは裏腹にライナーが表情を沈ませる理由が、献慈にはわからない。
瞳を震わせたカミーユが、献慈の服を掴んで離そうとしない、その意味さえも。
「ごめん……あたしが余計なことしたから……!」
「カミーユ……?」
「ケンジたちと旅するの、楽しかったんだ……もっと続けられたらいいのにって……でも、そんなのあたしのわがままだから……だから、やっぱり…………ここでお別れ」
「…………」
「あはは……言ってること無茶苦茶だけど、何度も……何度も、振り回してごめんね」
「……気にすること……ないよ」
なぜここにいるのかはわからなくても。
「俺は……カミーユのこと、忘れない――」
*
「…………」
いつからこの場所に座り込んでいたのだろう。
献慈は周囲を見回して、ここがゆめみかんの一室であることを認識する。
(……十一時……三十分)
柱時計の針は、献慈がシルフィードと一緒に自室を出た五分後を指していた。
誰もいない部屋。
(カミーユたちは……)
立ち上がるとすぐ、卓子に置かれた二つ折りの紙が目に入る。
献慈はその紙を手に取って広げ見る。
またね。
ミオ姉とお幸せに。
カミーユ・シャルパンティエ
(何だよ……最後までこんなイタズラ…………)
何か、かすかな違和感を覚えつつも、献慈は後ろから聞こえてきた小さな足音に意識を持っていかれた。
開け放たれた引き戸の陰から、ちんまりとした鬼娘が顔を覗かせていた。
「料理長……?」
「献慈ちゃん、ここにおったんかいな」
若蘭は喜色を浮かべ、小走りに献慈の前まで駆け寄って来る。
「祝勝会、そろそろ始まんで」
「えっ? 時間……」
「何や。ここのもズレとんのかいな」
若蘭は懐中時計を手に、柱時計のぜんまいと針とを巻き直した。
「すいません。すぐ行きます」
手紙を仕舞い部屋を出ようとした献慈の前に、若蘭はくるりと回り込む。
「ええけどや……一旦そこ座り」
「はい?」
言われるがまま椅子に腰を下ろすと、若蘭はハンケチで献慈の顔を拭った。
「よっしゃ。男前や」
「ど、どうも(顔に何か付いてたかな?)」
「ほな行こか。澪ちゃん、待ちくたびれとんで」
廊下へ出て、会場まで向かう道すがら、おしゃべりに花が咲く。
「それは急がないと。ご馳走前にしておあずけなんてかわいそうだ」
「今日はワシも本領発揮さしてもろたわ。ちょうど食材もぎょうさんあるよってな」
「両児さん、昨日いっぱい届けてくれましたもんね」
会場となる食堂には――その両児をはじめ、柏木やシグヴァルド、ジオゴや絵馬も――献慈たちが今まで世話になった人々が集まってくれているはずだ。
「ほんまアイツは知らせも寄越さんと……けど、おかげで新しい料理挑戦できるんは感謝やな。そや、献慈ちゃん言うてた〝たらこすぱげっち〟作ってみてんで」
「へぇ、さっそく頂いてみます」
「献慈ちゃん、いろんなアイデアくれるからレパートリー増えて助かるわ」
「こちらこそ料理のご指導、感謝してます」
「ええてええて。こないだ教えたったアレ、今度澪ちゃんに食べさしたり」
やって来たのは母屋へ続く渡り廊下の手前。
「……あっ」
朱鷺色の袷を着た澪がこちらを見ていた。
「私に食べさせてくれるって? 何の話?」
「内緒や。ほな、ワシは先行って準備しとるさかい」
若蘭は澪とすれ違いざま、互いの手を打ち合わせて去って行った。
自然、会場へはふたりで向かう流れとなる。申し合わせたわけでもなく、まるで初めからそう決められていたかのように、献慈の横には澪が寄り添い歩く。
「カミーユたち、もう帰っちゃったね」
「うん。最後だと思って部屋まで行ったんだけど、入れ違いになったみたいだ」
「そっか、残念。でも……また会えるよね」
庭先にふと目を向ける。澄み渡る青空とのコントラストを描く紅葉の葉が、湖岸から吹く秋風にそよめいていた。
「俺たちが烈士を続けていれば……そうだね、いつかは」
「西の大陸、央土のずっと向こうかぁ。遠いんだろうなぁ」
「いっそのこと、こっちから押しかけてみる?」
「うーん……」澪は少し考え込んで、「まだそういう時機じゃないと思う」
いつもそうするように、斜め上から献慈に微笑みかける。
「なんてね。私らしくないって思った?」
「いや、そんなことは……」
「私ね、今回の戦いでわかったんだ。剣の腕も、心構えも、そのほかにもまだまだ足りてないことが自分にはいっぱいあるんだって」
「未熟さに気づけるぐらい進歩した……なんて、俺が言うのはちょっと偉そうかな」
「ううん、そのとおりだと思う。そう気づかせてくれたのは――」
澪が手をつないでくる。
「献慈、ありがとう。私をここまで連れて来てくれて」
献慈が握り返した手のひらは温かく、柔らかく。
「これからも……よろしく、澪姉」
絡めた指から伝わる小さな脈動は、ふたりで歩む未来への時を刻み出していた。
お読みいただきありがとうございます。
次回エピローグをもってひとまず終幕となります。
最後までよろしくお付き合いください。




