狂った世界
一般人の妄想の産物
日ノ本という国は元々神たちが住まう国だったらしい。神話が本当にあったことならばそういうことになる。
そして人間が生まれたのは、天照大神が地上に降りて子孫を残したといわれている。
ならば、神である力は人に余るはず、それはどこへいったのか。
簡単だ、天野岩戸と同じように隠してしまえば、少なくとも人間には見つかりまい。
しかし人間は強欲な生き物。万が一があってはいけないし、もしものことが無いとは言い切れない。
ならば、子孫に血を通して『鍵』にして、適正者に力が発現し、修行するように一族の一部に天啓を下しておこう。
みたいな書物が代々当主が管理しているらしい。もっと色々なことが書いてあるっぽいけど歴史のはじまりはこうらしい。そしてその件の一族に生まれたのが俺だ。さらに面倒なのが、すでにその「もしものこと」が起こっている。
そもそも、世界は均衡を保つためにあらゆるものを生み出している。神なら荒魂、光なら闇という風に。
人間ならば。死そのものである死霊を同じ数だけいたら均衡は保たれるだろう。
そう、死霊だ。人間は爆発的に増え、寿命も延びているのだから死者は減る。しかし均衡は崩れてしまった。
世界は考える、死霊がだめなら化け物に人間を食わせよう。そして化け物が生まれた。幸いなことに闇を好み、光を嫌うものだから家の中だろうと容赦なく食われる。それも目に見えないものだから為すすべもない。
さて、この世界的大災害、神の力で化け物を浄化、もとい消滅させることができる。
そこで俺たち一族の出番。世界はともかく日本で神の力を継承してるものだから、一気に忙しくなった。
闇喰い、祓い人、夜狩り、憑き狩り、蛍守、夜の光を守る者、転じて『月守』。それが一族の、皇族出身の我らの矜持である。
書きたいことが多くてまとまらなかった。読了感謝です。