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第二の人生は好き勝手やらせていただきます  作者: 秀作殿
一章 覚醒編
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七話 リン帰ります


————俺は、ダンジョンをぬけ、行きと異なるルートで帰ることにした。

ちょうど王都の中間地点にある『ラタリア森林』を歩いている。


森林は、どこまでも続き、豊饒というよりも無造作に、枝々は幾重にも折り重なり

草木に毛虫のような虫がいて少し気色悪さを感じながらも歩を進める。


多少ゴツゴツしているが、ある程度は道が整備されている。

元いた世界にあった青木ヶ原樹海の遊歩道を

もう少し険しくした感じだ。


ここには、魔物が多く生息している。

先ほどから小猛狼(フィーガ)が距離をあけてこちらの様子を伺っている。

この魔物は、背中の赤毛がトサカのように生えているのが特徴の小型の狼で

背中以外は黄色の毛だからかなり目立つ。


すばしっこい上に、集団で狩りをするためビギナーとっては、強敵かもしれない。


さすがに、実力差がここまであると襲ってはこないようだ・・・・・・

王都に着く前に、力試しをしたいのだが・・・・どっかによさそうな奴はいないか?


そんなことを考えていると、女性の甲高い悲鳴が聞こえてきた。

どうやら五百メートルくらい先で馬車が襲われているのが見えた。


このあたりは、魔物と遭遇する可能性が高いことで有名だ。

だから、普通は魔物が嫌う匂いが染みついた『魔物除け』を携帯しているハズなのだが・・・・


「あの様子だと、持ってないよな。

 それに、面倒な奴に絡まれてるし・・・・こんな浅いとこにいるのは珍しいな」


襲っているのは魔物の名は『邪森人形(グルネド)』。それも、二体・・・・

危険度『B』

体長は三メートルほどで、身体をくねなせながら動いている。目はなく、音で獲物を捕らえる

枯れ木が生き物になったような奴だ。さらに、胴の中央部分に大きな口がありその異形の姿が

冒険者含め人々から恐れられている——グルネドを狩れるのは『ゴールド』からだろう。

長いムチのような腕で攻撃してくるのだが、当たったら通常防具ならすぐ破壊される。


この森林の頂点に君臨する『岩壁竜(ロックヘビードラゴン)』危険度『A』の次に危険なヤツだ。

邪竜よりは格下だが、プラチナ級冒険者以上でなきゃ討伐は厳しいだろう。

それに、奴らはこちらが攻撃しない限り襲ってこないのでまだマシだ。


——たまに、若気の至りだろうか腕試しで挑んで命を落とす者がギルドの

情報で流れてくる。そういう奴らの魂胆は、大物を倒して急激なレベルアップでも考えているのだろう。

こういった連中は依頼受注なしで現場に行く——そもそも、受けられないからな。


俺は、グルネドに照準を合わせ手を向ける。


「はい、さようなら」


<雷魔法 『撃光矢』(ボルジヤ)


バチバチと音を発する光の矢が凄まじい速度で飛んでいく。


中級魔法が、あのクソ竜を倒したおかげで上級魔法ぐらいの威力になっている。


頭が木っ端みじんに吹き飛び下半身だけが残る

——前のめりに倒れ少し痙攣するとそのまま動かなくなった。


「威力えぐいな・・・・」


もう一匹は、捕縛し隷属魔法を使うことにした。

こいつを、捕まえようなんて奴はまずいないのだが

ペットにしてしまえば意外にも可愛く見える。


「今からお前は俺の仲間だ・・・・あとで、召喚してやるからおとなしくしてろ

 名前もその時つけてやるから」


「ギュラギュラギュラ~」


嬉しそうに上半身を揺らし踊りだした。


指をパチンとならし、異空間に送る。

白狼のハクくらいなら常時出しておいても構わないのだが、さすがに

牛頭人(ミノタウロス)のリルドや毒巻蛇(デューラ)のスーをだしていると怖がられるので

アイツらには申し訳ないが、公共の場ではだしてやれない。


かなり、小さく変化してくれれば良いのだが・・・・

それも今度試してみよう・・あいつらが可哀相だし。



これから魔獣を集めることにも専念しようと思う。

ゆくゆくは、魔獣軍団を作るのもアリかもしれない。

今後、強敵と戦うことだって考えられるのだ。

それくらい用心した方がいいだろう・・・・



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