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第21話 早い!/交際を!

「俺たちの関係……そうだな。これから二人で外の世界に行くんだもんな」

「うん。私としては、ゼクトとは恋人同士になりたいと思うわ!」

「んなあっ!? いきなり恋人!?」


 おや? 驚いちゃった、かわいい反応ね。でもこれは確定事項。出会って間もないけど私はそうあるべきだと思っている。私はゼクトのものなのだから!


「そう驚くことないでしょ? 私はそうなりたいと思っているのよ、今すぐに。結婚も視野に入れての交際を! ふふふ!」

「いやちょっと早すぎると思うんですけど!? 出会って半日くらいしか経ってないのに、結婚を前提に恋人は早い! もっと一緒に旅したり冒険したりして、そんな時間を過ごしていくうちに自然とそんな関係に至るのが恋人なんじゃないのか!?」

「……えっ、そういうものなの?」


 んん? 早すぎるって言われちゃった。人間の恋愛と私の恋愛の価値観の違いかな? それにしても旅したり冒険を経て自然に、ね。私達はある程度冒険してるんだけど?


「例えばさ、一緒にデートして買い物に行ったり、美味しいものを食べたり、観光名所に行ったりしてさ、そういう経験を経て恋人になって最終的に結婚して家庭を築くんだ」

「なるほど、そういう経験が必要なのね」

「それに俺はまだ15歳なんだ。結婚できる年齢じゃないし、友達も少なかったから恋人は別の意味でも早いんだよ」

「そ、そうなんだ。でも、私は単なる友達って感じにはならないわよ~」


 うーん、残念! つまり、ゼクトは私と結婚するのに後3年ほど時間が必要ってわけね。でもその間にデートとかできそうだからいっぱい楽しめそうね!


「ミエダが単なる友達に収まらないのは分かる。俺にとってすでに大事な存在だからな」

「ふふふ。そうでしょそうでしょ!」


 ああ、ゼクトが私を肯定してくれる。最高だわ! 彼のためならなんだってできる! それほどの思いが確かにある!


「私、ゼクトが大事にしてくれるならどんな関係でもいいな~」

「そ、そうか」


 どんな関係でもいいって言っちゃったけど、望むなら私がゼクトに導かれるような関係がいいな。これまでもゼクトのお世話になったんだけどね。封印から解放してくれたり、今の世界を教えてくれたり、魔力操作の練習に付き合ってくれたり、思えば贅沢だったかな。


「どんな関係でもいいんだな?」

「ええ! ゼクトに大事にされて、私もゼクトを大事にして、それで仲良く二人でこれからを歩んでいくの!」

「そうか(ニヤリ)……」


 ニヤリと口が歪む顔が見れる。どんなこと考えてるんだろう? ワクワクしちゃう!


「なら、こういうのはどうだ? ミエダが『相棒』で俺が『アニキ』!」

「へ? 相棒? アニキ?」




 ……えーと、相棒とアニキって言ったんだっけ? 確かにそう聞こえた。


「……なんで、相棒でアニキなの? 相棒は分かるけどアニキって、私たち兄弟になるの?」

「いや、そういう意味じゃないよ。いわゆるコンビを組むってことさ。二人組の冒険者とかをコンビっていうんだ。第3者から見れば俺達はそうなるだろ。実際そうなんだし」

「そういわれてみれば、そうね」

「それにミエダってさ、今の世界のことってほとんど分からないだろ?」

「ううっ……確かに……」

「そんな様子を知られれば怪しまれて変に思われそうだから……」

「あっ! 分かった! それをカバーするためにゼクトが『アニキ』ってわけね!」

「ああ、そういうことさ。変な奴が近寄ってこないようにも気を配るからさ『相棒』」

「ゼクト……!」


 私はゼクトの提案を喜んで受け入れられた。何故なら嬉しかったのだ。ゼクトの提案は世間知らずな私を直接導くためのもの、私のことを思って考えてくれたんだ。そうに違いない。こんなにうれしいことはない。


 これで私達の関係は決まった。後は些細なことを話し合うだけ。まあ、私のほうはこれ以上言うことはないから、基本的にゼクトが中心に……あれ? なんか思いつめた顔をしてる?


「ゼクト、どうかしたの? 急に黙っちゃって?」

「ああ、ちょっと、マズいこと思い出したんだ」

「マズいことって?」

「俺の両親のことさ」

「ゼクトの両親?」


 ゼクトはこの後、彼の両親や故郷の者たちがゼクトを探している可能性について話した。

次は一気に最後まで投稿します!

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