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第17話 ドライブ!!/ストライク!!

 カーススティングは力強く刺すだけじゃない。魔力を倍ぐらい込めれば毒を付与することができる。それを刺せれば……!


「羨望魔法・カーススティング!」

グサッ!

「ゼッ!? ゼバア!?」


 そう思ってカーススティングを刺せば一発で命中した。刺さるまで突き続けようと思ってたら最初の一撃で急所に刺さった。いくらかは避けられると思ってたのに。つまり、怪人は弱ってるてことなの?


「くっ、うう……!」

「ゼ、ゼ……!」

バンッ!

「ゼバアッ!」

「きゃあっ!」

「っ!? ミエダ!」


 怪人はカーススティングに耐えた! これもダメか……! マズい、思いっきり吹き飛んじゃったわ。どうしよう?


「ハンターダッシュ!!」

ガシッ!

「うう……はっ! ゼクト!?」

「おう、そうさ! 大丈夫か!」


 最高のタイミングでゼクトが助けに来てくれた! こんな体でつらいはずなのに……!


「ゼクトこそ、もう大丈夫なの!?」

「ああ! 気絶しちまってすまなかったな!」

「そんな! 私こそ、ごめんなさい!」

「いいって、いいって!」 


 最初に気絶したのは私なのに、ゼクトも謝ってくれる。本当に情けないのは私なのにだ!


「ミエダ、俺が気絶している間に奴のことで何か分かったことってあるか!?」

「衝撃波を出せることと、直接攻撃のほうが有効だってことね」

「そうか! そこまで分かってるのか!」


 衝撃波が出せて、直接攻撃系に弱いのは間違いない。この身で経験したしね。私は魔王の娘という立場上、武器を持たせてもらうことは無かったから、得意な戦法は魔法と格闘だけだけ。だけど、今なら好都合!


「ミエダ、パンチとキック。どっちが得意?」

「え? どっちかっていうと、キックのほうね」

「なら決まりだ。俺たち二人の魔法を掛けたキックを同時に叩き込んでやろうぜ!」

「ええ!? 同時に!?」

「そうだ。同時攻撃は威力も与えられるダメージも上がるって聞いたことがあるから、それをあいつに食らわせてやれば、ひとたまりもないはずだ」


 確かに家庭教師の先生も似たようなこと言ってたっけ? あの先生は確か、昔は軍人をしてて人間とも戦ったと言ってたから多分間違いないわね。


「でも、どうタイミングを合わせるの?」

「ああ、タイミングなら、ってもう来やがった!?」

「ゼバア! ダグバアァ!」

「一旦、距離を取ろう。ハンターダッシュ!!」

「拒絶魔法・ロックイリュージョン!!」


 ゼクトは私を抱えたまま、その場から離れる。時間稼ぎのためにロックイリュージョンを使う。これは相手を岩の牢に閉じ込めることができる。体力を削られた怪人なら出てくるのは容易ではないはずだ。


「おお! すごいじゃないか! これなら時間稼ぎができる!」

「嬉しい言葉だけど長くは続かないわ。今のうちに作戦を決めないと!」

「ああ、タイミングなんだけどさ……」



※数分後


ドッガァーン!!

「ゼッバァー!!」


 怪人が岩の中から出てきた! この時を待っていた!


「今だ!!」

「ええ!!」

「強食魔法・ドレインダスト!!」

「憎悪魔法・ファイヤーシューティングアロー!!」

「ゼッ!?」

ドッバァーン!! ドッゴォーン!!


 憎悪魔法・ファイヤーシューティングアローは、ファイヤーシューティングを矢の形にまで圧縮して、弓の形をした魔法力場で本物の矢のように放つことができる。わざわざ屋の形に圧縮したことにより、直撃した時の威力が大きいのだ。その分危険性も高い。そのため、高い集中力が必要とされるのだ。実際、怪人に直撃した時は結構な威力を発揮した。


 だが、これで終わりではない! 今こそチャンスだ!


「ハンタージャンプ!!」

「とおっ!!」


 私達は同時に飛び上がった。同時攻撃のキックの威力を高めるためだ。……人間の少年がここまで飛び上がるなんて、人間の魔法はやっぱり面白いわ。……いや、今はこんなことを考えてる場合じゃない! 今ここで、『あれ』を使うとき!


「強欲魔法……」

「尊大魔法……」


 ……これも超禁術シリーズの魔法だけど、私が気に入って、その負担を通常の魔法と同レベルにまで改良した最強クラスの魔法を!


バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!

キイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!



 私の体が赤く、ゼクトの体が青白く光り輝き始める。二人で最大限の魔力を使うからだ。


「強欲魔法・マキシマムサンダードライブ!!」



「尊大魔法・カイザーエンドストライク!!」



バッキィーン!! バッキィーン!!



「ンダッ!? グブァッ!!」



 私達二人のキックが、怪人に叩き込まれる!! そして、そのままぶっ飛んでいく!!



「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」



「ゼッバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」



ドガンッ!!


怪人が壁の激突!! そして!!


カッ!!


「「っ!?」」


ドゥオックァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!



 怪人は赤と青の光を発して、大爆発した。

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