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2章 31話 混成パーティ

外伝の方に、この世界にある元素魔法を全て載せました。

固有魔法やその他についてはまだ記載していきませんが、今後少しずつ外伝として出していきます。

良かったらそちらも読んでみてください。


中級者パーティ灰色の狼の報告から1日後、レイアム支部の魔術師ギルド,鍛冶ギルドより助っ人が冒険者ギルドを訪れていた。

冒険者ギルド内部では、その助っ人たちを冒険者たちが遠目に見ている。その助っ人たちは衆目を集めていた。

それもそのはず、その助っ人たちは人間の国にあって衆目を集めるべき姿をしているからだ。

魔術師ギルドから訪れて来たのはエルフの男女二人組。鍛冶ギルドから訪れて来たのはドワーフの二人組だ。

エルフの二人はオリーブ色のローブのフードを顔が見える程度にかぶっており、男のほうは人間を毛嫌いしているのがわかるほどに鋭い目つきで周りを威嚇している。女の方は反対に人間には全く興味がないようで、持っている本をずっと読んでいた。ドワーフ二人はエルフの男程ではないが人間と仲良くするつもりはないらしく、周りを寄せ付けない雰囲気を放っていた。

金属の重鎧で装備を固めており、一人は斧,もう一人はハンマーを武器として持っている。


「お前たちが魔術師ギルドと鍛冶ギルドからの助っ人か。」


そこに、今回助っ人を頼んだ冒険者ギルドのマスターが声を掛ける。

声に反応して4人がギルドマスターの方を向く。しかし、全員態度を改めることはなくギルドマスターに向ける態度も先ほどと全く同じものだった。


「ギルドマスターから手紙を預かってきている。」


エルフの男のほうが、冒険者ギルドのマスターを睨みつけながら、手紙を渡す。


「わしらも預かってきている。これだ。」


ドワーフ二人組からも手紙を冒険者ギルドのマスターが受け取った。

それぞれ手紙の封を開くと、書いてあることは同じ内容だった。

協力はする、だが益があるならそれを分けよ。

つまり、ダンジョンの探索に協力をするがもしそのダンジョンに各ギルドに益がありそうな物があるなら、それを自分たちのギルドにも分けろと言うのだ。


(忌々しいやつらよ・・。)


冒険者ギルドのマスターは手紙を読みながら歯を強く噛む。

そして読み終わった手紙を畳んでバッグにしまい込み、4人に視線を戻した。


「貴殿らの名前を聞こう。」


最初に名乗り出たのはエルフだった。


「マルク・ノルディーンだ。

 こっちは妹のリネーア・ノルディーン。

 魔術師としての腕前は期待してもらっていい。」


名前を聞いてギルドマスターが驚いた。エルフが名乗るファミリーネームは、集落名である。

ノルディーンは、約50年魔術師ギルドの本部のトップにい続けている、ギルドマスターと同郷の名前だったからだ。つまり、この二人はお墨付きと言うことである。そのような者たちを助っ人に寄越すと言うことは、先ほどの手紙の内容に更なる現実味を持たせるものだった。


「わしは、アンダーグランドエンパイアで元最高顧問をしていた

 現鍛冶ギルドのサブマスターの高弟であるネロだ。」


「同じくオルフェロじゃ。」


続いてドワーフの二人が自己紹介をする。

ドワーフの部族にはファミリーネームが存在しない。

その代わり、自分の身分を証明する人を紹介する。それがファミリーネームの代わりになるのだ。

そして、この二人はドワーフの帝国にて鍛冶の元最高顧問をしていた者の高弟だと言う話だ。

魔術師ギルド同様、こちらも今回のダンジョンに対して並々ならぬ協力をしてきているのがわかる。

それほどまでに、突然平地に現れたダンジョンに興味があると言うことで間違いない。


「貴殿らには、こちらが準備した冒険者パーティと共に

 ダンジョンを探索してもらう。即興のパーティだ。

 種族も違う。信頼等を育ててもらおうとは思わぬ。

 だが、貴殿らの知識をフル活動して協力してもらうぞ。」


ギルドマスターが威圧的に4人に向かって言うと、4人共当然とばかりに頷くだけで特に何も言い返すことなどなかった。


「では、紹介しよう。

 今回同行してもらう、冒険者パーティ灰色の狼だ。」


ギルドマスターが紹介すると、後ろに控えていた4人組が近づいた。


「灰色の狼のパーティリーダーのヨーゼフだ。

 よろしく頼む。」


リーダーのヨーゼフが挨拶をするが、エルフ,ドワーフの四人は、チラと見ただけで返事もしない。


「では、依頼内容を伝える。

 発生したダンジョンについて、出来る限り多くの情報を

 持ち帰って欲しい。ダンジョン内で手に入れた物は

 全て納品してもらう。以上だ。」


依頼内容を聞いてヨーゼフが驚く。


「それだけなのかい?

 成否の判定は?」


「ない。

 だが安心していい。おそらく、成否の判定は

 各ギルドからの者が判定するだろう。」


それだけ言うと、ギルドマスターはその場を去って行った。

こうして、人間4人,エルフ2人,ドワーフ2人と言うとても珍しい臨時パーティが出来上がった。


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