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1章 4話 ダンジョンの体をなすために

まだダンジョン作成フェイズです。ダンジョン開きは4日目を考えています


ダンジョンマスターとしては2日目。残存ポイントは41ポイント。

まだ部屋数は1部屋(ダンジョンマスターの部屋を除く)、外とは繋がっていない。


このダンジョンをダンジョンとして成立させようと考えると複数の部屋が必要だと思っている。

昔やっていたRPGでダンジョンだと思って入った場所がたった1部屋しかなく、宝箱はあったが薬草が入っていたとか、薬草が買えるかどうかのお金だけが入ってた、なんて言うただ時間潰しをさせられた場所もあった。

そのときの期待を裏切られたような気持ちを思い出し、俺のダンジョンはそのような場所であってはならない、とダンジョンを拡張することを決める。

ただ、どんなダンジョンにしろ宝箱が1つでもあるに越したことはない。

何もないダンジョンをわざわざ訪れるような冒険者はいないのだ。彼らにも生活があるからダンジョン探索には利益が絶対に必要になる。

残存ポイントがそれほどあるわけでもないので、今日は次の部屋を作成することにした。

作成する部屋は、最初の部屋(今後のために1階の1つ目の部屋と言うことで1-Aとする)と同じような岩肌の部屋だ。

 

「編集」


出てきたウィンドウから"部屋,通路作成"を選ぶ。

更にポップしたマップから、作成する部屋の大きさと位置を範囲指定する。

1-Aから10メートルほど離れた場所に、約10メートル四方の四角形の部屋を作成する。

1-Aと同じく岩肌が露出している壁、土の地面だ。

20メートル四方の大きさまでは15ポイントで固定らしい。

それを超えるような大きさや、地面に傾斜がついていたり、壁が異なったりするともっと必要になる。壁や地面については、ベースとなる岩肌の露出したものや土の地面はポイントがかからない。

壁に鉄鉱脈も設定できるみたいだが、これはプラス100ポイントもかかる。

設定し終わると、マップに部屋が浮かび上がった。今後、2つ目の部屋以降をB,C,Dと呼ぶことにした。残りは26ポイントだ。


次は1-Bに繋がる通路の作成だ。大人二人が並んで通れる幅にすれば通路っぽいだろうかなどと考えながら作成する。

部屋の作成と同様の手順で通路を作成する。通路の壁や地面は部屋と合わせたものにした。統一感は大事だ。

通路に5ポイントかかるらしいが、こっちは部屋と違いどんな大きさにしても5ポイントしかかからないみたいだ

ポップしたマップに1-Aと1-Bを繋げるように範囲指定しようとすると、直線でしか繋げなかった。L字型に通路を作成するときは2回通路を作成する必要があって2倍の10ポイントかかる。

真っすぐな通路を作成し終えると、1-Aの部屋の壁に穴が開き、通路が出現した。残り21ポイント。


出現した通路は、すでにヒカリゴケによって薄明るく照らされている。

ヒカリゴケは岩肌に勝手に生えているみたいだ。


そのまま通路を通って1-Bに移動し、1-Bの右奥に宝箱をセットする。

編集のアイテム作成で宝箱を選ぶ。

宝箱には、最下級,下級,中級,上級,特級があり、最下級以外はポイントが足りずグレー色に塗りつぶされていた。最下級の宝箱は10ポイントを必要とし、下級は50ポイント。中級はなんと一気に増えて500ポイント必要らしい。宝箱の装丁も等級に伴い豪華になっていく。

最下級の宝箱を選ぶと、中に自動生成されるアイテムの一覧が見えた。

最下級ポーションと10枚以下の銅貨がランダムで発生するようだ。

自動生成されるアイテムのリポップ時間も決めることができた。

リポップ時間はデフォルトが10日で、5日に減らすとプラス3ポイント必要で、2日にするとプラス5ポイント、1日にするにはプラス10ポイントが必要だった。

冒険者には毎日来てほしいのでリポップは1日にした。これでポイントは夜のクッキー用に1だけ残る。

最下級の宝箱はただ木で作られた箱の様で、塗装などもされていない。開けてみると、中には手の平に収まるくらいの液体が入った半透明な袋(口を蔦で縛った物)と、人差し指の第一関節くらいの大きさで、楕円形の銅のコインが8枚入っていた。先ほどのリポップアイテムの説明から、この銅のコインは銅貨だろうことがわかる。


「しかし……この袋はなんだ?」


半透明な袋を手に取ってよく観察をすれば、袋状の植物の花を使った物だった。わずかながらいい香りがする。


「もしかして、これがポーションか」


現代でもポーションと言う物は売られていた。確か青い液体で装飾されたビンに入っていた。

あのポーションは中の液体よりビンのほうが高くついている気がする。

こ世界ではあのような透明で装飾されているビンが安価で作れることはありえない。とすれば最下級ポーションの入れ物は安易に手に入るものになるに決まっている。それがこの形なのだろう。

ポーションを箱に戻し次に銅貨を手に取ってみる。この世界で使われている銅貨なのだろう。よく見てみると銅貨は少しだけ変形していた。

薄く作られているから踏んだりすれば曲がる程度の強度なのだろう。

 

「この銅貨ってどれほどの価値なんだろう。

 少しだけ持っておくか。何かの役に立つかもしれない。」


入っていた銅貨8枚の内3枚だけ手にし、残りを宝箱に戻した。

宝箱を閉じて床に置くと宝箱の置いた床が少しだけ光る。持ち上げようとしてみたが持ち上がらない。地面に固定されていた。宝箱ごと外に持ち出されないための防止策なんだろう。


ポイントも残り1ポイントになり今日できることがなくなってしまった。

気づけば眠気もあるためダンジョンマスターの部屋に戻り寝ることにする。

 

「転移」


部屋に戻るとベッドに腰かける。不味いクッキーを片手にエネルギーを摂取する。

もうこれでは食事とは言えない。摂取を終えてベッドに潜り込み瞼を閉じる。 


「豚肉の生姜焼きと白米と味噌汁が食べたいな……」


現代で好物だった食べ物を思い浮かべながら、俺は意識を手放した。



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