表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/116

1章 43話 訓練と演習

着々と準備を整えつつあるダンジョン陣営。

騎士達の動きはまだ不明です。


翌朝、テーブルの前で朝食を摂った。

メニューはいつもと同じ、上小麦のパンとミルクスープに水。

朝、夜と毎回同じものを食べていてもそれほど飽きは来ない。

もっと美味しくない食事を毎日食べなければならない苦痛を知っているからだと思う。

朝食を食べ終わり、現時点で残りのポイントは364になった。

昨日の残りが102、そこから夕食で23使用し、今朝300補充。そして、朝食を食べて15使用。


1-Dの部屋に移動すると、今日もキングとリーダーが俺を待っていた。

2匹とも本当に律儀だよなと思う。

早速召喚を始めることを伝える。まず召喚するのはコボルト10匹だ。これで、予定していたコボルトは全て召喚したことになる。

100ポイント使用したので残りは264ポイントだ。


召喚したコボルトにリーダーが近寄り、各隊の編成を始めた。

1隊目は、1-A~1-Cを巡回する隊だ。アーチャー2、コボルト4で構成されている。

次に、落とし穴に隠れる隊。これは、危機に陥った騎士達に奥の手を使わせる必要があるため、少し多いアーチャー2、コボルト6である。

最後に、1-Dで騎士達を迎え撃つリーダーの隊だ。

この隊は、リーダー,アーチャー4,コボルト10で構成されていて、当然一番数が多い。

コボルトは各隊に分かれて行くと、リーダーの合図で訓練を始めた。


オーガキングがそれを羨ましそうに見つめる。

流石にキングの訓練が何もできない状態はよくないので、残りのポイントで召喚できるだけオーガウォリアを召喚することを決めた。オーガウォリアを4体召喚することで使用するポイントは160で、それでもまだ104残るため問題ない。


光の中からオーガウォリアが現れた。

オーガウォリアは、流石にオーガキングの様に3mの大きさがあるわけではなかったが、それでも2m半を超える大きさを有している。

肩パットはないが前掛けのような金属の鎧も身に着けていて、非常に強そうであることがわかる。武器も少し大振りのバスタードソードで、キングと比べてしまうと小さい剣を扱っているように見えるが、俺ではとても持てない重さだ。

そんな屈強なオーガウォリアが4体と、キングが1体並んでいる姿はなかなかのものだ。


オーガウォリアを召喚した時、キングはとても大喜びをしていた。

ポイントが足りないとわかっていても、眷属が全くいない状態と言うのは思うところがあったのだろう。

ウォリアに近づくと、コボルト達が訓練している場所とは反対側に陣取り、剣の打ち合いを始めた。

基本的にオーガキングとオーガウォリアが打ち合う形である。打ち負けたら次のオーガウォリアと交代と言う形式だ。

オーガ達の剣技は力任せのもので、フェイントや技と言ったような洗練されたものは一切感じられない。

ただ、その力任せの剣撃の1つ1つが即死に値するような威力のものであり、見ているだけで背筋にぞくっと悪寒が走るのを感じる。


ある程度訓練も進んだところで、実際に騎士たちが来たと仮定した訓練を提案する。つまりリハーサルだ。リーダーもキングも了承したので、まずはキング達が騎士役と言う体で、1-Cからの通路から出てくるところから始める。

落とし穴の伏兵隊は落とし穴に入り込み、巡回用の1隊は騎士たちの分隊として扱うことにした。


キング達が1-Dに入ってくると、リーダーの隊にいるアーチャーが矢を射かける。放たれた矢の内の何本かがオーガ達に突き刺さるが、部位欠損でなければダンジョン内にいればある程度回復するとのことで、オーガ達に関してはケガを厭わない訓練が可能だった。

前回の騎士達の作戦と同じように、キングとウォリアがコボルトリーダーの隊に向かって立ちはだかるように、壁を作って戦いを開始する。

流石にコボルト相手では殺してしまいかねないため、オーガ達には手を抜くように伝えている。

その後サポート役の分隊が入ってきて、リーダーの隊との人数差を埋めるために空いた箇所に入ると、タイミングを見計らってリーダーが甲高い鳴き声を上げた。

ピィィィィィィイと言う鳴き声に呼応して、落とし穴からコボルト達が飛び出してくる。


今回はオーガ達の強襲と言った奥の手まではできないので、この時点で終了を促すことにした。

実際の騎士達はもっと連携の練度が高いはずだが、リハーサルをやった限りでは作戦はなかなか満足がいくものだった。


訓練が終わるとキングが近づいてくる。

少し戦いによる興奮のためか、肩が上下している。


「大将」


興奮している状態の3m超えのオーガキングに近づかれると、襲ってこないとわかっていても若干の不安を感じる。


「ラットをまた追加で召喚してくれないか」


顔が急に笑顔に変わった。

またも同時に腹が大きく音を立てている。かなり運動したたために腹を空かせたらしい。

俺も訓練や演習に見入って全く気付かなかったが、かなりの時間が過ぎていたらしい。

オーガウォリアも増えたため、ラットを追加で20匹召喚する。

これで20使用し、残りは84ポイントだ。

召喚されたラットはオーガ達が捕まえていく。


この日はとても有意義に過ごせた。ダンジョンマスターの部屋に戻り、この日を気持ちよく終えることにした。


次回! 次回……お楽しみに!(何が言いたい)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ