1章 18話 撃退
冒険者パーティとの戦いになります。
この世界の冒険者はゴブリンの知能がそれほど高くないため、基本的にたかがゴブリンと侮っています。(ゴブリンロードだとしても)
そう思いながら読んで頂けるといいと思います。
結局、昨日は考えすぎてなかなか眠れなかったので、今朝は睡眠不足だった。
眠い目をこすりながらアイテム作成でライ麦パンと水を作る。手に取って食べながらこの間シスが言ったことを思い出す。俺はこのパンと水を当然食事として見ているし、実際腹も膨れているのは事実なのだが、魔素からできているため食べた分だけ魔力として蓄えられるという……結局摂取なのか、などと考えてしまう。
食事を終え、1-Bに転移をするとそこにはロード達がすでにいた。
「ロード、早いね。もう待ってたんだ?」
「こっちはここで寝泊まりしてるようなもんですからね」
言われてみればそうだ。ロードたちには寝る場所がない。本当は寝る場所が欲しかったのに、ポイントが足りないことを知ってて今まで言わないでくれたのかもしれない。
「寝場所を作れなくて悪かったね。
これが終わったら専用に部屋を1つ作るよ」
「それは願ってもないことで。とりあえず、
今日のためにやらなければならないことを
先にしましょうや」
ロードが部屋の作成を促してきたので、早速1-Bの奥側の壁でかつ宝箱がない方に部屋と通路の作成を始めた。
部屋は、奥行き10m、長さ20mの岩肌作りだ。通路はそこに繋がる大人二人分が通れる幅で長さは5m程の物を作る。昨日の時点で61ポイントだったので、これで残り39ポイント。
壁の一部が消えて、通路が出来上がったのを見てから俺たちは仮に1-Cと呼ぶ部屋に歩き出した。
「後は、この部屋の入口に落とし穴を作れば完璧でさあ」
ロードがそう言って、通路から1m程離れた場所を示すのでそこに向かって罠を設置する。
落とし穴の深さは50cmにした。深い落とし穴と言うのは捕らえるために作るものであって、戦いにおいて有用にするためにはそれほどの深さは必要ない。
落とし穴は自動的に再生するものでなければ、2mまでの深さであれば10ポイントだった。残りは29ポイント。
そして全てが完成したと思ったときにロードから声をかけられた。
「旦那。最後にもう一度確認させてもらいやすぜ。
今回ダンジョンに訪れる冒険者はどうするんでさ。
生きて捕まえるのかい?それとも殺すんで?」
ロードが聞いてきた話を受けて、俺は俯かざるを得なかった。昨日は考えに考えたが結論が出せなかった。今もなお完全に決めきれていないのだ。
それを見て若干呆れるようにしてロードが言った。
「旦那……俺たちは旦那に召喚された身だし、
元よりこの命は旦那のためにあるものもんでさ。
命は惜しくねえ。しかし、旦那にちゃんとした知人が
できた時にその知人にも同じことをさせるんですかい?
命を賭けさせるんで?きつく言うようですが、
旦那が殺すわけじゃない。俺らが殺すんだ。
今回旦那は決めかねているようでやすから、
俺らに任せてもらいやすよ?」
ロードにそこまで言われて、俺は頷くしかなかった。
ダンジョンマスターとして本当に不甲斐ない、そう思う。しかし、この気持ちを捨てられないことが現代人の証であると、そう思いたかった。
「さ、旦那は部屋に戻ってください。
ここもいつ危険になるかわかりやせん。
後は俺たちに任せてくだせえ」
そうロードに言ってもらったところで、俺はダンジョンマスターの部屋に戻った。
村からダンジョンへ向かう姿があった。調査依頼を出された冒険者と、その監視役の職員一人である。
「なあなあ職員のお姉ちゃんよ。いいじゃねえか。
この依頼が終わったら俺らと飲もうぜ。
労ってくれるくらいは良いだろうよ?」
このパーティのリーダーであるデールと言うレンジャーが職員を口説いていた。職員は表情を一切変えずに言う。
「報酬が出ますからその必要はありませんよね」
相手の話に耳を傾ける気が全くない。
「俺たちはこの依頼が終われば晴れてこの村唯一の
中級冒険者だ。ギルドとしても優遇しないとだろ?
他の村にいっちまうぞ?」
「あなたたちが他の村に行くのを止める判断は
私にはありません。依頼が終わった後に
ギルドマスターにでも言って下さい」
またしても軽くあしらわれてしまったことに、レンジャーがチッと舌打ちをする。
職員としても、このような誠意の欠片も善意の要素もないような冒険者と一晩を過ごすわけにはいかないのだ。
「デール、嫌われたな! ガハハハ!」
そこで上半身に革のベストのみを羽織った長身の男戦士から茶々が入った。
男は背中に両手斧を背負っている。
「うるせえ、フルダー。
てめえは娼婦だけ買ってりゃいいんだよ!」
茶々を言われたことに腹立ってデールが言い返す。そんなやり取りを見て後ろにいる女魔法使いのエマがため息をつく。
女魔法使いは赤く背中まで達する長い髪の毛の持ち主で、ローブも良いものを着ている。
「あんたらねえ、もうちょっと上品とは言わないけど、
なんとかならないのかい」
「俺らはお前と違って生まれもよくねえからよ!
なあ、ゴンドリー。お前も何か言ってやれ!」
デールがそう言って4人目の冒険者に顔を向ける。ゴンドリーと言い、背中に弓を担いでいた。しかし、腰にショートソードも刺していて左手にはガーダーを取り付けている。レンジャーだけでなく戦士としても役に立ちそうだ。
そのゴンドリーは話しかけられていながらも、返事をすることなく小さく首を横に振るだけだった。
「ちっ。相変わらず陰湿なやつだぜ」
話しかけておいて反応がなかったことに、デールはとても嫌そうな顔をしていた。
しかし、ゴンドリーに対して陰湿だと思っているのは三人ともだったようで、同様に他の二人も嫌そうな顔をしていた。そこでギルド職員が声をかける。
「そろそろダンジョンに着きます。準備をしてください」
目の前にダンジョンが見えてきたのだ。先頭を歩いていた職員が冒険者たちの方を振り返ると、デールが少し前に出て口を開いた。
「まず俺たちがダンジョンの中を調査してくる。
モンスターを全て片付けたら外に戻ってくるからよ。
そしたら、あんたも一緒に中に入れ」
デールがそう言うと職員が頷く。職員が横に移動すると、デールたちはダンジョンの入口に向かって歩いて行った。
「このダンジョンの調査終えたら……あの職員を犯るぞ」
デールがメンバーに小声で言う。
「あたいもあの女はいけ好かないね。
いつものように口裏は合わせるからやっちないなよ」
女魔法使いがデールの話に乗る。実はこの女魔法使いは当初は癒し手として訓練を積んでいたのだが、思うように成長できず聖魔法10位層のヒールしか覚えられなかった。だから魔法使いに鞍替えしたのだ。ヒールしか覚えられなかったのはその性格の悪さにあると村の誰もが陰口をたたいていた。
「エマは若い女が嫌いだからな!」
フルダーがガハハと笑う。女職員から離れたところでの会話は、フルダーの笑い声しか聞こえなかったはずだ。
「よし、お前ら。
いつもの通り、俺,フルダー,エマ,ゴンドリーの順で
ダンジョンに突入するぞ」
気を取り直してデールがそう言い、エマがライトの魔法を唱えた後にダンジョンに入っていくのだった。
ギルド職員は冒険者たちを見送った後、近くの木陰に腰を下ろした。
鞄から冒険者ギルド内の書類を取り出し目を通す。
これは今回の依頼とは関係ない別の仕事の書類だ。
「……しかし、この仕事の書類を読むのも
無駄になるかもしれませんね。
もし彼らが調査に成功したら私は
ダンジョン内で殺されてしまうかも……」
書類から目を離してダンジョンの方を見ながらそう呟く。
彼らが全滅することを望んだほうが事実彼女にとって安全だ。
しかし、村としてはそれが幸せなのかどうかわからない。彼女は再度書類に目を戻した。
その後一時間しても冒険者は戻って来なかった。念のため2時間半まで待ったがそれでも冒険者たちは戻ってこなかった。
彼女は村に向かって小走りで戻った。この事実は早くギルドに伝えなければならない。自分の命が助かった事実等どうでもいい。村が危ない可能性があるのだ。
ダンジョンの中に突入した冒険者たちは、少しずつ進んでいた。まだ最初の部屋に差し掛かっておらず、通路の途中であったがダンジョン内にはわずかなヒカリゴケしかなく、エマのライト頼りだったのだ。
少し進んで一度止まると、ライトの向けられた先にゴブリンがいた。
デールたちはすかさず構える。
「エマ、他にゴブリンがいないか周りを見るんだ!」
エマはライトで周りを照らすと、他にもう1匹のゴブリンがいるのを確認できた。
ゴブリンは2匹とも明かりに気付き、地面の何かを掴んで投げてきた。
最初石を投げてきたのかと思ったが、投げられたものは途中で割れた。
割れた小さな破片が体に当たるとべちゃっとした音がした。どうやら泥の塊を投げてきたらしい。途中で崩れて割れたようだった。
「何これ! 臭い!」
後衛から発狂したような声が聞こえた。エマの声だ。
エマは顔に当たりそうな泥を腕でかばったらしく、泥が腕に付着したらしい。
その泥に対して言っていたのだ。
デールの体に付着したその泥を嗅ぐと臭かった。泥に糞尿を混ぜたものを投げつけてきたみたいだ。
デールがゴブリンを睨むと、ゴブリンはニヤァと笑っていた。その顔を見たせいで更に怒りがこみ上げる。
デール,フルダーとゴンドリーは怒りの感情のままにゴブリンに向かったが、数歩踏み出してから地面がぬかるんでいることに気付いた。すごく歩きにくい。また、地面に凸凹があり駆けるのには向いていない。
「殺す! ファイアボール!」
デール達がゴブリンにたどり着く前に、怒りを露わにしたエマがファイアボールの魔法をゴブリンに向けて唱えていた。エマの前に直径20cm程の炎の玉が練り上り、杖をゴブリンに向けて振るとゴブリンに向かって発射された。
かなりの速度があり、ゴブリンは炎の玉に反応できずに顔に受けた。
炎の玉はゴブリンに当たると小爆発を起こした。
デール達がまだゴブリンにたどり着けないでいると、ゴブリンは泥の塊をもう1つ手に持ち、デールに走って近づいて来るとジャンプして体全体でぶつかってきた。
デールはそれに対しナイフをゴブリンに突き込んだ。ゴブリンはナイフから身をは守ることもせずに、手に持った泥をデールにぶつけることだけをしてきた。
よってゴブリンはデールのナイフを受けて絶命することになった。ただ、デールは泥を首に当てられてしまった。
死の際にゴブリンがまたもやニヤァと笑ったのを見て、デールは頭に血が上ってゴブリンの死体を蹴ったりナイフを再度突き込んだりし始めた。
「くそ! ゴブリンごときがなめやがって!」
デール達はゴブリンが出ると言うこのダンジョンの情報を事前に聞いていた。
過去に何度も倒したこともあって、ゴブリンごときとなめ切っていたのだ。このゴブリンたちの裏にはサトルやロードの暗躍があるわけだが、それを知らないデールは下級モンスターのゴブリンにしてやられたことに激しく腹を立てていた。
「おい、デールのやつがこの間冒険者を
殺った時より怒ってるぞ!」
フルダーが場もわきまえずにデールを指さし大笑いをした。20日ほど前に殺した冒険者たちとのことを比較対象にして笑われたデールは余計に腹を立てていた。
「てめえ!何もしなかったくせに笑ってんじゃねえ。
この木偶の坊が!」
「カッカッカ。言っとけ言っとけ。
お前の無様な姿なんてあんまり見られないからな!」
フルダーに言い返したが更に言い負かされてしまう。
罰も悪くなり黙って次の部屋に進むことになった。
次の部屋に向かう途中も、ぬかるみや地面の凸凹で歩きにくさを覚えて、メンバーは非常に嫌な思いをしていた。ただ、特に頭にきていたのはデールとエマの二人だろう。フルダーとゴンドリーはゴブリンから何もされてなかったこともあり、気持ち的にはまだ気楽だった。
この部屋にもう何もいないことを見てから、デールたちは次の部屋に向かった。
足場の悪さもあることから、移動速度は歩くよりはるかに遅い。
通路を通っていると奥が広くなっていて次の部屋があることがわかった。次の部屋に出る前に、デールはエマに指示を出してライトを部屋に向けさせた。
入口辺りに何も見えないため、そのままゆっくり進む。ライトはそのまま部屋の奥を向けさせている。
入口に差し掛かってもまだ何も見えない。特に音もしていないため、何かがいるとは思えない。エマに言ってライトを周りに向けさせる。
この部屋では、地面のところどころに木が刺さっている。何のためにこんなことになっているのかわからないが薄気味悪い。何度かライトで周りを照らしてもらったが、モンスターがいないことを確認すると、見つけた宝箱の方に向かって移動を始めた。
すると、後ろのほうからガササッと音がした。エマの近くだ。
「キャアアァ!!」
二人が振り返ると、エマは泥だらけのゴブリンに馬乗りにされていた。
今度は泥を顔にぶつけられたらしい。
後ろにいたゴンドリーがエマに馬乗りしていたゴブリンの首にに向かってショートソードを振るう。ゴブリンの首から激しく血が飛散してエマの顔と服が血で染まり、更に叫びだす。
「フルダー! 周りを見ろ。
他にもいるぞ!」
デールがそう言うと、フルダーの近くにも1匹いた。フルダーは両手で持った斧をゴブリンに向けて大きく振るおうと踏み出したが、踏み出す足の位置が悪かったのか滑って空振りしてしまい、バランスを崩して尻もちをついてしまった。そこにゴブリンが駆け寄る。
「ちっ。何やってんだよ!」
デールがフルダーに向かっていくゴブリンに後ろから短剣を突き刺した。
その間に上に乗ったゴブリンをどかして立ち上がったエマが発狂する。
「殺す! 殺すぅぅぅ!」
ゴブリンはもう1匹いてデールの前からやってきていた。そこに向かってファイアボールを放つ。エマはファイアボールを発撃つことができる。普段は温存していることもあってあまり撃たないのだが、理性的でないこともあって無駄うちしてしまう。
ゴブリンも足場のせいで動きが悪く、またもやファイアボールを避けられずに腹に当たるとファイアボールが爆発して絶命した。
たった5匹のゴブリンに自分たちのパーティが言いようにやられて、デールは発狂しそうになった。しかし、そこは冒険者のリーダーとして何とか抑える。このように感情を抑制できないほどに高ぶらせてしまっては斥候役もうまく行かない。
仕方ないが、パーティの順番を変えることにした。
「ゴンドリー! てめえ、先頭に出ろ!」
いつも最後尾のゴンドリーに先頭を歩かせ、自身は元ゴンドリーの位置であった最後尾に行く。
この中でもっともゴブリンの被害を受けていないゴンドリーのほうが冷静に動けるとデールは判断した。
ゴンドリーに対するデールの判断は正しかったのだが、間違っていたのはゴンドリー以外のメンバーがどうしようもなくなっていたことだった。
ゴンドリーが無言で先頭に行くと、エマは小声で「殺す……殺す……」と呟いており、フルダーはゴブリンに攻撃を与えらなかったことでプライドが刺激され、興奮してハァハァと息を荒くしている。一番後ろにいるデールも怒りを抑えられずに露わにするほどだ。
ゴンドリーは先頭に立つと宝箱に向かった。他のメンバーは周りを警戒している。
宝箱を開けると、何もなかった。そのことにまたデールが舌打ちをする。
ここまで来るとおそらくどんなことがあっても感情的にいい方向には働かないだろう。調査を終えて早く帰ることだけが唯一の道なのだ。
ゴンドリーはそれを理解し、次の部屋に向かう通路に向かって歩き出した。
通路に近づくと、今までとは違いヒカリゴケがしっかり生えているのがわかる。
また、通路自体は足場もいい。なぜ急に変わったのかはわからないが、歩き易くなったので不思議に思った気持ちはどこかに行ってしまった。
そのまま通路の終わりまで歩くと、エマが向けたライトの先にゴブリンロードとシャーマンがいるのが見えた。
「ゴブリンだ!」
普段あまり喋らないゴンドリーがそう言うと、発狂したエマが魔法を唱えだした。
「殺す! ファイアボール! ファイアボール!」
前にゴンドリーがいることも構わず、視界に見える2匹のゴブリンに向けてファイボールを唱える。
感情の抑制ができていないため、唱えたファイアボールもまっすぐ飛ばずに壁に当たったりしている。
「落ち着け! エマ!」
デールがエマを止めに入るが、彼女の耳には声が届かないらしく詠唱をやめない。
地面や壁が爆発したことで少し煙がたち、視界が悪くなった。そこに、フルダーが突撃をしだした。
「うがあああああああ!!」
興奮していたところに、合図もなくファイアボールを撃たれて先走ってしまったようだ。
仕方なくデールがフルダーを追って駆け出すと、先に行ったフルダーのうめき声が聞こえた。
「ぐあぁっ!」
煙の先に出ると、そこには槍で串刺しされたフルダーがいた。ヒザくらいの高さの落とし穴にはまったところをやられたようだった。周りには槍の持ち主であろうゴブリンランサーが数匹。フルダーは痙攣していて、絶命まで時間がないとわかる。
足をそこで止めてしまったデールに向かって、ゴブリンロードが駆けてきた。
過去にゴブリンロードを1対1で倒したことも数あるが、今の様に混乱の中での戦いであれば別である。デールはうまく集中できずにゴブリンロードの攻撃に対し受け身一辺倒になっていた。
隙を見て後ろに飛んだところに、今度はゴブリンシャーマンが唱えたファイアボールが飛んできた。エマとは違い、炎の玉は直径10cmほどしかなかったが威力は十分だ。
デールはなんとか体を捻って避けようとしたが、完全には避け切れず肩に受けてしまった。爆発によって吹き飛ばされ、地面に仰向けに倒れる。
起き上がろうにも体が痛くてすぐに起き上がれない。その状態のデールにゴブリンロードがジャンプして剣を突き立ててきた。その剣はデールの胸に吸い込まれるように突き刺され、デールは血を吐き出す。
「ぐはっ……くそが……」
それだけ言うと、デールは動かなくなった。
ゴブリンロードはデールの絶命を確認すると、後方に残っている冒険者に向かって駆け出した。
まだ消えない通路入口の爆発の煙の向こうには倒れた女魔法使いがいた。
魔力切れを起こして気絶したようだ。ゴブリンロードはその首に向かって剣を横に引いた。首からは血が流れる。
その後、煙の中に向かって歩くとそこには動かない冒険者がもう一人いた。
最初のファイアボールの乱発が当たってしまったのかもしれない。念のため、旨に剣を突き刺すと、勝利の雄たけびを上げた。
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
ウオオオオオオオオオオ!」
ゴブリンロードの雄たけびに吊られる様に、ランサーやシャーマンも雄たけびを挙げた。
「「ウオオオオオオオオオオオオ!!!!」」
俺達は冒険者を完全に撃退した。
次回レベル3です。これでやれることが増える!




