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2章 52話 鍛冶ギルドの悩み4

今回の話で2章が終わります。

次回から3章に突入です。


「気のせいじゃないよな……今日はドワーフが

 何人かギルドに来てる」


冒険者ギルドの職員が、ギルド内を見渡して言った。


「冒険者のパーティに加わりたいみたいなのよ。

 しかもなんかすごいやる気まんまんなの。

 パーティに入れてくれたら、武器防具の補修までする

 なんて言うドワーフもいるくらいよ」


今日は雨が降るんじゃないか、そんな風に思いながら冒険者ギルド員たちが集まって話をしていた。

ドワーフ達がギルドに来ているのは、シスが考えた計画が成り立っていたからだった。

カラーゴールドを作るためには、どうしても銀や銅が必要になる。しかも、普通の鉱石から作る銀や銅より純度が高いダンジョン産のものがだ。

巧みすぎる計画だ。今のところこの計画には誰も気づいていない。この計画が成り立ってしまえば全ての人がウィンウィンになれる最高の計画なのであるから、喜んで引っかかってもらいたいものである。。


「なあ、あんた。パーティ募集してるってほんとか?」


ドワーフの内の一人に話しかけたパーティがあった。中の下級に位置するパーティだ。前衛2人に魔術師が1人の3人構成。


「してるぞい。

 ってなんじゃお前ら。装備の手入れを全くしとらんじゃろ。

 ちょっと見せてみい」


腰に下げていた剣、背中に掛けていた弓をそれぞれドワーフに見せると、ドワーフはあまりのひどさにあきれていた。


「これでよく冒険者なんて言えたもんじゃな……。

 この剣は……ヒビがひどい。まあ、一度火を入れてヒビの入った部位を

 溶かせば後少しは使えるじゃろ。

 こちらの弓は、補強したほうがよいな。

 流石にここでは修理もできんのう」


ドワーフが言わんとしてることは修理してやるから自分を仲間に入れろ、だ。直接言わないが、仲間に入れると言う言葉を相手から引き出そうとしている。

冒険者達はその誘いに引っかかった。と言うか、引っかかるつもりで最初から声をかけていた。


「頼むよ! もちろん仲間に入れる。

 と言うか、例のダンジョンに行くつもりだったんだが、

 獲物がこれじゃあ行けやしなかったんだ。

 報酬も、そっちが多めでいい」


ドワーフは思いもよらなかった言葉にニヤリとした。


「おお、ならば……そうじゃな。

 次のダンジョンでの分け前は、わしが半分もらうと

 言うことでどうじゃ」


ダンジョンで手に入れたものが10あったとして、半分の5をドワーフが、残りの5を三人で分けると言う形だ。

はっきり言ってぼったくりな設定ではあるが、無料で武器の修理をしてもらえることに比べれば安い。

だから冒険者達は了承した。

しかし、一人だけ納得が行かないものがいる。


「あなたたち、ちょっと待ちなさい!

 私が修理しろと何回言っても聞かなかったからこうなったのよ?

 いい? 分け前は、ドワーフさんが5、私が3、あんたたちが

 1ずつだから」


メンバーの魔術師だった。

魔術師の武器は杖だ、杖で殴ることは基本的にないからそれほど痛んでもいない。

よって、パーティの仲間のために今回のことを仕方なく了承はしたが、残りの半分を3人で割ることに関しては納得していなかったのだ。


「ぐっ……仕方ねえ。次からはちゃんと修理に出すからよ」


あまりに申し訳なくて、戦士が下を向く。


「どうじゃろう。もし、もしじゃ。

 今回の冒険が上手く行ったら、わしを定期的に仲間に入れんか?

 修理くらいなら格安でやってやるわい」


更に追加の要望をドワーフがする。

ここで、定期的なメンバーを手に入れることができれば、ほぼ一生鉱石には困らなくて済む。


「まじか。って言うか、いいのか?!

 願ってもないぜ」


ドワーフと言う種族は力持ちでも有名だ。戦闘も得意で、荷物も一般の人間より多く持てる。

ダンジョンの攻略は進むし、持ち帰れる荷物は増えるしでいいことしかなかったからだ。

冒険者達とドワーフの契約が成った。これを機に、じゃあ俺たちも! とドワーフに話しかける冒険者たちが増えた。




「盛況のようですね」


隣で一緒にウィンドウを見るシス。

あれから1週間も経たずに、ダンジョンのコボルトエリアに訪れる冒険者たちが増えた。

もちろん各パーティには必ず一人ドワーフがいる。

今回に関しては、ドワーフが鉱石の採掘に集中していても冒険者たちは決して咎めない。

むしろ喜んで無限に沸くコボルトの相手をしている。そうしている間にドワーフがピッケルを使って鉱石を掘るのだ。

ドワーフたちは鉱石を掘るのも上手だ。自分たちが使う側であるから、どのような形で採集したらいいのかもわかる。

コボルトエリアは、冒険者達でいっぱいになった。おかげで、ダンジョンポイントもがっぽがっぽ。先日の魔術師ギルドの件も相まって、レベルもかなり上がった。

そして、


「サトル様、レベルが10に上がりました」


俺のレベルが7から8,9と上がり、本日大台の10になった。


「今までに作れなかった大部屋が作れるようになり、

 大ボスの召喚ができるようになりました」


シスがレベル10で新たに実装した機能について教えてくれる。

大ボスと大部屋が同時に実装する意味とはなんだろう。それを聞くと、シスは答えてくれた。


「つまりですね。

 レイドシステムの実装です」


レイドシステムとは、現代のゲームでよく使われているシステム。複数パーティによるボスや群れの討伐だ。

俺のダンジョンでそれができるようになったのだ。なんだか楽しそうな予感に俺はワクワクを抑えきれなかった。


「よし、早速ダンジョンを拡張するぞ」


シスは、はい。と嬉しそうに俺に返して、ダンジョンマスターの部屋で二人で笑い合った。


この小説を読んで少しでも面白いと思って頂けた方、ブクマ,感想,評価,ブクマをよろしくお願いします。

また、別途連載中の「闇の女神教の立て直し」の方もよろしくお願い致します。

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