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元興寺界隈(がんごうじかいわい)

料理屋「狸穴 まみあな」の主人は。。

景戒という薬師寺の在家の僧侶。。

仏の教えを尊び。。

美味しいモノには目がない。。

そして。。

怪談を愛してやまない怪談収集家。。

その相棒は。。銀の鬼ガンゴゼ。。


料理屋「狸穴 まみあな」を巡って。。

僧侶と鬼。。神と仏。。

妖怪やら。。人間やら。。

悲喜交々を綴る物語。。。。

挿絵(By みてみん)


それはまだ。。

天子さまが。。京の都におられた頃。。


大和の国。。


南都七大寺 興福寺のお膝元。。

猿沢池のすぐそばに。。


昔々。。戦乱の世に焼け落ちた

元興寺という

大きなお寺がありました。。


焼け落ちたお寺の境内一帯に

人が。。だんだんと。。

住み着きまして。。


そのまま町になってしまったのが。。

元興寺界隈(がんごうじかいわい)。。

そう その辺りでは

呼ばれる町の始まりでした。。


猿沢池のほとりから。。

その界隈を南北に貫いて。。


伊勢神宮や長谷寺、高野山を目指す道。。

上つ(かみつみち)が通り。。


大和の国の

春日大社や東大寺詣で。。


はたまた。。

この道を通って。。


伊勢神宮などを目指す人々で

町は賑わっておりました。。


天領地でもある元興寺界隈は。。


商家が多く建ち並び。。

町の遊郭には。。

五十を超える花楼が。。

賑わいに花を添えておりました。。


猿沢池の南側には

川が流れて

橋がかかっておりまして。。


それは、元興寺界隈の北の端にあたり。。

町の上つ道の始まりの橋でした。。


猿沢池の端から

その橋を渡りきったところに。。


古びた燈籠(とうろう)を軒先にかかげる

「猯穴 まみあな」

という料理屋があります。。


昼間は。。

上つ道を通る参拝客相手の

茶店を営んでおり。。


日が落ちて。。

辺りが暗闇に包まれる頃。。


軒の古びた燈籠(とうろう)に灯が燈り。。

暖簾(のれん)がかけられます。。


その暖簾(のれん)には。。


二本足で立ち。。手に徳利。。

頭に編笠(あみがさ)。。


そんな(むじな)の絵が

染め上げられておりました。。


なんとも楽しげに笑う暖簾の(むじな)が。。


猯穴(まみあな)の客を

出迎えておりました。。
















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