20話 準備 ~竜沢弘樹のスキル~
<ギルマ、昨日もやったがもう一段、スキルを磨こう>
<問 畏まりました、旦那様。どの辺から手を付けましょうか?>
<そうだな、見立ての結果を外科医術に繋げて、創造魔術を駆使しながら組織の再生と患部への薬剤投与を直接行えるよう薬剤加工も同時に発動する、そんなアビリティを連携で作れないかな? 回復魔術、的なさ、そういうやつ。いずれは後天的な欠損部位なんかも再生してあげたいよねえ・・・。どう?>
<回答 ・・・>
<回答 ・・・>
<あれ? ギルマ?>
<回答 ・・・>
<回答 ・・・あ>
<ギルマ、どうした? 突然止まるから、何があったのかと・・・>
<回答 申し訳ございません、旦那様。実は、旦那様の先ほどの思考により、回復魔術が誕生しました。私には初めての出来事でしたので、少々混乱してしまいました。もちろん誕生と同時に、獲得にも成功しております。おめでとうございます、旦那様。この回復魔術が、今後どのような発展を遂げるのかは旦那様次第でございますが、そのお傍でこの目に出来るのは、技神冥利に尽きます>
<へ? 誕生しましたって、そんな事あるの? ってか、あるから起こってるのか・・・。うーむ、魔術、謎すぎる・・・>
<告知 回復魔術の獲得と先ほどの記憶転送によって、スキル:名医の派生アビリティとして、アビリティ・思考加速を獲得しております>
<おお、それも来たんだ、よかったよかった。トシも見せた甲斐があったと思うよ。あとはさあ、分析鑑定系のスキルが多いんだけど、それの統合って可能なの?>
<回答 そうですねえ、分析鑑定(薬草)、分析鑑定(鉱物)、分析鑑定(毒物)は連携させてみては如何でしょう。統合してしまいますと、もとのアビリティは失われますが、連携によるアビリティ創出であれば、その問題も発生致しません>
<お、いいねえ。じゃあ、そのまま連携進めちゃってよ>
<問 創出されるアビリティ名は、如何致しましょうか?>
<そうだなあ・・・、分析鑑定(効能)とかにしようか。連携の目的がそうだし>
<告知 畏まりました、旦那様。分析鑑定(薬草)、分析鑑定(鉱物)、並びに分析鑑定(毒物)を連携し、アビリティ創出を開始します>
<告知 ・・・>
<告知 新たなアビリティが創出されました。スキル:薬神からの派生アビリティ・分析鑑定(効能)としていつでも実行可能です。実行された場合、分析鑑定(薬草)、分析鑑定(鉱物)、並びに分析鑑定(毒物)を同時に実行します。効能判定の対象は初期値は人間に設定されております。他の種族に対する効能判定は、実行時に設定しください>
<おお、便利になったね。連携前のアビリティは個別に運用でいいか>
<問 旦那様、先ほどの思考加速の獲得に伴い、スキル:名医からスキル:神医への上位変成が可能となりました。変成を実行されますか?>
<ふへ? ああ、上位変成か。そうだな、やってくれ>
<告知 畏まりました、旦那様。これより、スキル:名医の上位変成を開始します>
<告知 ・・・>
<告知 ご主人様、変成が完了しました。スキル:名医はスキル:神医へ変成しました。これに伴い、派生アビリティ・病原耐性を獲得、派生アビリティ・病原抵抗は
病原耐性へ統合されました。派生アビリティ・病感感応を獲得しました。おめでとうございます、旦那様>
<その病感感応ってどういうアビリティ?>
<告知 患者の容態を旦那様自身の体で体感出来るアビリティです。容態の把握に劇的な効果があろうかと>
<うわ-、それって医者が欲しい能力のトップクラスだよ。スゲーの来たな、さすが神医だ>
<告知 旦那様、あとは、狩人見習の方にまだ手が着いておりませんが、如何致しましょうか?>
<これは・・・、どうなんだろう、解体基礎に見立てを連携させるくらいかなあ・・・、あとは独立しちゃってるよねー・・・。あ、弓術基礎に創造魔術連携させて、打つ度に矢を作れないかな?>
<回答 そうですね、解体基礎への見立ての連携はアビリティの創出で可能です。弓術基礎への創造魔術の連携は、旦那様の能力からすれば充分可能かと思われますが・・・、如何致しましょうか?>
<よし、連携だけは設定しておこう。両方ともアビリティ創出でやろうか。解体基礎への見立ての連携は精密解体基礎、にしよう。弓術基礎への創造魔術の連携は、そうだな・・・、無尽弓としよう>
<告知 畏まりました、旦那様。まずは最初のアビリティ創出から開始します>
<告知 ・・・>
<告知 新たなアビリティが創出されました。スキル:狩人基礎からの派生アビリティ・精密解体基礎としていつでも実行可能です。実行された場合、解体処置の精度が向上します。続けて次のアビリティの創出を開始します>
<告知 ・・・>
<告知 新たなアビリティが創出されました。スキル:狩人基礎からの派生アビリティ・無尽弓としていつでも実行可能です。実行された場合、弓を引く動作の直前に設定された矢が馬手に生成されます。初期値は飛距離の安定した通常の矢じりの矢です>
<ああ、そっか。矢のイメージは無限に応用可能、かあ・・・。これは使えそうだな。よし、今はここまででよしとしよう>
<告知 畏まりました、旦那様、お疲れさまでした>
<ギルマもお疲れ~>
20170426:弓手>馬手に変更しました。