アウェークニング
アウェークニング
真白な光があった
細い長いトンネルの向うに
死の直前に見るという光
生と死を分ける光
アウェークニング
本で読んで到達した世界
磨き上げられた鏡
見つめ返す老いた顔
その顔の後ろに輝く空の青さ
髪をかきあげる節ばった指先
アウェークニング
目で確かめた世界
今日何を見失ったのか
何が見えなかったのか
何が聞こえなかったのか
時間は目の前に迫る
アウェークニング
現実の世界
指先がかすかに触れた
心拍が習い始めのドラムのように不規則に打ち始め
悪寒のような震えが頭の上から爪先まで突き上げた
頭も体も長風呂をした後のように燃え
アウェークニング
恋に落ちた世界