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プロローグ2
ダンジョンマスターに選ばれたものが旅立ったあとに残った職員が姿を変えてゆく。
1人は狩衣を着た公家風の男、1人はギリシャ風のドレスを着た少女だ。
「これでよいかな?」
「ええ、とても助かりました。次の時もよろしくお願いいたします。」
「しかし、こんな手の込んだことをしなくてもよかったのではないかな?」
「魔素を消費するには効率が良いと考えたんですよ。もともと、家の主神がそちらのゲームを参考にして作った世界ですから。」
「まあいいか。次は勇者候補だっけ?」
「ええ、勇者といっても魂を洗浄したあとに成長率アップのスキルを付けておくだけど。」
「それは面白みがないね。」
「仕方ないわよ。こっちの科学知識をもっていかせる訳にはいかないわよ。ダンジョンマスターたちの記憶も一部封印してる位だもの。」
「なるほどね。そういう仕掛けか。さて、仕事に戻るかな。ああ、報酬忘れないでね。」
「ええ、後でダンジョンマスターたちの映像を送っておくわ。」
「了解、頼んだよ‼」