資本主義における2:8の組織の法則問題とゲーム文明の可能性
世界経済がいかにヤバイか語る
http://blog.livedoor.jp/kinisoku/archives/4209487.html
年収200万円以下の働く貧困層が1,100万人を超える
http://nnt-sokuhou.com/archives/40503999.html
株式会社参謀本部の基本理念を書きました
http://www.open.sh/entry/20141021/1413839573
株式会社参謀本部はブラック企業や中間搾取と戦い現代文明の変革を目指します
http://www.honbu.co.jp/archives/353
現在の資本主義が行き詰ってる原因は、資本主義で生まれる富の再分配の失敗から生まれるという話です。
資本家というか、富裕層に富が集中していって格差社会が生まれる。
富裕層はお金を使わないので需要の拡大には繋がらず、需要を産む消費したい層にはお金が回らないので需要は拡大せず、経済のパイが減少していくという悪循環が生まれる。
戦後の日本は自国の敗戦と復興需要、朝鮮戦争と特需が相まって生産が拡大し、それが中間層にも分配され、税収などの国家の富も田中角栄の日本列島改造論によって中央から地方にも分配される仕組みができた。
ところがバブル崩壊後は企業の内部保留ばかり増えて、労働者への分配率は低下の一途で、正規雇用→非正規雇用への転換で年収200万以下の層が1100万人までなってしまった。これは全労働者の人口の六分の一に及ぶ。
そういうことが世界的に進行して資本主義が行き詰ってる訳です。
中国などの安い賃金で働く労働者の利用も結局はこういう仕組みのひとつにすぎないわけです。
そこで、株式会社参謀本部の斉藤さんという方が「ゲーム文明」という資本主義の発展形の試みをしようとしています。
この利益の配分を労働者に対して拡大しようという理念ですが、仕事のゲーム化という試みもあります。
以前、僕がやっていた「ブラウザ三国志」という戦争ゲームがありまして、このゲームをプレイしていくと、やっぱり、2:8の組織の法則という問題が出てきます。
これはゲームの参加者の2割のプレイヤーの働きで、そのゲームの組織(=同盟とします)が回っていくという法則です。
後の8割のプレイヤーは、学校とか仕事の関係とかでゲームにあまりアクセスできない事情があったりして、2割のプレイヤーは自分達の努力で同盟が回ってるのに、8割のプレイヤーは全くだらしない!という不満が噴出することになります。
2割のプレイヤーはお金(重課金)も時間も(寝る間も惜しんで)投入してるのに、8割のプレイヤーは同盟の資源ボーナスなどの恩恵は受けてるのに、それに見合う働きをしていないように見える訳です。
事実そうなんですが、こういう不満を抱いた2割のプレイヤーは自分たちと同じレベルの精鋭を集めてさらに強い同盟を作ろうとします。
そして、学校とか仕事の関係とかでゲームにあまりアクセスできない残り8割のプレイヤーは「クエスト同盟」というゲーム内のクエスト(いろんなボーナスがもらえる)を消化する同盟をつくってまったりプレイをするようになります。ゲーム内の攻略すべき城や砦の覇権争いには関わらずに平和主義を貫きます。
当然、クエスト同盟に所属すると資源ボーナスのような報酬は低いので、精鋭の同盟に所属する2割のプレイヤーとはプレイレベルの格差は激しいです。
こういう二極化が起こるわけです。
これって、エリートサラリーマンや経営者、起業家、資本家と、ニートや非正規雇用の人々のような二極化に似ています。
つまり、ゲームの世界でも資本主義に見られるような格差社会が生まれてしまうのです。
格差が生まれないように多く富を分配するという思想は素晴らしいのですが、ゲーム文明であってもこういう問題は必ず生まれます。
格差が生まれることはどうしようもないし、格差が生まれたら、それが人の組織である限り資本主義社会のように行き詰まりが生まれてしまうのは必然です。
まあ、そこは齊藤さんの「頑張らない頑張り」に期待するしかないです。
こちらの記事の元京大出のニート(今は卒業)のphaさんの試みが参考になるかも。
太陽光発電と農業で自給自足、ついでに自分で家もリフォームしたい
http://sakazaki-dc.hatenablog.com/entry/2014/10/21/125131
KADOKAWA-dowango連合の川上量生さんのスタンス、会社、組織づくりも参考になりますね。たぶん。
川上量生の胸のうち
https://cakes.mu/series/3044