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第21回SFサバイバルゲーム  作者: 野川太郎
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狼青年とオタクたち

 宮本たち三人は敵に追われていた。

 敵が多すぎる。くそーやられる。

 三人は必死で走った。背中にシールドを構えながら。しかし、追っ手は容赦なく攻撃してくる。重たそうなガトリングキャノンをもった尾崎がはやくも息が苦しくなった。

 あと少しで学校に着いたのだが、敵に見つかってしまった。そのため、A地区から後退せざる終えなくなったのだ。しかも大量の敵から追われている。

 尾崎が走るスピードを遅めて体勢を変えた。そして、ガトリングキャノンを構えた。

「尾崎何やってんだよ」

 大和が叫んだ。

「このまま逃げてもどうせ追いつかれる。だったら戦った方がいい」

「ここで戦っても数に圧倒される」

「二人は頑張って逃げて」

「じゃあ俺も残る。宮本、お前だけ逃げろ」

「俺も残るしかないか。よし、ここが俺たち最後の陣だ。尾崎、お前は正面。大和、お前は俺と左方向の敵をやる」

「そうこなくちゃ」

 三人はコンクリートでできた平凡な道を陣にして、武器を構えた。

「よっしやーいくぜ」

 大和の声を筆頭に三人は敵と向かい合った。

 宮本と大和はシールドを前面に構えて敵に向かって走った。四人の敵は遠慮なくレーザー光線を打ってきたが、シールドに阻まれる。宮本は敵に向かって右手に持っているレーザーハンドを敵に向かって振り下ろした。しかし、敵も馬鹿じゃないのでそれを交わし、後ろに下がって銃を宮本に向けた。宮本は負けずに接近戦を仕掛けた。四人いる内の一人が宮本の左に回りこもうしているのを宮本は気づき、まっすぐ攻撃すると見せかけて左に回りこむ生徒に飛び掛った。その敵の生徒は慌てて攻撃したがシールドに阻まれてしまい、宮本に切りつけられた。それを見た敵の生徒は切りつけられるのを見計らって攻撃を仕掛けた。宮本はそれにも気がついたが、宮本から見て右方向からの攻撃だったのでシールドを使う前に体勢を倒してレーザー光線を避けた。しかし、体勢を倒したのでしりもちをついてしまい、動きが止まってしまった。これを見た敵の三人組は宮本を取り囲もうとしたが大和がそれを邪魔しようとレーザーハンドを振り回した。敵はそれを避けるために再び後ろに下がり、銃で攻撃してきた。

 あまり長くは持ちそうにない。ほとんどの敵は尾崎が抑えているため、二人は早くこの戦いの勝たなければいけない。

 このままじゃ尾崎がやられるかもしれない。連射できるからって、一人だからな。

 すると、別方向からレーザー光線が飛んできて、二人組の内の一人を倒した。それに気がついた一人は顔をそちらに向いた。それを見た宮本はその隙を突いて一人を切りつけた。

 一体誰が援護してくれたんだ。レーザー光線の方向では尾崎ではない。

 宮本と大和はレーザー光線が飛んできた方向に目を向けると、そこに立っていたのはさきほどまで噂をしていた哀川だった。

「哀川、何でお前が?」

 大和は哀川を見て複雑な表情をしていた。

「それより、尾崎を助けないと」

 疲れが溜まっていたので実施には早歩きであったが。宮本と大和は元の場所に戻ると、尾崎が道の角から頑張って敵を抑えていたが、尾崎の向こう側にはたくさんの敵が集まっていた。

「尾崎、大丈夫か」

 大和が大声で叫んだんで

「そんなに大きな声を出さなくても、俺は生きてるよ」

 尾崎は笑いながらも真剣な顔に戻って攻撃していた。

「そんなに戦いたいの。君たち」

 後ろから哀川が言った。

「当然だろ、戦いなんだから」

 大和が興奮しながら言った。

「まあ、頑張って」

 哀川はそういい残し、一人その場を去ろうとした。

「ちょっと待って、二人とも、ここは一旦引いて大勢を建て直そう」

 宮本が言った。

 本当はまだ戦っていたいけど、哀川と話してみたいし、少しきつくなってきたしな。

「分かったよ」

 大和はしぶしぶ承諾し、尾崎の認めてくれた。

「哀川、待ってくれよ」

 宮本は哀川との距離がかなり離れてしまったことに気がついたのだ。

「ったくあいつ、待っててくれてもいいもんだけどな」

 大和がイラつきながら言った。

「尾崎、攻撃はいいから早くこっち来い」

「分かったよ」

 尾崎は攻撃を止めて、二人の所に向かった。

「よし、逃げるぞ」

 宮本が元気よく言った。

 そう言って、三人は哀川と合流しようとしたが、哀川の足の早さは部活をやっている生徒のように早かった。哀川は無言で黙々と走っていたため、宮本たち三人を無視していた。

「あいつ、速くない?」

 大和が不満を言い出した。それから数分後、敵を撒いた三人は何とか哀川と合流できた。

「無理して俺といっしょにいなくていいよ」

 哀川が少しだけやさしく言った。

「お前と話をしたいやつがいるんだよ」

 宮本は大和の肩を押した。

「あのさ、聞きたんだけど・・・・」

 大和は固まってしまったので宮本が後押しした。

「何緊張してんだよ。はっきり訊いたらどうだ」

「分かったよ」

 大和は気持ちを落ち着かせて訊いた。

「草川沙希について聞きたいんだけど」


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