スパイの罪
結局、私は味方の三人を倒してしまった。
鈴木薫は憂鬱で今すぐにも、このゲームをやめたかった。しかし、まだ自分のチームが負ける方向には流れていないので、もう少しだけ行動しなければならない。
C地区の東をさまよっていると、大きなボックスがあることに気がついた。
「何かしら、これ」
鈴木はそのボックスを確かめた。
説明書きが書いてあったので、読んでみると、シークレットアイテムと書いてあった。
何々、下の番号キーに自分のクラス番号を入力せよと書いてある。
鈴木は自分のクラス番号を入力した。すると、表示画面にOKと表示され、転送開始と書かれた。
何なの一体?
鈴木はボックスが気になってしかたがなかったが、すぐにその答えが出てきた。
ボックスが転送を開始したのだ。一瞬の出来事であったが、ボックスが消えたかわりに別の物が転送されてきた。
高さ一mくらいの円柱の上に何か置いてある。
何かしらこれ?
鈴木はその青色の長方形の装置を手にとって眺めた。すると、円柱から立体映像が表示され、この装置の使い方を表示してくれた。
鈴木はその立体映像を見ながら、左手につけているブレスレットの上に取り付けてみた。
何も起こらない。どうしてかな。そうか、この状態でブレスレットの範囲地図を出したらいいのかも。
鈴木はその装置のボタンを押すと、範囲地図が立体映像で表示された。すると、明らか今までの映像と違いがある。青と赤の点が多く表示されていた。
何かしら、この点?
鈴木はボタンを押して、地区別の映像に切り替えた。E地区の表示にすると、点に色が着いていることが分かった。
赤と青の点がいくつかある。そうか、赤の点がルーズドッグの生徒で、青の点がブライトフューチャーズの生徒の点だ。じゃあ、これは生徒がどこで何をしてるか分かる装置なんだ。これがあったら、とっても便利だけれど、私がこんなものを持つなんて。
鈴木はその装置で黒い点である自分の周りに味方と敵がどれくらいいるか確認した。
敵と味方の点が一点に集中している。きっと、交戦しているにちがいない。私はこれからどうしよう。
鈴木は近くに味方と敵がいないことを確認した後、考えた。
交戦しているB地区とC地区の東側の境目に行って味方を倒して、敵を援護しよう。本当は嫌だけど。
鈴木は、ブレスレットの電源を入れたまま、B地区とC地区の境目を目指した。




