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04 本泥棒の討伐

ここも変だと言われる部分です。


変な部分が気になったらいつでも訊いてくださいね。



てなワケで、どうぞ




「どうすんだよ…」


いきなり現れた泥棒に一体何をすれば良いのかーー。


想刃はどうすれば良いのか全くわからず、ただその場に立ち尽くすだけ…


ーー勘弁してくれ…


想刃は頭を抱えながら一歩 一歩と後退した。


だが三歩下がった時、踏み止まり、泥棒に少し近づいて行った。


普通よりやや遅く歩いてるが、しっかりと泥棒に近づいている。


こんな事しなくてもいいのにーー。


だが、彼の中の“良心”とでも言おうか…



泥棒を捕まえよう と彼は思ったのだ。



ーー俺は何をしてるんだ。


もし、泥棒が自分より力の強い相手なら確実に返り討ちに遭う。


だけど姿は明らかに女。


肉体も華奢だから自分より力が強い筈は無い。


まともに相手をすれば男である自分が勝つ。


だがそれでも、彼は“ある事”を忘れなかった…


それはレミリアのような存在であるか である。


レミリアは人間じゃないーー吸血鬼だ。


この泥棒もあるいは と彼は考えたのである。


その事を考えた瞬間、足が止まりそうになったが、勇気を出して歩みを続けた。


そして本棚に手を近づける泥棒に想刃は話し掛けた。


「ま、待ってください」


少し言葉を出すのを躊躇いながら、彼は敬語で本泥棒に声を掛けた。


「あん?」


声が聞こえたのか、泥棒は彼の声が聞こえた方向へ振り向き、彼を見た。


見られた時、彼は僅かに擦り足で後ろに後退した。


何をされるかわからないーー。


彼はいつでも泥棒が攻撃をしても良いように身構えた。


「本を盗むのを、やめて頂けませんか?」


「人聞きが悪いな。盗むじゃなくて借りるだけだぜ? 死ぬまでな」


ーーそれを遠回しに“盗む”って言うんだよ。


それに“借りる”などと言ってるが、この図書館の壁をブチ破り、管理者も誰も居ない図書館で本を取って鞄に入れてる時点でおかしい。


普通借りるなら入り口を使う。


更に言うと、管理者が居ないのに借りられる訳が無い。


やってる事がまるで強盗だ。


「とにかく、今すぐ盗むのをやめないと、力尽くでも出て行ってもらいますよ」


彼のその言葉に本泥棒は反応して立ち上がった。


ーー出て行く気になったのか?


「良いねぇ。力尽くは大好きなんだ」


本泥棒は棚に掛けていた箒を取り、股がった。


箒股がって何をするつもりなのだろうかーー。


まさか魔法使いのようなやつじゃあるまいし。


すると本泥棒は静かに宙に浮き始め、5m程の高さまで浮いた。


「う、浮いてる⁉」


突然起こった現象に彼は自分の目を疑った。


トリックなんて見当たらないーー。


もしこの空中浮遊がトリックの仕業なら、あらかじめこの図書館内に仕掛けをしておかないと意味無い。


それに、位置が違ったら浮くどころか何も吊るしてないピアノ線が見えるだけ。


更に前にも言ったが、この“場所”には吸血鬼が居るのだから、あり得ない事があり得ても何らおかしく無いのだ。


「じゃあ行くぜ!」


本泥棒は5mの高い場所から何かを取り出した。


“何か”とは短冊状の紙札である。


ーー紙札で何をするつもりだ?


「星符『メテオソニックシャワー』!」


本泥棒が何かを唱えた直後、紙札が消え、手から大量の☆型の星を撃ってきた。


予想外なんて目じゃない程 彼は驚き、咄嗟で走って本棚へ隠れてなんとか防いだ。


「何なんだあれは⁉」


いきなりの攻撃に星を使うと言うのは無い上、星自体撃てない。


彼は本泥棒が並外れた者なのだ と理解した。


「まだ終わりじゃ無いぜ?」


「⁉ いつの間に…⁉」


彼が気付かないうちに本泥棒は既に彼の目の前に居た。


そしてまた紙札を取り出して唱えた。


「星符『エスケープベロシティ』!」


今度は先を読んだのか、本泥棒の箒の一撃に彼は姿勢を一瞬で低くし、真横に跳んで回避した。


本泥棒は攻撃の勢いで本棚の上に着地した。


ーーさっきからあり得ない攻撃ばっか出しやがって…


彼は“完璧”だが、常人より全ステータスが上なだけで普通の人間なのだ。


攻撃をくらったら痛いし、刺されたりしたらもっと痛い。


下手したら死ぬ事なんて当たり前なのだ。


彼は今更ながら後悔した。


あのまま何もせずじっとして泥棒が出て行くまで待ってればどうにかなったのに と…


「まだまだ行くぜ!」


本泥棒はノリノリで紙札を取り出し、唱えた。


「魔空『アステロイドベルト』!」


本泥棒は箒に股がり、☆型の星を大量に撒き散らした。


ーー避けられない⁉ なら逃げる!


彼はただひたすらに星に当たらないように走り、本棚を盾に使った。


「あぁ~…図書館管理者の人すいません…」


ちゃっかり謝罪をする想刃であるーー。


「なかなかやるなお前。ちょうど良い、まだ自己紹介して無かったな。私は霧雨 魔理沙(きりさめ まりさ)って言うんだ。お前は?」


突然、姿が確認出来ないが、本泥棒が想刃に話し掛けてきた。


「俺は霧裂 想刃。レミリアーーとか言う奴の執事だ」


「へぇ、執事か。ところで、お前人間だろ」


「それがどうした?」


「実は私も人間なんだ。魔法使い のな」


ーー“魔法使い”の時点で人間じゃ無えって…


あくまでも人間を貫く魔法使いの本泥棒。


想刃は本泥棒の 気軽そうな感じが羨ましい と言った。


こっちなど攻撃を避けるのが精一杯なのに対し、向こうは楽しんでいるのだ。


「んじゃ、もう一ちょ行くぜ!」


本泥棒の掛け声が聞こえたと思ったら、本棚の端から本泥棒が箒股がって飛んで来た。


ーークソ! 見つかったか…!


「魔符『スターダストレヴァリエ』!」


唱えた瞬間、箒の後ろから何らかのエネルギーが噴出し、本泥棒が箒に股がったままかなりのスピードで想刃に突っ込んで行く。


ーー突進系の攻撃か。


彼は突っ込んで来る魔理沙に一歩二歩と走り込み、跳んだ直後に蹴りを魔理沙に放った。


いきなり跳んで来た蹴りに魔理沙は驚いたのか、箒から転げ落ち、想刃は着地した。


彼が何故魔理沙に飛び蹴りを放ったのか?


「すみません。突然突っ込んで来るのがまるでチンピラに絡まれたみたいで、つい…」


彼はよく妙な輩に絡まれる事があり、そのいつもの癖だ。


突然、パンチや蹴りを繰り出されると自身の体が勝手に反撃を行う。


突進攻撃は似たようなものらしく、それで反撃を行った と考えるのが妥当だ。


彼自身が完璧なのはそこにもある。


格闘など使えて当たり前なのである。


「いや~驚いた。まさか反撃されるとは思わなかったからな」


「もう力尽くは結構ですから、本だけ置いて帰ってくださいよ…」


「そいつは無理だ。調べたい書物がせっかく見つかったんだ。死ぬまで借りるだけだって」


「それは遠回しに盗むって言ってるだけですよ」


「とにかくーー私はこの本を借りてく。それが嫌なら私と弾幕ごっこで勝負しろ!」


ーーそれだけは勘弁願いたいんだがな…


「ところでその“弾幕ごっこ”って何ですか?」


「んな事はイイから行くぜ!」


勢い任せの本泥棒だーー。


だけど、このまま続けたところで彼に勝ち目は到底無い。


ーーどうしたら…


「月符『サイレントセレナ』!」


と、誰かが唱える声が聞こえた瞬間、魔理沙の足元からエネルギーが集束した。


足元に気付いた魔理沙はその場から飛び退いた瞬間、エネルギーレーザーが噴出した。


ーー誰だ一体?


「そこまでよ魔理沙。飛ぶ事も出来ない人間に弾幕勝負を挑んで楽しい?」


細々とした声が魔法使いの本泥棒に話し掛ける。


その言葉を聞いた本泥棒の魔理沙は少し怯んだ。


「本は借りてもいいけど、必ず返して頂戴。いいわね? わかったら今日はもう帰りなさい」


「ん~…わかったよ。じゃあな」


魔理沙は せっかく久々に楽しかったのに と吐き捨て、自分がブチ破った壁から出て行った。


想刃は溜め息を吐き、膝から崩れた。


ーー助かった…


彼は正直荒っぽい事は苦手な為、こんな事は出来ればしたく無いのだ。


「大丈夫かしら?」


想刃の後ろから細々とした声が聞こえたので、彼は立ち上がって振り向くと、声の通り細っそりとした紫髪の女性が立っていた。


ーー細いな…


こんな見るからに細っそりした身体付きで大丈夫なのか心配になる。


「助かりました。後、本を粗末にしてしまい、すいません」


「良いのよ。むしろこの程度の被害なら幸運な位よーーあ、あなたは想刃君ね? レミィから聞いてるわ。私はパチュリー・ノーレッジ。よろしくね」


あのレミリアから聞いているようだーー。


しかし、彼は感謝している。


本泥棒との戦闘は彼にとって必死なもの。


止めてくれた事に非常に感謝しているのだ。


「注いては何だけど、片付けを手伝ってくれないかしら?」


紫髪の女性は片付けを手伝うか訊いてきた。


「はい。勿論手伝います」


「そう、助かるわ」








続く

最近忙しいので、何だかやる気が出なくて出なくて…


暇人なのにねぇ~



では、また次回

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