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03 完璧で無愛想な執事

はい、こっから変だと言われる部分です。


変な部分は一応それなりの理由があるので、気になったらいつでも訊いてください。


僕の世界観なので、仕方無いのかも知れませんね…



ではどうぞ

「わかった…」


彼が素直に了承した後である…


レミリアが手を上に上げ、指を鳴らした直後、羽根の生えた子供複数が綺麗に折り畳んだ服を持って来た。


──さっきからこの子供は一体何なんだ?


彼はこの言葉を口に出したかったが、心の中だけにしておいた。


あまりこの事に口を出すとどうなるかわからないからである。


羽根の生えた子供は彼の体を縛っていた縄を解き、折り畳んだ服を手渡した。


「何なんだこれは?」


彼は手渡された服の事をレミリアに訊いた。


「それはあなたが着る執事服よ。今日から働けるよう、妖精達に特別に作らせたわ」


──何でわざわざそんな事を…


おまけに 特別に作らせた と言ってるが、あまりにも出来上がるのが早過ぎる。


最初から“この事”を知っていないとこのような事は出来ない筈なのだ。


まるで“こうなる事”が最初から決まっていたようだ──。


「咲夜、想刃を着替え部屋に連れて行きなさい」


「かしこまりました」


と、レミリアがメイドに命令したら、メイドが想刃に近づいて来た。


「付いて来てください」


そう一言 言ったら、出口の扉に向かって行った。


想刃も仕方無く立ち上がり、出口の扉に向かって歩いた。


扉前まで来たら出口を塞いでいた緑服の女が退き、扉が通れるようになった。


そしてメイドが扉を開け、レミリアの居る部屋から出た。


──息苦しかった。


彼は何かから解放された気分になったが、実際は より硬い鎖で繋がれた事を思い出した。


執事───彼はこの仕事が一番嫌いになった…


まさかこんな奴等に捕らわれてこの仕事を受け持つ事になるとは──。


彼は自分の“運命”を呪った。


産まれて直ぐに親を亡くし、欲しくもない自身の完璧と言う“才能”を手に入れてしまった事も含めて…


──最悪だ…


彼は心の底からそう思った。


「ここよ」


気付いたらドアが目の前にあった。


どうやら目の前のドアが着替え部屋らしい。


「さあ、入って早く着替えて頂戴」


──いきなり敬語じゃ無くなってる…


いきなりの上から目線に若干驚くが、気にせずドアを開けて着替え部屋の中へ入った。


「さて──着替えるか…」


想刃は着ていた服を脱ぎ、持っている服を折り畳んだ状態から広げ、袖に腕を通した。


そして履いていたズボンも脱いで、執事用の黒いズボンを履いた。


その時、彼は気付いた…


「サイズがピッタリだ…」


彼の身体の寸法に服が合っていたのだ。


おまけに着心地が凄く良い。


知らない内に体の寸法を計られていたとしか考えられないが、そうすると理解出来ない事が頭の中に浮かび上がる。


──何故寸法を計る必要がある?


初めからこうなる事が決まっていたのを知ってるのだろうか?


未来を予知するにしてもまず確定し切れる事じゃ無い。


だが、彼の着ている執事服がその“事実”を証明している。



──誰かに俺の“何か”を“操作”された…



何か と 操作…


何かとは“運命”…


先ほども言った事。


そして操作とは運命を動かした事…


何者かが運命を操作し、彼がこうなるようにした…


だが彼も常識人である為、こんなあり得ない推測を認める訳が無い。


だけど、この“場所”に吸血鬼が居るのだから、そのようなあり得ない事が起こってもおかしくない──。


既に彼の頭の中は様々な事で溢れていた。


「いつまで着替えてるの? 早くしなさい!」


ドアの向こうからメイドの声が聞こえてきた。


想刃はネクタイを急いでシャツの襟に巻き、着替え部屋から出た。


「お待たせしました」


彼は待っていたメイドに敬語で声を掛けた。


「遅いわよ。どれだけ待たせるつもり? これから仕事なんだから」


少々 五月蝿いメイドである──。


「まだ自己紹介がまだだったわね。私は十六夜 咲夜(いざよい さくや)。私が主な指示を出すからそれに従って頂戴。良いわね?」


「はい」


彼がいつの間にかメイドに対して敬語を使ってるのは、メイドが自分の先輩である事を理解したからである。


新しく入った執事。


今居るメイドとでは立場が明らかに違う。


想刃は目上の人に対しての敬語はしっかりと心得て居るのだ。


「じゃあまずは掃除から。着替え部屋の二つ隣の部屋に掃除道具があるから、それで廊下を掃除して。この館内の全部の廊下よ」


「…はい」


この館内 全ての廊下を掃除と言う事に想刃は少し躊躇気味に返事をした。


──この館内 全てってどうなんだ?


正直 頭がおかしいのでは と言いたいくらいの発言であるが、仕方無く掃除道具を取りに行き、廊下を掃除し始めた。


サッサと箒で掃除をしているが、そのペースが早い。


普通早いとガサツにやってると見られがちだが、彼の場合は違う。


掃除のプロも顔負けの腕があるのだ。



暫らく経って…


何者かが咲夜の肩を指で叩いた。


咲夜が振り向くとそれは想刃であった。


「何故ここに居るの? 掃除はどうしたの?」


「もう全部終わりましたよ。掛かった時間は、15分です」


黒髪の青年が言ったその言葉に対して咲夜は耳を疑った。


──15分でこの館内全部を掃除し終わる?


咲夜は廊下を指で擦って確かめた。


──埃が無い…


ただの一つも…


完璧だ──。


彼は全てが完璧なのだ。


人間だけども“人間”では無い程に…


“完璧”だ。


掃除や家事だって何のその、プロ以上の事も彼からしたら普段から瞬きをするくらいに普通の事なのだ。


「では、全部やったので、俺は休憩に入ります」


そう言って彼は咲夜が止める間も無く姿を消した。



「しかし広いな この館。掃除してたら道覚えたし。確か──ここが図書館だな」


彼はいつの間にか館内の道まで覚えていた。


しかも何処に何があるかまで…


彼が辿り着いたのはこの館と隣接する大図書館である。


名前は 紅魔館魔法図書館


──やっぱりあり得ない場所だな ここは…


魔法が付いている時点でおかしい。


普通ならギャグで捉えられるこれも大真面目に英語で書いてあるからだ。


想刃は頭を掻きながら図書館入り口の扉に手を掛けて開けた。


すると彼は驚いた。


図書館なのに薄暗い上、湿気っている。


これでは本にカビが出来てしまう。


外から激しい雨の音が聞こえるので、彼は その所為でもあるのだろう と判断した。


──と言うより、窓くらいあっても良いだろ。


この図書館は何故か窓が存在しない。


灯りはあるが、それも光の弱い蝋燭だ。


──設備はしっかりしてるクセに何故…


結局、この大図書館は図書館とは言い難い物であると──。


──こんな環境で本を読む奴の気が知れないよ。


薄暗く、おまけに湿気のあるこの空間で本を読む事など出来るのだろうか。


ただ目を悪くするだけである──。


想刃がズラリと並ぶ本棚の中を歩いて居ると、突然何かが崩れる音がし、前から光が見えた。


──何だ一体?


崩れる音は壁が壊れたからであり、窓が無いと壁から差し込む灰色の光が眩しく感じる。


「さて、今日は何を貰ってくかな?」


性格の明るそうな女の声が聞こえた。


貰う と言ってると言う事から考えられるのは…


泥棒ーー。


しかも本の泥棒である。


「どうすんだよ…」








続く

さあ、連投打ち止め!


次回からはゆっくり投稿します。


また変な部分があるので、気になったらいつでも訊きに来てください。



また次回



まぁ、訊いてくれ と言ってるのは文章を改変してないんですよね、すみません

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