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3-9 事情を聞こう、そしてまずは自己紹介から

 「よかろう! お前たちを弟子と認めよう!」ってフウコさん、勝手に弟子入りを認めないで。まあ、聞こえてないからいいけどさ。


 そして、僕が戸惑っていると、スレンダーな子が割り込んだ。


 「ちょっと、キッカ、勝手に弟子入りしたりしないで!」


 そしてその子は、僕の方を向いて言った。


 「山でも助けてくれた方ですよね。何度も助けていただいてありがとうございます」


 そして僕に笑顔を向ける。あーこの感じ、やっぱり警戒されているよなあ。なんなら、2回も危ない所に居合わせて、ストーカー扱いされないか心配だ。そう思っていたら、キッカって子がスレンダーな子に向かって言った。


 「ちょっと、ミーちゃん、今は僕が話していたでしょ。邪魔しないでよ」


 「邪魔って、あんたねえ、いきなり知らない人に弟子入りとかするもんじゃないわよ」


 それはそう。弟子入りされそうになった僕でも、いきなりすぎるんじゃないかと思う。あと、この獣人の子、僕っ子なんだな。褐色の肌に美人系の整った顔立ちでキャラは活発な僕っ子の獣人。うーん、これはこれであざとい。


 それはそれとして、一応状況は聞いておかないとな。今度は僕があのおっさんたちに狙われたりしたら嫌だし。


 「ところで、さっきのあいつらは誰なの?」


 えっ、ていう顔で3人から見られた。


 「あの、Bランク冒険者のデイビオさんですけど。えっと、お兄さんも冒険者なんですよね?」


 そうスレンダーな子が言った。確かミアリーって呼ばれていたかな。さっき僕のことをおじさんって言った子だ。1回お兄さんって言われたからって許すわけじゃないからな。


 まあ、忘れたふりはするけどね。僕は大人だからね。僕は何事も無いような顔をして答えた。


 「あー、僕はこの間、この街っていうかこの国に来たばかりで、この街の人の事はあんまり知らないんだよね」


 「ああ、そうなんですね。デイビオさんはこの街でもトップクラスと言われている冒険者なんです」


 おっと。この街の有力者を敵にまわしちゃったみたいだ。まあでも、しょうがないな。一瞬、有力者と仲良くなった方がよかったかもっていう考えが頭をよぎったけど、よく考えたら、人の事をチビっていうようなやつは叩き潰さざるを得ない。


 「それで、なんで君たちはそんなトップクラスの冒険者と揉めてるの?」


 3人は互いの顔を見合わせた。


 「いやあのお…」


 3人はお互いの様子をうかがうように、一瞬黙ったけど、ミアリーがすぐに僕の方に言った。


 「ええっと、無関係な人を巻き込むわけにもいきませんし…」


 ミアリーの話を遮ってキッカが口を挟んだ。


 「ミーちゃん、師匠に相談してみようよ。アドバイスを貰えるかもしれないし」


 「いや、弟子入りを許可したわけじゃないんだけど…」


 「えっ!?」と、びっくりした顔をしてキッカが言った。そして、その横でフウコも同じく「えっ!?」って言って同じようなびっくりした顔をしている。フウコ、そりゃそうだよ。僕に教えることなんか無いし。あと、このキッカって子も、どうもおっちょこちょいなタイプっぽいな。


 「まあでも、相談に乗るぐらいは全然いいよ。役に立つかは分からないけど」


 ミアリーが言った。


 「いえ、でもご迷惑をかけるわけにはいきませんし」


 うーん、相当警戒されているのかもな。まあ、無理に仲良くなりたいわけではないけど。


 その時、これまで黙って様子をうかがっていたフードの子が口を出した。


 「ミーちゃん、せっかく言ってくださっているのですから、こちらの方に相談してみてはいかがでしょうか。少なくとも、デイビオさんの仲間という訳ではないようですし」


 「決まり! 2対1だね!」「ちょっと、多数決で決めるわけじゃないっていつも言っているでしょ」そんな感じでキッカとミアリーが言い合ったが、それはそれとして、という感じでミアリーが僕に言った。


 「それじゃあ、お時間をいただいて申し訳ないんですけど、私たちのお話しを聞いていただいてもいいですか?」


--------------------


 結局、フードの子が「せっかくですからお礼もかねて、お食事でもしながらお話ししませんか」と言い出したので、夕方集合にしてその場は解散した。


 そして僕とフウコは、一旦宿に戻った後、指定されたレストランに行き、案内された個室で“虹色の綿毛”の3人と食卓を囲んでいた。


 「いやあー、こんなにかわいい子と一緒にご飯を食べるのは久しぶりだよねえ。しかも3人一緒とか、ハーレムかよ!」


 フウコが良く分からないことでテンションが上がっている。いや、全然ハーレムじゃないよ。目的は3人の相談に乗ることだから。


 ちなみにお店は、エンガルトの街の名物という海鮮料理を出すレストランだった。冒険者が普通に使うのよりも1ランク上の店のような気がする。さっき、お金で揉めてた気がしたけど、こんないいお店を使っていいのかな? もし金銭問題の原因がただの浪費だったら、相談に乗る気も失せるけど。なんとなく、パパ活とか港区女子とか、いやな言葉を思い出す。


 まあでも、せっかくこの街に来て初めて僕たちの力を見せつけた人たちだ。できれば良好な関係を作っておきたい。この子たちでは人脈というには力が無さすぎる気もするけど、何事も小さなことからコツコツだ。会社の上司もそんなことを言っていたし。


 注文を決めるのに獣人の子とスレンダーな子で言い合いをしていたりしたけど、おいしそうな料理を色々頼んでくれた。この2人、いつも言い合いをしているな。まあ仲の良さが伝わってくるから嫌な気持ちにはならないけど。フードの子は2人の言い争い、というかじゃれ合いをニコニコしながら黙って見ている。ちなみに、今はフードをかぶっておらず、金髪のロングヘアーが表に出ている。顔も清楚というか育ちのよさそうな美人さんだし、いつも顔を出していればいいのに。


 そして料理も出そろって、誰もお酒を注文しなかったけど、一応乾杯をした後で、獣人の子がおもむろに口を開いた。


 「じゃあ改めて、僕は冒険者パーティ“虹色の綿毛”のリーダーのキッカ。こっちの口うるさいのがミアリーで、こっちの美人さんがリヨーナ」


 「はあ!?」ってスレンダーな子ことミアリーが言いかけたが、言い合いをする状況ではないと思ったのか、キッカをにらんだ後、僕の方を向いて笑顔で「よろしくお願いします」と言った。フードの子こと美人さんことリヨーナはニコニコ笑顔で頭を下げて、こちらも「よろしくお願いします」と言った。


 さて、じゃあ今度は僕が自己紹介する番だな。冒険者同士だ、多少のはったりはした方がいいんだろう。


 「僕はケースケ。精霊術師で、冒険者にはこの間なったばかりだけど、強さには自信がある」


 「そして私がフウコ。風の精霊だよー!」


 おっと。「強さには自信がある」とか言っちゃって、自分で恥ずかしくなって照れ笑いしかかっていたけど、そうだ、フウコのことがあるのだった。


 う、紹介せざるを得ないな。自分の事を精霊術師と言ったし。まあ、“虹色の綿毛”には力を見せているし、妄想癖のある変な奴扱いはされないと信じたい。よし、フウコのためだ、がんばろう。

ここから2話ぐらい“虹色の綿毛”との話し合いが続きます。もうちょっと短くしたかったのですが、なかなかうまくいかなかったです(汗

物語に動きがないのでちょっとテンポが悪いかもしれないですが、お付き合いいただけますと幸いです。

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