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2-18 精霊さんたちとのお話し、そして精霊魔法のお勉強

 エインさんの林の方に行ってみると、ちょうど井戸からマカナが来ていて、フウコと3人でお話ししていた。ん? なんかみんな深刻そうな顔をしてないか?


 「エインさん、マカナ、おはよう」


 「おはようございます」「あら、おはよう、あなたも大変だったわね」


 「うん、なんとか命拾いしたよ。エインさんも大変でしたね。林の状況はどうですか?」


 「ご心配いただきありがとうございますね。だいぶ傷ついてしまいましたが、村人の方々が回復に力を貸してくださるでしょうし、すぐに復旧できると思います」


 「それはよかった。僕も協力するので、何でも言ってくださいね。マカナも昨日は知らせてくれてありがとうね」


 「ええ、感謝しなさい。村の人間たちにも感謝するように伝えておきなさい」


 「ははは、分かった、伝えておくよ」


 精霊さんたちって感謝されるのがすごい好きだよな。感謝しておけばいいチョロい存在なのではという(よこしま)な考えも頭をよぎったりする。


 「ところで、昨日の化け物のなんだけど、あれは何なんだろう?」


 そして、魔石が複数あったこととかを話した。


 「なにそれー!」「聞いたことがないですね」「理解できないわね」


 ということで、化け物の情報はゼロだった。ちなみに化け物の処理は、エインさんの林に埋めちゃえばいいということだ。あんなよく分からないのを吸収しちゃって大丈夫なのか心配なんだけど、「大丈夫です。土や木々の吸収力は強力ですから」とエインさんが言っていたので、大丈夫なのだろう。


 化け物についての話題は以上だ。それでは、もう一つの話題に映らなきゃな。悪い情報だったとしても気を落とさないように覚悟を決めよう。僕はしっかり話そうと思って少し息を吸い込んだ。


 だけど、僕が口を開く前に、フウコが言った。


 「ケースケ、他にも聞かなきゃいけないことがあるんじゃないの?」


 なんか、フウコがいつになくシリアスな顔をしているな。なんか、悪い予感がする。その予感を振り払うようにあえて気楽な感じで言った。


 「そうそう、昨日僕とフウコは契約したんだよね」


 「そうらしいわね。おめでとうと言っておくわ」


 マカナにそう言われた。あ、契約っておめでたいことなんだな。


 「あ、ああ、ありがとう」


 「フウコぐらいの強大な精霊が人間と強い契約をするなんて、なかなか無いことなのよ。誇るといいわよ」


 「ケースケさん、フウコさん、おめでとうございます」


 「あ、はい、ありがとうございます。それで、実は、契約って何なのか、あんまり分かっていなくてですね」


 「契約は契約よ。あなたがフウコの強力な魔法を使えるようになったってことよ」


 「マカナさん、その説明はちょっと大雑把すぎますよ。ケースケさん、せっかくなので、この機会に精霊の使う魔法についても説明しましょうか?」


 うん、確かに精霊の魔法っていうのもいまいちよくわかっていないし、聞いておこうか。フウコがさっきから真面目な顔で黙っているのが気になるんだけど、とりあえずはエインさんの講義に集中することにした。


 「そもそも、精霊は通常、その力の大半をこの世界に及ぼすことが出来ません。我らに許されているのは、あくまで自然のことわりに沿った力の行使のみになります」


 それは前もフウコがいっていたな。


 「例えば、風の精霊なら、風を吹かせたり()ませたり、水の精霊なら水の流れを作り出したりということですね。私のような木の精霊なら、木の成長を補助したりできます」


 「つまり普通の自然現象に近いような感じですね」


 「はい、そうです。ごくまれに、特殊な条件がそろった場合にはとてつもなく強い大風や信じられないような大量の雨を降らせることもありますが、めったにないことです」


 なるほど、台風とかそういう感じか。


 「しかし、人間の魔力を貰った場合、精霊はかなり強力な魔法を使えるのは知っていますね」


 うん、フウコのかまいたちみたいな攻撃とか、エインさんがツタで魔物を攻撃したり木を急激に成長させたりだな。


 「その魔法は、厳密に言うと、精霊が人間の魔力を使って行使しているわけでは()()()()()


 ん? そうなの?


 「そもそも、精霊はその強力な力のうち、ごく一部をこの世界に行使する権限しか持っていないのです。しかし、人間の魔力を使って、その力を行使できる範囲を広げることが出来るのです」


 うーん、難しくなってきたな。つまり、精霊は人間なんかとちょっと別の世界にいるから、その力がこの世界に使えない、でも人間の魔力によって、この世界に使える力が増えるみたいな感じか?


 サッカーで言うと、本来キーパーはペナルティエリア内でしか手を使えないけど、人間の魔力でもって、ペナルティエリアの外でも手を使えるようになるとかそういう感じか?


 うーん、いまいちしっくりこないけど、とりあえずそんな感じで考えておくことにしよう。


 「ですので、精霊の魔法は人間から貰った魔力量を超えたような力を及ぼせるわけです」


 いやあ、久しぶりに勉強をしているなあ。エインさんも先生みたいみたいだし、学校を思い出す。


 「さて、そして契約ですが…」


 お、いよいよ本題だ。


 「契約によって、人間が精霊の力を直接使えるようになります」


 そう、昨日は僕自身が風を操るとか、すごいことが出来ていた。これは、つまりサッカーで言うとフィールドプレイヤーが手を使えるようになる感じか?


 「そして、その力は、精霊が人間の魔力を使って行使できる力より、かなり強力です」


 「そういうこと。すごいことなのよ。よかったわね」


 マカナが言った。ちょっと押しつけがましい言い方な気もしたけど、昨日の力は確かにすごかった。フウコでも傷つけられなかった化け物を切り裂いたし、それに、すごい勢いで空も飛べた。怖かったけど。


 だけど、僕が一番聞きたいことはまだ聞けていない。メリットがあればデメリットもある。


 そして、契約をするときにフウコから言われたのは、僕の寿命が削られるかもしれない的な事だったはずだ。


 怖いけど、聞かないという訳にもいかない。一体僕の寿命は、どうなっちゃっているんだ?

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