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1ー1 気がついたら異世界、そして精霊さんとの出会い

初投稿となります!

気軽に読めて楽しい作品を目指しています。

至らない点も多いと思いますが、優しく見守っていただけると幸いです。

 気が付いたら、荒野にいた。


 右を見ても、左を見ても、後ろを見ても荒野。遠くのほうにかすかに山脈が見えるぐらいで、木の一本も見えない。


 俺はなんでこんなところにいるんだ? 運転中に景色のいいところがあったので車を降りてスマホで写真を撮ったあと、顔を上げたら荒野にいた。


 さっきまで乗っていたはずの会社の車も無ければ道路もない。トンネルを抜けたら雪国っていうことはあるらしいけど、顔を上げたら荒野ってどうなってるんだ?


 というか、どうやってここに来たんだ? いや、むしろこれからどうすればいいんだ?


 背負ったショルダーバッグには飲みかけのペットボトルのお茶と薄手のウインドブレーカーぐらいしか入っていない。あと、ちょっとだけお菓子もあるか。それ以外には、文房具ぐらいか。ポケットにも財布とハンカチぐらいしか入ってないし。


 スマホを見ても圏外。もう一度周りを見渡しても人っ子一人いない。


 いや、そろそろ目の前の現実を見よう。まあ、これが現実なのか夢なのかはまだ決められないけど。


 人っ子一人いないというか、ふわふわ浮かんでいる女の子は目の前にいる。


 なんならさっき周りを見渡した時に目が合っている。でも、どう反応すればいいのかわからなかったので、一旦見なかったことにしていた。


 僕が知ってる女の子は空中に浮かんだりしない。だから、これは夢を見ているか僕の頭がおかしくなったか、そうじゃなければそういうことだ。


 そう、異世界転移。ラノベとかで流行っているあれだ。


 僕がなんでそんなことに? いや、今はそれを考えるより、この女の子と話してみよう。


 覚悟を決めて、女の子に向き合う。


 見たところ年齢は高校生ぐらいか? 大きな目をさらに見開いてこちらを見ている。


 真剣な顔なんだろうけど、口が小さく開いているせいで、ちょっとかわいらしい。というか、むしろめちゃくちゃかわいらしいな。


 いかん、かわいいと思ったら変に意識してしまう。もともと、こっちは男子校育ちで、このぐらいの年の女の子と話した経験とかあんまりないんだ。


 でも、親しみやすい感じだけど、どう考えてもこの子は神様とか精霊とか、そっち側の存在だよな。服はそっち系のイラストでよく見る白いワンピースだし。ついでに髪も茶色っぽいストレートのロングヘアーだし。前に読んだ漫画に出てきた精霊とおんなじなんだよな。


 とりあえず、失礼にならないようにしっかり話しかけてみよう。


 「どうもこんにちは」「はあっ!」


 なんかすごいびっくりされたぞ?


 「えっ、あなた私のことが見えてるの?」


 「はい、見えてますけど」


 「はっ、言葉も聞こえる?」


 なんかリアクションが大きいな。両手を挙げて驚かれてしまった。


 「はい、言葉も聞こえていますけど、大丈夫でしょうか」


 「あ、はい、大丈夫でごさり、じゃなかった、ございますと思いますです」


 あ、もしかして敬語は苦手だったのかな。なんか苦い顔をしている。そして言った。


 「ごめん。難しい話し方苦手なんだよね。普通の話し方でいい?」


 やっぱり敬語は苦手だったみたいだ。


 「あ、もちろんいいですよ。どうぞ気にしないでください」


 「ありがとー! あなたも、その気持ちわる、じゃなかった、難しい話し方やめてほしいかもー」


 なんかフランクになったな。あと、敬語は気持ち悪がられてたっぽい。


 「わかった。こういう話し方でいい?」


 「うんうん。ごめんね。普段精霊どうしでしか話さないから、人間の難しい話し方はよくわかんないんだよね」


 「いや、こっちこそどういう話し方がいいかわからなかったもんで」


 そして、やっぱり精霊だったらしい。


 「で、あなた誰? どうしてこんなところにいるの?」


 どう答えたものか。僕の乏しい異世界転生系のラノベとか得た知識では、異世界人であることを隠したりするんだよな。信じてもらえないだろうとか考えたりして。


 でも、この精霊は悪い人、いや人ではないけど、悪い精霊ではない気がするんだよね。


 決めた、正直に話してみよう。


 「実はさ」


 それから、これまでの経緯、といっても日本にいて気付いたらここにいましたっていうだけなんだけど、とりあえず15分ぐらいで経緯を話した。本来は1分もかからない話だと思うんだけど、話の途中で「車ってなに?」とかスマホの事とか色々聞かれたからどんどん話が長くなってしまった。


 「うわーっ! すっごい不思議!」


 「ああ、やっぱりそう思うよね」


 もしかしたら、僕みたいなケースも結構あって、簡単に元の世界に戻れるとかも期待したんだけど、そういう感じじゃないらしい。あと、この精霊さんは車もスマホも日本のことも知らないらしいし、ここが異世界であるのは確定っぽい。


 さて、異世界にいることも目の前にいるのが精霊であることも確定したところで、何をすればいい? 飲み物も飲みかけのお茶だけだ。このままではやばいよな。できれば、人のいるところに行きたいよな。


 「ところで、この辺に人っているのかな? できれば人に会いたいんだけど」


 「人? うーん、すごく近くにはいないけど、ちょっと行けばいるかな」


 助かった。荒野に一人じゃ詰んでるもんな。


 「悪いけど、案内してもらうことってできる?」


 「えーと、でも人の足だと何日もかかるかもよ」


 何日もかかるかもって、精霊の尺度だとそれでもちょっとなのだろうか。すごいな精霊。


 そして、飲みかけのお茶だけで、数日の移動か。かなりきついな。食事がとれないのもきついが、飢え死にするほどじゃないはずだ。でも水は生存に必須のはずだ。


 「じゃあ、水場とか近くにあるかな」


 「水場? この辺は水なんて全然ないよ」


 えっ… それって…


 「あのさ、人って水を飲まないと数日で死んじゃうんだよね」


 「えっ… えええーーー!!!! ピンチじゃーん!!!!」


 精霊さんがすごいびっくりして叫びだした。いや、叫びたいのはこっちだからね。

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