004_荷物が雪崩のように届く
火曜日の朝。
退職して初めて迎える自由な朝
俺「なんだこの幸福感!」
アラームが鳴らない朝ってだけで神かよ。
コーヒー淹れて、優雅にニュースを眺めていた、その時。
ピンポーン。
(お? 来たな第一陣)
玄関を開けると、宅配業者のお兄さんが
でかい段ボールを抱えていた。
「えっと只野さんですね?
今日、あと“二十五件”あります」
俺「多くない?」
「全部で三十七件って書いてますね
今日から金曜まで毎日来ますのでよろしくお願いします!」
爽やかな笑顔で去っていった。
(これ、倉庫じゃなくて俺ん家だよな?)
玄関がすでに段ボールで塞がりかけている。
■ ■ ■ 午前:地獄の超連続ピンポン
10分後。
ピンポーン
20分後。
ピンポーン
3分後。
ピンポーン
ピンポンピンポンピンポンピンポーン!!
俺「多いわ!!」
宅配のお兄さん(同じ人)も
もう疲労で目が死んでいた。
「只野さん今日はこれでラストです!」
俺「あなたが神だ!!」
■ ■ ■ 午後:部屋が完全に詰む
段ボールを開封していく。
電子レンジ × 6
炊飯器 × 4
掃除機 × 3
液晶テレビ × 5
扇風機 × 3
ノートPC × 7
その他もろもろ。
(バラエティパックか?)
1Kのアパートは、
もはや人が住む空間ではなくなった。
俺「詰んでる」
いや、違う。
(これ全部、新品になるんだよな
これ全部、金になるんだよな!)
ニヤァ
笑いが止まらない。
■ ■ ■ 深夜前:初リペア開始
まずは電子レンジから。
壊れた扉を触ると
ピカッ。
新品同様の金属光沢。
内部までピッカピカ。
(よし!)
炊飯器、掃除機、扇風機
手を当てるたびに光って新品になっていく。
俺「気持ちよすぎる!!!」
壊れた家電の山が、
どんどん“商品”へと変わる。
気付けば深夜1時。
床一面に整列した“ほぼ新品”家電。
(これは立派な商売だ!)
気分はもう
自宅工房の職人社長
■ ■ ■ 水曜日の朝:第二陣来襲
そして翌朝。
ピンポーン。
「おはようございます! 今日も“十三件”です!」
俺「多いわ!!(嬉しい)」




