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「運とかありえませんわ!」

「もう!また失敗!なんなのよ…!!」


今日も今日とて上級ポーション作りに失敗してイライラしているところだ。しかし今日はそんなことよりも大事な事がある。それはノーマンとやっと会える日なのだ。事は急げと早足で屋敷に戻っていく。


「お嬢様!今日はノーマン様がいらっしゃるのにどこに行ったのかと思いましたよ」

「えへへ…ごめんなさいクラーア」


彼女は少し怒りながらもパッパッと頭に乗ったゴミを払ってくれた。よし、ノーマンに会うぞ。


「……ご機嫌麗しゅうノーマン様」

「ああ、君がアリスさんだね」


美しい緑の長髪を揺らして笑う男、この男こそノーマン・パーキンス。この男の前ではあまり興味深い動きをしてはいけない、何故かと言うと興味を持った相手の事を徹底的に調べようとするからだ。そんな男に目を付けられたら私がループしてることも転生していることもバレてしまうかもしれない。


「それで?今日は一体なんの相談なんだい?」

「実は…皆に内緒で上級ポーションを作ろうと思ってるのですが、なかなか上手くいかなくて…薬学の天才であるノーマン様でしたら何か知ってるのではないかと思いまして」


出来るだけ刺激しないように、分かりやすいように喋る。すると彼はううんと唸った後に私の目を真っ直ぐ見た。


「それは大変だね、出来れば作業している所を見せてほしいけど」

「勿論ですわ、ささ、こっちですノーマン様」


秘密基地にまた1人ご案内だ、取り敢えず作成の様子を見せることにして、いつも通りポーションを作る。材料を入れて、魔力を込めて混ぜる…すると、ぼふんと音がなり爆発した。爆発!?初めてやってしまった。というか何で爆発するのか分からない。きちんと手順通りにやったのに。


「ふぅむ……これは魔力量が多過ぎるのが原因かもしれないけど……一番の問題は…」

「問題は?」

「運だね」


運!?嘘ですよねノーマンさん、私は信じたくないですよその言葉。しかし天才が言うなら間違いが無いのだろう。というかいいのかそれで、運に左右されすぎだろこの世界。


「運ですか…」

「まあこればっかりはね、回数だと思うよ」


確かに言われてみれば試行回数が少なかった気がする。これからは一日中ポーション作りに挑戦してみよう。そう意気込んでノーマンの方に振り返ると、彼はこの家に興味を示しているのか辺りをキョロキョロと見渡していた。


「凄いでしょう?私の秘密基地なんです」

「それは凄い、ところで気になったんだけど君は何故内緒で上級ポーションなんか作ろうと思ったんだい?」


まずい、確かにそこを聞かれる可能性はあったか。しかし言い訳を考えていないなんて私じゃない。最適解を先に割り出しておいたんだ。


「後で皆に自慢したいんです、作れるんですよって」


なんて無邪気に笑えばもう完璧。貴方が興味無さそうな純粋無垢な子ですよ。


「…ふうん……あぁ、これならウィルフレッド様が君の事に夢中な理由も分かるよ」


確かに元のアリスの性格は穏やかで優しく努力家であったので、努力家(?)な私に惚れるのか。彼の言葉で少し納得した。

ノーマンが帰った後、私は上級ポーション作りに精を出す事にした。そして遂に3日後、上級ポーションを完成することに成功した!魔力の量を調整したみたりしていたがそれが効果を生んでいたのかは不明だ。

これで遂にモンスター刈りに行ける。私は嬉しさで拳を上にあげ雄叫びをあげた。

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