002話 ジャヤ村の異変
ダイナはミカンの家に着き、ミカンからジャヤの森の地図を大量に受け取った。
「ダイナおっそーい!!何かお詫びの品はあるんでしょうねー?
あ、焼肉でも良いよ!」
彼女はダイナの幼馴染のミカン。アザールはなんと"無し"。
しかし当の本人は何も気にしておらず、小さい頃から
「歌手になる!」と言い張っている。
去年ついにデビューしたが、村の人気者程度。そこが田舎村の限界だった。
「勘弁してくれよー。母さんそもそもなんでこんな大量の地図欲しがったんだろ。親父が必要なのかな?」
「そんなの私が知るわけないじゃない!それより新曲出来たんだけど聴いていかない!?それではいきます!"your angel"!
〜遅れて参上~あなたのエンジェル~ 」
歌い始まる頃にはダイナは家に帰っていた。
「来週はランクチェックかあ…はあ……
このままじゃ、一生エペイストだろうなあ。」
ジャヤ村では半年に一度ランクチェックを行う。
ランク(クラスともいう)は六段階あり、人間の強さを示すものだ。
これは"ラヴェリテ"という古くからある野球ボールほどの自動演算装置が対象の人間を観測、数値化する。
それぞれ
1.【アンペラール】 (皇帝)
2.【ジェネラル】 (将軍)
3.【シュバリエ】 (騎士)
4.【グラディエーター】(剣闘士)
5.【エペイスト】 (剣士)
6.【ナシオン】 (市民)
の6種類に分類されている。
人口の95%は【ナシオン】。
基本的に戦闘には全く関係のない人たちだ。
エペイストから戦士として戦争や猛獣の討伐に駆り出される。
戦士の99%以上は【エペイスト】だ。
その上からは才能のあるものにしか辿り着けない存在。
ダイナの父ダンテは【グラディエーター】でその中でも周りの【グラディエーター】を圧倒する力を有している。
【アンペラール】なんて歴史上2人しかいない。
ジャヤ村には【エペイスト】約1万人、【グラディエーター】は10人以上存在する。
村としては考えられない戦力だ。
自動演算装置"ラヴェリテ"は数百年前から存在しているが、現代の科学では作成不可能だ。未だ謎が多い
しかし100%ランク分けが出来る超高性能装置なので、全世界で使用されている。
ダイナは半年前に【エペイスト】に昇格した。
子供の頃は【ジェネラル】になる!と豪語していたが、最近は現実に打ちのめされてしまっている。
エペイストにランクアップする平均年齢は18〜20と言われているが、ディムは16歳で【エペイスト】になっていた。
今ではエペイストの中でも頭ひとつ抜けている。
近くにこんな天才がいれば、ダイナも嫌になってくるのは当然かもしれない。
「ダイナちゃん!今日は畑手伝ってくれないのかい?」
「ダイナ〜儂のところも頼む!最近腰がダメで大変なんじゃ。」
村を歩いていると毎日こう言われる。ダイナは大の畑好きだがそれは"晴れの日"の話だ。
(この人達、毎日頼んでくるような…)
「いつも言ってるけど雨の日は無理!!また今度ね!」
ダイナの決まり言葉だ。
「あれ?ババ様?こんな所にいるなんて珍しい!」
「おお…ダイナではないか! 今日は村の臨時会があってのお、、、アタシも珍しく参加したのじゃ!」
このお婆さんは村長のゴーニャ=ジャラ。
村人たちからはババ様と呼ばれている。
ダイナやディナ、ミカンは幼い頃ババ様によく遊んでもらっていた。
3人は昔、毎日のように悪戯をして怒られていたものである。
「ババ様まで!?一体何があったんだ!?」
ダイナは不思議そうに聞く。
「......ダイナよ、鍛錬を怠るでないぞ。」
とだけ言って、ババ様は帰ってしまった。
(何か大変なことが起こりかけて…いや既に何かあったのか?
そういや、ここ1ヶ月飛行機も止まって野菜の輸出も全くしてないし、なんか変だぞ!?)
ジャヤ村は米や野菜の輸出で成り立っている。1ヶ月輸出をしていないのは異例の事態だった。
夜、ダイナは父に尋ねた。
「親父、村で何かあったの?ババ様まで参加するなんて俺が知る限り見たことないよ?」
いつになく真剣な眼差しで父に問いかけた。
「…お前にも伝えておかなければいかんな。今日の臨時会で何が決まったか話そう。
俺も今日初めて聞いた時は驚いたんだが、、、」
ーーーーーーーーーーーーー人物紹介ーーーーーーーーーーーーー
1話につき1人まで紹介します。
名前:ダイナ【主人公】
年齢:18
性別:男
身長:172cm
体重:64kg
性格:晴れてる日は元気。
アザール: 【フォトサンテーズ】光合成のこと。
光を浴びれば浴びるほど強くなる。
階級:【エペイスト】
職業:農民
好きなもの:農耕、グミ