↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/40

再会

本日二度目の投稿です!よろしくお願いいたします。

ジークとの結婚に頷いたアリアだったが、正直頭の中は混乱でいっぱいだった。

昨日の今日でこの状況である。落ち着けというほうが無理な話だ。


相変わらず百面相を続けるアリアを意味深に見つめたのち、ディートリヒは「話は以上だ」と無情にも告げて、立ち上がる。


「結婚に関わる諸々は、ジークと詰めてくれ。それから、リーゼロッタ嬢はとりあえずこの城に滞在してもらいたい。部屋を用意させているので、案内させよう」


ディートリヒが告げると、どこからともなく表れた王宮の侍女たちが、リーゼロッタを連れていってしまった。それを見送ると「それじゃ、私も」といって、ディートリヒも退室してしまう。


あっという間に、ジークと二人で取り残されたアリアは、慌てた。


「え、え、そんな急に…」


はたと気が付いてみれば、ジークの腕はアリアの方に回されたままだった。

予想外の距離にアリアは再び慌てて、身をよじる。


「わ、わ、ちょっと、離れて…」

「なんだよ、照れてんのか」


にやにやと余裕な顔をして笑うジークにアリアはイラっとした。


「あなたねえ…!」

「ま、いいや」


詰め寄ろうとしたアリアからあっさりと手を離すと、ジークも踵を返した。


「とりあえず、行こうぜ」

「行くってどこに…?」

「決まってるだろ、家だよ。俺の家」

「家…!? ジーク、家を建てたの!?」


ジークはアリアの護衛騎士をしていたので、基本的に王宮内に与えられた部屋で暮らしていた。

もともと平民の出なのもあって、家などももっていなかったはずだが、ずいぶんな出世である。


「陛下からもらったんだよ。昨晩『いろいろあって』爵位を失ったやつが何人かいてな。空き家が増えたから、城に近いやつをそのまま…片付けさせてるから、もう使えると思うぞ」


昨晩…色々…ということは、先王デロイの下で甘い汁を吸っていた貴族だったのだろう。

それにしても、そのままもらってしまうとは…


「え、じゃあ、ジークも行くのは初めてってこと?」

「ま、そうなるな」

「だ、大丈夫なの…?」

「信頼できるやつらに任せてるから、心配はしてない」


色々と規格外な事態に、アリアはまた目を回しそうになったのだった。


***


ジークの「家」は本当に王宮からほど近いところにあった。しかもかなり立派な邸宅である。

ろくに他の貴族と交流をしていなかったアリアには、元の持ち主の想像すらつかないが、これは相当先王から手厚い待遇を受けていた人物のタウンハウスだったものと思われる。


「むかつくから、あいつらの家なんて、燃やしちまいたいくらいだけど…更地にするにしろ、改めて建てるにしろ費用が掛かるって、陛下が言うからさ。そんなことに税金を使うわけにもいかないしな。再利用することにした」


代わりに、置いてあった豪奢な家具類はすべて売り払い、孤児院や治療院に寄付するのだという。

内装もすべて入れ替えるとのことで、昨晩から作業を始めて本当に終わっているのか?とアリアは不安になった。


しかし、扉を開けて杞憂であったことに気づいた。

壁紙・照明・家具に至るまで、中は上品に明るく整えられている。


「使用人は…個人的にはいらねえけど、家を管理するには必要だからな。陛下に何人か調達してもらった。あとは、俺が連れてきたのが…」


そう言って、出迎えに出てきた使用人の中から一人の女性を指し示す。

その先に目を向けたアリアは、飛び上がって、中央にいる女性に駆け寄った。


「ナニー!!!!」


3年前、この国で迎えた最後の日まで、アリアに寄り添ってくれた侍女のナニーが、そこにいたのだ。

アリアが駆け寄り抱き着くと、ナニーは目元を赤くしながらそっと抱擁を返した。


「アリア様…!よくぞご無事で…!私は、私は本当に…!」

「いいの…!いいのよ、ナニー。再び会えて、これ以上うれしいことはないわ…!」


そのまま二人はしばらくの間抱きしめあっていた。

ようやく落ち着いたアリアがそっと身体を話すと、ナニーは改めて深く礼をした。


「改めまして、アリア様。ナニーでございます。フリジア伯爵のご厚意により、再びアリア様にお仕えする望みを叶えることができました。これからはお2人に忠誠を誓わせていただきます…!」


言われたアリアは、聞きなれない名前に、首を傾げた。


「フリジア伯爵?」

「あ、それ俺のことだわ」


事もなげに言うジークを振り返り、「え、」と瞠目するアリアに、ジークはしれっと言い放ったのである。


「家と一緒に爵位ももらったんだわ。ジーク・フリジア伯爵ってのが俺の名前になったから。姫さんもフリジア伯爵夫人になるんで、よろしく」

「えええええ」

「あ、あと俺、騎士団長にもなった」

「えええええええ!!」


次々と明かされる事実に、アリアは本当に頭がショートするかと思った。


***


「閣下の功績からすれば、伯爵位でも足りないくらいですわ!貴族の出でいらっしゃらないから、一度に階級を上げることができなかっただけで…本当は公爵でも良いくらいです」


鼻息荒く告げるナニーの入れた紅茶を飲みながら、アリアは頭痛のする頭に手をやり、唸った。


「た、確かに…あのイフリード帝を討ったのだものね…。それはそう。それはそうなんだけど…!」

「アリア様!こんなことで驚いていちゃ、だめですよ!まだあるんですから」


にんまり笑ったナニーの言葉に目を瞬くと、彼女たちがいる応接間の扉をノックする音が響いた。

ジークが入室を許可すると、扉が開き、入ってきた人物をみて、アリアはまた叫んだ。


「エリックおじさま!ジェイド!!」


あの最後の日、アリアに協力してくれた騎士2人が満面の笑みで現れたのだ。

ナニーの時と同様、思わず駆け寄って抱きしめようとしたアリアの首根っこを、ジークがつかんで押さえた。


「あいつらはだめだ、あいつらは」


不機嫌にそういうジークに首を傾げつつ、まあいいかとアリアは2人に向き合った。


「まさか2人にもまた会えるだなんて…!」


感動に打ち震えるアリアに、ジェイドは照れたように笑い、エリックは慈愛に満ちた微笑みを向けた。


「我々も、アリア様に再び会える日を心待ちにしていました」


何度も想像し、そして打ち消してきた奇跡のような光景が目の前に広がり、アリアは目を潤ませたのだった。

これで物語の主要人物が出揃いました。


いいねやブクマ登録、ありがとうございます…!

絶対に…完結させるぞ…。


今後ともよろしくお願いいたします



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。