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エイガカイタイシンショ  作者: 田中四角
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【用語集】


【ア行】

〇アイデア

コンセプト、ログラインと共に『アイデアの三階層』を作る。アイデアは最初に思いつくストーリーの種で、アイデアを広げて考えることでコンセプトに発展できる。思いつきのアイデアを素材に書きだしてしまうと、多くの場合、変化やドラマのない物語ができあがる



【カ行】

葛藤(かっとう)

葛藤・対立(コンフリクト)の一部。三幕構成(四部構成)では葛藤パートが必須である。ストーリーは主人公の欲求の解決――つまり変化を描くものなので、主人公が悩み苦しんだ上で、自らの行動によってそれらを打開する必要がある。葛藤は人物の内面や亡霊から生まれることが多い


外見(がいけん)

人物を構成する『第一の次元』と呼ばれる。表に見えているもの。人物に対する読者の第一印象のこと。外見は人物の内面が決める。


欠陥(けっかん)

心理的欠陥と道徳的欠陥とに分かれる。主人公の変化――今とは違う姿を描くためには、人物や読者が望む姿とは正反対の弱さを、つまり欠陥を描く必要がある


〇コンセプト

アイデアを広げたもの。「もし~なら?」の形式にすることで明確になり、コンセプトが次のコンセプトを呼ぶ。コンセプトを重ねることでストーリーは深く豊かになる



【サ行】

〇サブテキスト

行間のこと。言外の意味。"ある文章表現"によって読者にさまざまなことを伝える。たとえばサブテキストを含んだセリフは人物の背景、想いなどを読者に連想させる。『描写しろ、説明するな』の原則にとても有効。詳しくは『VISITを解体する』で書いています


〇サブプロット

メインプロット(本筋)に対してサブの筋のこと。メインプロットを樹の幹とするなら、枝分かれしたサブプロットたちは『独立しているが幹に栄養を送る存在』でなければならない。サブプロットは必ずメインプロットに合流し、影響していないといけない。サブプロットを理解することの恩恵は、メインの筋――なんについての物語かが明確にでき、狙って別筋を組み合わせることができるようになること


三幕構成(さんまくこうせい)

映画における基本的な構成。ストーリーを第1幕+第2幕Aパート+第2幕Bパート+第3幕に分け、それぞれに役割を与えるストーリーの骨となるもの。それぞれのパートに移るポイント『転換点』によってストーリーは加速する


〇ジャンル

ジャンルには二種類ある。映画観客向けのジャンルと、構成から考えたジャンル。前者はホラー、スリラー、サスペンス等の区分。後者について、進化論ではブレイク・スナイダーの提唱するジャンルを採用している


真の姿(しんのすがた)

人物を構成する『第三の次元』と呼ばれる。第一の次元とも第二の次元とも違うなにか。真の姿は究極的に追い詰められた時、人物が本能的に取る行動によって姿を現す。100万円持ってる人が1万円貸すのは同情で、全財産1万円の人が1万円を貸す姿が人物の真価を見せる。人物の内面(第一の次元)と真の姿(第三の次元)を比べることで、人物に深み(ギャップ)が生まれる


設定原則(せっていげんそく)

ストーリーをドラマにするために必要な設定のこと。優秀なログラインに必要な要素。「主人公が〇〇の状態になれば彼は〇〇せざるを得なくなる」などの設定を作り、主人公を窮地に追い込ませる。設定原則により主人公は葛藤し、絶望し、そこから変化することになる



【タ行】

対立(たいりつ)

葛藤・対立(コンフリクト)の一部。障害とほぼ同義。敵対者。人物の欲求解決を邪魔してくる存在の象徴。対立によって人物は葛藤し、これを打ち倒すことで人物は変化する


抽象化(ちゅうしょうか)

ある物事を『本質を表すことば』に置き換えること


〇テーマ

現実社会のなにを描きだすか? 問題提起であり、読者に投げかけるもの


〇テーマの尺度(しゃくど)

テーマに0から10までの数字を振った時、0ならテーマレス、10ならプロパガンダ(教訓、思想の押しつけ)となる。これを中庸(ちゅうよう)(尺度5)にすることで読者は「自分ならこうするな」と考え、物語に深く同調する


(てき)

主人公と【対立】する存在。敵対勢力と区別して考える


敵対勢力(てきたいせいりょく)

主人公の欲求を最大限邪魔するもの。人物とは限らない。心の葛藤や過去の記憶などもあてはまる。主人公の変化とピンチポイントに深く関係する


動機(どうき)

欲求の原動力となるもの。読者が納得できるものであればあるほど強い動機になる。だから個人的・限定的な動機というよりは普遍的(ベーシック)なのが重要



【ナ行】

内面(ないめん)

人物を構成する『第二の次元』と呼ばれる。外見より一層下にある。外に露出していない部分。自分だけが知る本当の自分がここにあり、内面は人物の外見の理由となっている


内面の悪魔(ないめんのあくま)

人物が行動を起こす時、それを引き留めようと囁く内なる声のこと。人物の欠陥と関わりがある



【ハ行】

〇バックストーリー

物語が始まる前のできごと、その全般を指す。コツはバックストーリーをまとめて描かず、シーンが展開する『きっかけ』として、シーンの頭で断片的バックストーリーを小出しにすること。シーンと組み合わせずただ人物の掘り下げとして使うと失敗しがち


〇ピンチポイント

敵対勢力を見せる場所。2幕AパートBパートの、それぞれ中間あたりに位置している


〇プロット

ストーリーの設計図。さあ物語を作ろうという時、"雪のかまくら"を作りたいのか"建築学に(のっと)った家屋"を作りたいのかを想像すれば、プロットの重要性がわかる。プロットを必要としない人たちはパンツァーと呼ばれる。プロットは"絶対に"必要なもの。パンツァーは激しくオススメできない。詳しい理由は進化論74話を参照のこと


〇プロットポイント

1幕の終わりと3幕の始めに置く。前者の役割は『主人公が新たな人生を歩まざるを得ないきっかけを作ること』、後者は『最後の新情報を出すこと』で、それぞれ役割が異なる


変化(へんか)

最初とは違った状態になること。変化の度合い大きいほど、または変化の過程がドラマティックなほど読者は共感できる


亡霊(ぼうれい)

現在の主人公に強く影響をあたえているバックストーリーのこと。亡霊はたびたび現れては主人公を苦しめ、葛藤を描く



【ヤ行】

欲求(よっきゅう)

人物(多くは主人公)が持つ。「〇〇したい」「〇〇になりたい」という欲求の解決を描くことがストーリーの役割。人物は最初、現状に不満があり変化を望んでいる



【ラ行】

〇リスク

物語のゴールでは主人公の欲求が解決される。リスクとは「もしそれに失敗したら主人公はどんな酷い目に遭うか?」のことで、ストーリーに緊張感を与える目的で設定する。リスクがなければ失敗し放題。主人公の行動が軽くなり、読者は主人公を応援しづらい


〇ログライン

コンセプトに人物を加えた最終形。本進化論ではプレミスと同義に捉えている。「どんな物語なの?」の問いに簡潔に答える一文のこと。①皮肉(予想を裏切る展開)はあるか? ②ストーリーの広がりはあるか? ③タイトルと組み合わせると強力になる

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