八十二話
クロードはスケルトンワーカーキングを倒したのを確認して聖剣エクスカリバーを鞘に納める。
スケルトンワーカーキングのドロップは沢山の鉱石に特大の宝石だった。
ゲーム時代では外れドロップであるが現実となった今ではそうとも言い切れまい。
「お前凄いな。ボスを一人で討伐しちまうなんて」
「討伐の途中に入ってきた人ですね」
「気が付いていたのか。俺はAランク冒険者パーティー白桜のディーンだ」
「冒険者のクロードです」
「ルイスです」
「イリヤなのであ~る~」
「ミウスよ」
「俺達はこのダンジョンのスタンピード阻止とスケルトンワーカーキングの確認に来たんだが全部お前が片付けちまったな」
「素材を集めに来ただけなんですがボスと遭遇するとは思いませんでした」
「そりゃぁ。不運だったな。申し訳ないんだが冒険者組合に状況を説明しないとならないんだが俺達と一緒にミースールの街まで来てくれないか」
「わかりました」
クロード達はスケルトンワーカーと遭遇することなくダンジョンの外まででてきていた。
ダンジョンの外にはディーン達が乗ってきた馬が結ばれている。
「すまんが。クロードは俺と相乗りしてくれ」
「よろしくお願いしますね」
クロードは手慣れた手つきでディーンの後ろに乗る。
ディーン達は危機は去ったためゆっくりめで馬を走らせていた。
「それにしても見事な剣だったな。やっぱりギフトで貰ったのか」
「ギフトで授かった剣ですね」
「うらやましいぜ。俺も何か貰えたらよかったんだが」
「強力ですけど欠点もありますよ。振るたびに魔力を持っていかれるので燃費は最悪です」
「そうなのか。俺は魔力に恵まれてないからすぐに空欠になるんだろうな」
Aランク冒険者は高ランクなのを笠にきて態度の悪い者もいるがクロードはそうではないと安心していた。
「ほら。ミースールの街が見えてきたぞ」
通常よりもはるかに高い城壁を持っていて仮にスタンビードが起きても街に篭り援軍を待つのである。
ディーン達が冒険者カードを提示しているのを見てクロードも冒険者カードを提示して街の中に入る。
冒険者組合は街を入ってすぐの所にあり馬を降りたディーン達は馬をその場にいた人に預けて入っていく。
クロードも慌てて後を追った。
「ディーンさん達帰ってきたんですね」
「おう。戻ったぜ。組合長はいるか」
「奥で仕事をしているはずです」
勝手知ったるという雰囲気でディーン達は迷いなく奥へ入っていく。
一緒に歩いていく子供を見て白桜にあんな子供いたっけと思う受付嬢だった。




